2007年にカリフォルニアのミッチ・アブシャーを中心に立ち上げられたキャプテンフィン。
「フィンとアートを組み合わせると楽しみに繋がる」というコンセプトを元にロングボード用を中心としたフィンをトーマス・キャンベルなどのアーティストや、タイラー・ウォーレン、アレックス・ノストなどのカリフォルニアのカリスマを巻き込んで展開したことが大ヒット。
今までの機能性だけのフィンの概念を覆すマーケティングで一気にメジャーブランドの仲間入りを果たした。
トレードマークの「アンカー」が入ったフィンを利用している日本のロガーも多いだろう。
更に同ブランドはサーファーだけではなく、アーティスト、スケーター、ミュージシャンとも多数コラボしてアパレルやアクセサリーなどでも人気を博している。
サポートしているサーファーはジョエル・チューダー、タイラー・ウォーレン、アンディ・ニエブレス、アレックス・ノスト、JJ・ウェッスル、コリー・コラピントなどのロガーだけではなく、デーン・レイノルズ、ディオン・アジウス、マッド・アーチボルト、コリー・コランピント、マイケル・フェブラリー、ターナー・グダスカス、チッパ・ウィルソン。
日本では大橋海人がサポートされ、シグネチャーフィンも発売されている。
2010年にはカリフォルニアのオーシャンサイドにキャプテンズヘルムをオープン。
キャプテンフィンの商品だけではなく、古着やバイカー、スケーターにも支持を持つセレクトショップとして有名となり、日本でも2014年に千駄ヶ谷にオープンしてカリフォルニアとは違う日本独特の路線でオリジナル商品を数多く販売している。
そのキャプテンフィンがVolcomとSpyderのグローバルマスターライセンシーであるLiberated Brandsに買収されるというニュースが入ってきた。
この買収は前向きなものであり、Liberated BrandsのCEOは「戦略的かつ思慮深く新しいカテゴリーに拡大しながら、既存のビジネスを新しいレベルまで強化する」と話している。
具体的にはLiberated Brandsが既存のサプライチェーンや、サステナビリティの取り組み、直販のインフラなどの専門知識、優れたコンテンツ制作、世界各地にある事務管理部門を活かすことで、キャプテンフィンの既存のチームは製品デザイン、マーケティング、販売に集中することが出来る。
また、Liberated Brandsはキャプテンフィンのスタッフ、取引先、チームライダー、サポーターを大切にすることに加え、持続可能で包括的にアパレルコレクションの再構成を直ちに行うそうだ。
海外メディアのStabがキャプテンフィンの元オーナーに直撃取材したところ、「この会社は最初から放課後の自由研究のような草の根的なビジネスだった。フィンに絵を描いたのは僕らが最初で、サーファーたちはその個性を評価してくれたんだ。今回のチームは現金よりも表現に重きを置いているという点で、同じような考えを持っている。アートは決して洗練されたものである必要はなく、サーファーにとって本物のものであればいいんだよ」とコメント。
新生キャプテンフィンのアパレル部門の成長の期待と共にフィン業界の二大巨頭であるFuturesとFCSからどれだけパイを奪うことができるのかにも注目したい。
Liberated Brands
https://www.liberatedbrands.com/
Captain Fin Co
https://captainfin.com/
(空海)