1月29日から開幕する『Billabong Pro Pipeline』を前に昨年3度目のワールドタイトルを獲得したガブリエル・メディナが健康面の問題を理由に出場を辞退するとWSLが公表した。
「ここ数ヶ月は個人的に難しい時期でそれが負担になっている。そのため、2022のCT開幕戦を辞退することにしたよ。フルシーズンを戦うつもりだったし、医学的にも精神的にも肉体的にも全ての準備をしてきた。休暇中にワクチン接種も受けたよ。しかし、今の自分は世界最高のサーファーを相手にパフォーマンスを発揮できると信じられる状態ではなく、健康に気を使う必要がある。この状態がいつまでかかるか分からないけど、準備が整い次第、CTに復帰することを目指す。皆さんの継続的な愛とサポートにとても感謝している。復帰できるようになったら戻るよ。 Love」
ガブリエル・メディナ
更に、自身のInstagramではポルトガル語で、「昨年は海の中でも外でも感情のジェットコースターを味わって、精神的にも肉体的にも影響が大きく、シーズン末は疲れ切っていた。もう限界だった」「精神的な問題に対処しなければならない」「これを公表するべきか迷ったけどいつも応援してくれている皆には僕が直面している問題を伝えるべきだと思った」などと語った。また股関節に軽いけがを負っていることも明らかにした。
今回のガブリエルの判断にWSLのCEOであるエリック・ローガンはこう答えている。
「アスリートの健康と安全が最も重要であり、我々はガブリエルが自分の健康を優先させるという決断を完全にサポートする。私たちはシーズンを始めるにあたって世界最高のサーファーをファンの前に送り出したいと思っている。だからこそ、彼の決断を尊重するんだ。2022年のCTキックオフであるBillabong Pro Pipelineに、現役の世界チャンピオンがいないのは本当に寂しいけど、彼の準備が整い次第、ここに戻ってくることを歓迎するよ」
今年で50歳となるケリー・スレーター然り、すでに引退しているミック・ファニング然り、複数のワールドタイトルを獲得した選手がキャリアの途中で立ち止まることは必然なのだろう。
特に現在の世界情勢を見れば通常の精神状態で一年を戦えるアスリートがある意味特殊なのかもしれない。
ガブリエルのスポンサーであるリップカールのチーフマーケティングオフィサー、ニール・リッジウェイは最後に「多くの世界チャンピオンを狙うスポーツ選手にとって、最高レベルで勝利することのプレッシャーは大きい。オリンピックとWSLのCTは、特に激しい感情が入り乱れた世界さ。我々は多くの素晴らしいワールドチャンピオンサーファーの浮き沈みを見てきている。ガブリエルが完全に回復し、WSLシーズンの後半で暴れる準備をする計画を100%サポートするよ。また、彼の多くのファンに言いたいのは、もしあなた自身が肉体的、精神的に苦しんでいるのなら、手を差し伸べて助けを求めても良いのだと理解して欲しい。パンデミックの間、世界中の多くの組織から助けを求めてもいいということさ。もう一つは、もっとサーフィンをして欲しい。海は偉大な癒しを持つんだ。ガブリエルは回復の一環としてその海のラインアップに並ぶことでしょう。私たちは彼の健康を祈っているよ」とコメントを残している。
なお、ガブリエルのリプレイスメントは同じブラジリアンのカイオ・イベリが入る予定。
手首を手術したことにより欠場するライアン・カリナンのリプレイスメントは『HIC Pipe Pro』で3位に入ったジョン・ジョンの弟、イヴァン・フローレンスに決定。
Instagramで出場志願のムーブメントが起きてていたメイソン・ホーは今のところヒート表には掲載されていない。
WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/
(空海)