2018年から始まった豪Stab誌によるサーファーのアワードが先日発表された。コンペからフリーサーファーまで、多世代の世界トップサーファー50人への調査に加え、Stabのプレミアムメンバーにも意見を聞いた。大会の結果だけでなく、SNSやホームポイントで輝いたサーファーをリストアップしてもらい採点。ウィメンズはカリッサ・ムーア、メンズはジョンジョン・フローレンスと、『Digital Vans Triple Crown of Surfing』も制した2人がトップに輝いた。ベスト・ジュニアやベストムービーなどの結果も併せてお届けしよう。
2021年サーファー・オブ・ザ・イヤー(女子):Carissa Moore
調査した50人のサーファーほぼ全員のリストに挙げられたカリッサは2021年の文句なし、ダントツ一番の女性サーファー。大会においては、5度目のワールドタイトル、オリンピック金、トリプルクラウンを制覇した。結果だけでなく、パワーサーフィンやチューブのパフォーマンスも世界一でエアも次世代に引けを取らない。また、常ににこにこ、アロハあふれる人柄も選ばれた理由の一つ。2位との差は何と98点!
カリッサについて、投票者からのコメント・・・
「まるで夢のような一年だった!まず圧倒的にCTシーズンを制覇し(ダントツで)、文句なくオリンピック金を取り、おまけに世界チャンピオンに。他に成し遂げるものはあるのか?待て、ニューキャッスルのどでかいエアも歴史に刻まれるべきだ。まったく無敵だった!」
―ミック・ファニング
サーファー・オブ・ザ・イヤー(女子)のトップ10
1. Carissa Moore (179点)
2. Stephanie Gilmore (91点)
3. Caity Simmers (82点)
4. Bettylou Sakura Johnson (47点)
5. Coco Ho (43点)
6. Sierra Kerr (40点)
7. Justine Dupont (39点)
8. Tatiana Weston-Webb (37点)
9. Jaleesa Vincent (34点)
10. Erin Brooks (33点)
2021年サーファー・オブ・ザ・イヤー(男子):John John Florence
2021年CTシーズンはパイプマスターズの優勝で始まり、その後のXXLアウターリーフのフリーサーフでも世界を沸かせるライディングを見せた。しかし、オーストラリアで完治数か月の膝の怪我を負い、シーズン中盤を欠場。療養中に出したショート・ムービー『Maps of Home』では自分が世界一であることを最認識させた。五輪出場を目指してリハビリに専念し、シーズン終わりにはハレイワとパイプの大会を優勝して、復活を告げた。シーズン中はほとんど大会に出場できなかったのに世界一に選ばれるのは、大会結果だけでなく、サーファーとしてのオールラウンドのパフォーマンスが評価されのだろう。ジョンジョンはやはり世界一のサーファーだ。
ジョンジョンについて投票者は・・・
「コンペからフリーサーフまで、どんなコンディションでもジョンは安定のベストサーファーだ。」
―ケリー・スレーター
サーファー・オブ・ザ・イヤー(男子)トップ10
1. John John Florence (108点)
2. Gabriel Medina (105点)
3. Italo Ferreira (94点)
4. Mason Ho (43点)
=5. Kolohe Andino (25点)
=5. Jack Robinson (25点)
7. Griffin Colapinto (22点)
8. Mikey February (21点)
9. Nathan Fletcher (18点)
=10. Benji Brand (17点)
=10. Craig Anderson (17点)
2021年ベスト・ジュニア(女子):Caity Simmers
若干16歳ケイティ・シマーズのサーフィンはデーン・レイノルズやトム・カレンに例えられることがある。エアーもチューブも攻め、年齢以上のパワーがある。2021年はCTベテランのコートニー・コンローグなどを押さえ、USオープンを優勝し、CSランク4位でシーズンを終えた。CTにクオリファイしたものの、「まだコンペに人生を捧げる準備ができていない」として、今年のツアー参戦を辞退。もはやジュニア扱いではなく、女子のサーファー・オブ・ザ・イヤーに82点獲得して、合計98点でベスト・ジュニアに確定。
ケイティについてのコメントは・・・
「彼女は才能がすごくて、いつも攻めまくる。彼女が来るなら、僕は怯えちゃう!」
―フィリペ・トレド
ベスト・ジュニア(女子)トップ3
1. Caity Simmers (ジュニア16点+サーファー・オブ・ザ・イヤー82点=計98点)
2. Bettylou Sakura Johnson (ジュニア7点+サーファー・オブ・ザ・イヤー47点=計54点)
3. Sierra Kerr (ジュニア9点+サーファー・オブ・ザ・イヤー40点=計49点)
2021年ベスト・ジュニア(男子):Jai Glindeman
2年連続ベスト・ジュニアに選ばれたのは、オーストリア・レノックスヘッド出身のジャイ・グリンダマン。ジュニアだけで見ると、ジャクソン・ドリアンとルーク・スワンソンの方が票が多いけれど、ジャイはサーファー・オブ・ザ・イヤーでも7点獲得して、ジュニアのトップとなった。スタイリッシュなサーフィンはどこか懐かしく、見る人を魅了する。
ジャイについて・・・
「ジャイのサーフィンが大好きだから、名前が現れると必ず見る。クールでスタイリッシュで、映像はいつも一流。多くのジュニアはサーフィンの体操選手みたいだけど、ジャイはある意味昔の良さを持っている。」
―コロヘ・アンディーノ
ベスト・ジュニア(男子)トップ3
1. Jai Glindeman (ジュニア8点+サーファー・オブ・ザ・イヤー7点=計15点)
2. Jackson Dorian (ジュニア10点)
3. Luke Swanson (ジュニア9点)
2021年ベスト・エディット: Sonic Souvenirs by Kai Neville and Mikey February
ベスト・エディット(ショート・ムービー)の候補が多く、また様々なテイストの質の高い動画がドロップした2021年に最も輝いたのはソニック・スーベニアズ。カイ・ネビル監督の30分弱の作品はマイキー・フェブラリーのホーム南アフリカ周辺のサーフィン、文化、音楽をフィーチャーしている。アクションだけでなく、スタイルやストーリー性、文化や音楽も高く評価されている証拠だ。エピソード1が4月に発表されて以来、続編が待ち遠しい。
ソニック・スーベニアズについて・・・
「文化の稲妻に打たれて、芯まで揺らいでしまった。」
―ハリー・ブライアント
Best Edit (トップ5 )
1. Sonic Souvenirs starring Mikey February (6点)
=2. Eerie by Jaleesa Vincent (4 点)
=2. Ciclo starring Yago Dora (4 点)
=2. Bio Haz starring Harry Bryant (4点)
=2. Lost Track: Atlantic starring Torren Martyn (4点)
2021年 ベスト・フィルム:Reckless Isolation by Kolohe Andino
ベスト・フィルムの争いは早いうちから『Reckless Isolation』と『Snapt4』の一騎打ちとなった。制したのはコロへ・アンディーノが企画から監督などをこなし、資金も出した自主制作映画レックレス・アイソレーション。コロヘの他、イアン・クレーンやグリフィン・コラピントなどサンクレメンテを代表するサーファーがインドネシアで夢のような波をスコアして、それを一本の映画に仕上げ、アメリカ11の都市でプレミア上映会を行った。コロヘにとってはリスクをとっての挑戦だったが、この反響ならそれは良い投資だったはず。
レックレス・アイソレーションについて・・・
「昔のサーフ・ムービーが懐かしくなった。まるで夢のようだった。友達とサーフトリップに行って、最高な波を当てたくなっちゃうね。」
―マイキー・フェブラリー
Best Film (トップ5)
1. Reckless Isolation by Kolohe Andino (13点)
2. Snapt4 by Logan “Chucky” Dulien (11点)
3. Everything and All: The Pete Mel Story by Stab x Kyle Buthman (6.5点)
4. Rainbows in the Rearview by Take Shelter Productions (5点)
=5. Cadavre Exquis by Lee-Ann Curren (3点
=5. Dark Hollow by Dion Agius and Joe G. (3点)
Stabのサーファー・オブ・ザ・イヤー受賞を受けて、ジョンジョンがインスタに投稿
とても特別な数日間だった。同輩たちの投票で@stabのサーファー・オブ・ザ・イヤーに選ばれて大変光栄だね。楽しい一年だったが、大変なこともあった。オーストラリアでの怪我のあと一度は落ち込んだけれど、オリンピックまでに復活を目標に前向きに復帰を頑張れた。オリンピックに出る事、パイプマスターズやトリプルクラウンを優勝できたのは全部特別な思い出。何より、特にトリプルクラウン期間中に兄弟や友達と波乗りをするのが楽しかった。毎日6時間のセッションだった!
今年のメンズでは、自分は@gabrielmedinaに票を入れた。CTでの活躍が最高でインスパイアされた。理想のサーフィンができていたように見えて、自分も同じことを目指している。ガブ、3度目のワールドタイトルおめでとう!
@rissmoore10、ウィメンズ優勝おめでとう。僕も票を入れた。カリッサは幼馴染でありながら、人間性も素敵で、サーフィンの素晴らしい大使だ。去年はトリプルクラウン、ワールドタイトル、オリンピック金と、感動の連続だった。
同輩のみんな、ありがとう!みんなと引きを取らないよう努力を続ける。近日中にCTが再会するのが楽しみだ!
ケン・ロウズ