(カリッサ・ムーア) PHOTO:© WSL/Keoki

この冬「パイプマスターズ」が生まれ変わる!?

1971年からの古い歴史を持ち、サーフィンコンテストを象徴する「パイプマスターズ」だが、コロナ禍でトリプルクラウンがデジタル化され、パイプラインでのCTイベントが最終戦から開幕戦に変わったこともあり、イタロ・フェレイラ(BRA)が優勝してワールドタイトルを獲得した2019年を最後にあの年末のワクワクするような「パイプマスターズ」は姿を消してしまった…。
更に「パイプマスターズ」という名称はVANSの知的財産権にあたるため、CTのパイプライン戦をこのように呼ぶことはできないという複雑な事情も絡んでいる。

しかし、ようやくWSLイベントが安定して開催されるようになった2022年の冬、デジタルやCTと離れた招待制のWSL公認コンテストとして「パイプマスターズ」が復活。
それもStabmagとVansが組んだことで過去のバレルに特化した「パイプマスターズ」とはジャッジクライテリアが変わり、フェイスやリップでのマニューバーやエアリアルも評価されるようになり、よりエンターテイメント性が高まることになる。

つまり、クリスチャン・フレッチャーのようにパイプラインで飛んでも皮肉は言われないのだ。

招待選手

新生「パイプマスターズ」の名称は現在、『Vans Pipe Masters』と公表されている。
開催期間は2022年12月8日〜20日。

CTではなく、招待制のWSL公認コンテストになり、16歳以上の60名のサーファーで行われる。
内訳はメンズ40名、ウィメンズ20名。
半数は地元ハワイアンで構成される予定だ。

まだ招待選手の詳細は明らかにされていないが、過去のワールドチャンピオン、パイプマスター、CT選手、エアリアルサーファー、ローカルヒーローの招待が予定されている。

フォーマット

予選ラウンドは4人ヒート、30分。
各選手は3回ヒートを行い、トップ3のスコアがカウントされる。
各ヒートを戦う4人の内、2人はハワイアン、2人はその他の地域のサーファーが組まれる。
予選ラウンドはゴルフのリーダーボード形式のようにスコアで争われ、ドロー内の全員と競い合い、上位4名が決勝ラウンドに進む。
シードについては公平を保つためにイベントに参加しないパイプラインのスペシャリストによって決定される。

プラオリティはないが、サーファー同士の干渉やドロップインについてはトップスコアの半分を失うペナルティが課せられる。
プラオリティがない分、パイプラインでの経験や地位関係などが重視されることになるだろう。

優勝賞金

優勝賞金は10万ドルで男女同額。
日本円で約1400万円とWSL公認とはいえ、CT以外でこの賞金額は破格だ。

イベントはVansPipeMasters.com、Stabmag.com、YouTubeなどでライブ中継が配信される予定。

10月6日に『Vans Pipe Masters』公式サイト(まだ開設はされていない)で最初の動きがある予定。

(空海)

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