すでにウェイティングピリオドに入っているCT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』のスタート直前にWSLがケリー・スレーターにインタビュー。
『Billabong Pro Pipeline』でパイプラインでは8年ぶり、CTでは2016年のタヒチ戦以来の優勝を決めたケリー。
パイプの表彰式では「これが最後になるかもしれない。サンセットの前に自分自身と向き合う必要があるよ」と2月11日で迎えた50歳の節目も重なり、引退の可能性ほのめかす発言もあったものの、その答えは?
50歳を迎え、2014年以来の世界ランキング1位になった気分は?
ああ、最高だよ。
あれから8年。
パイプラインイベントで8度目の優勝とイエロージャージの獲得。
それを50歳にして成し遂げたなんて、正直信じられないね。
可能性がないとは思っていなかったけど、まさか現実になるとはね。
50歳の誰かがある日突然そんなことをすると考えたら困惑しちゃうよ。
だからここ数日は本当に感慨深いものがあるんだ。
ミック・ファニングは40歳になる前に辞めたんだっけ…。
彼はそういう男だと思う。
身体能力やレベルを上げるために自分をプッシュすることが出来る人なのにね。
とにかく、自分が成し遂げたことには驚いているよ。
『Billabong Pro Pipeline』の表彰式ではシーズンの残りの計画について確信が持てなかったようだけど、そのことについては考えた?
今年はフル参戦するよ。
コミットしているんだ。
昨年はオーストラリアレッグの直前に再び怪我をして4つのイベントを逃したし、この5年ほどフル参戦したことがなかった。
1年半負傷して競技ができなかったこともあるし、パンデミックの年はコンテスト自体がなかったよね。
だからこの数年は自分にとって本当に特殊だったし、チョープーでの優勝から5年半も優勝から遠ざかっていた。
頭の中で整理することが沢山あるね。
今だってインタビューをしている間に過去5〜6年に起こった全てのことを処理している。
例えば、あなたが8年間と言った時にピンとこなかったけど、あの時クラウドブレイクでガブリエルにイエロージャージを奪われたのを思い出し、最後に着たのは2014年だと確信したんだ。
その時のジャージは自宅の倉庫に保管していると思うよ。
しかし、今私は新しいイエロージャージを手に入れた。
最高だね。
2022年、ワールドタイトルを争えると思う?
やるべきことは分かっている。
今は程遠いと思っているよ。
今から年末までに沢山の仕事をこなさなければいけないのは十分承知さ。
まずはトップ5に残らないといけない。
今年は他のコンテストでも優勝して自信を取り戻したいし、どのように優勝するかや優勝するための信念が必要。トラッセルズに最後に辿り着く頃には…辛くなっているだろうね。
これが最後になるだろう。
最終的には悲しみもあるだろうけど、ほっとすると思う。
トラッセルズはプロになって最初に優勝した場所だから、最後にもふさわしい場所だと想像している。
1990年のPSAAのコンテストが最初の優勝で、まだ高校生だったね。
高校3年生の最後の週だった。
優勝して30,000ドルを手にして、夢のようなキャリアのスタートが実現したのさ。
だから、今年最後のトップ5の争いに残った場合、引退には完璧な場所なんだ。
長い間、競争力とハングリーさを維持している理由は?
欲望だね。
常に課題があり、その挑戦に物理的、精神的に到達することができれば、それが自分をプッシュしてくれるんだ。
それに加え、兄がいるから子供の頃は沢山の年上の人と競争しなければいけなかった。
先日、兄とメールをした時、’あなたが作ったこのモンスターはついに飼いならされたと思う’って返信したほどさ。
今回の結果は本当に満足しているんだ。
もし、今日辞めても良いくらいにね。
しかし、今週をピークにしてもう一つの山を登らないとも思っている。
今年は楽しみたいし、次のサンセットのコンテストも楽しみたいよ。
みんな私がサンセットを嫌いだっていうのを知っているし、確かにそうだね。
でも、たまに楽しい時間を過ごすことだってあるんだ。
自分の望む条件が整うのを待つことは出来ないけど、アウトに出て他の選手と同じかそれ以上のことにトライすることは出来る。
それはどのコンテストでも同じことさ。
来週はここで戦い、次はポルトガルに行って本格的にシーズンが始まる。
どうなるか分からないけど、楽しみたいね。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)