世界中で次世代ウェーブプールの開園が進む中、QSでは初となるウェーブプールイベント『Rip Curl Pro URBNSURF』がオーストラリアのビクトリア州・メルボルンの「URBNSURF(アーバンサーフ)」で12月10日に開催された。
QSのオーストラリア/オセアニアリージョナルで参加選手もオージーが大半を占めていたが、日本の黒川楓海都が出場してSFまで進出。
5位でフィニッシュしていた。
「URBNSURF」はオーストラリア初の一般サーファーが使用可能なウェーブプールで、今年5月にはベルズでのCT第4戦に合わせてCT選手を招いたセッションも行われていた。
「URBNSURF」とは?
次世代ウェーブプールといえば、ケリー・スレーターのサーフランチが最も有名でクオリティも高く、実際にCTイベントにも何度も使用されているが、サーフランチは一般公開されていない。
「URBNSURF」はサーフランチよりも前にスペインを本拠地としたウェイブガーデン社が公開したシステムを使用。
2020年1月にオーストラリア初の次世代ウェーブプールとして一般公開され、大きな話題になった。
このシステムを使用したウェーブプールはイギリス、スペイン、韓国、ブラジルと世界中に広がり、そのクオリティの高さが認められ、今回QSの会場に選ばれたのだ。
メンズはザビエル・ハクスタブルが優勝
「URBNSURF」でのコンテストは通常のコンテストと違い、順番に波に乗ってシンプルにスコアを競うフォーマット。
ライト、レフト共にあり、波のサイズはコシ〜ハラ程度で設定されていた。
サーフランチよりもイージーな波質で、ターンがメイン。
バレルはなく、エアーのセクションも少ないので、コンテストはサーフランチのコンテストより更に単調だったと言える。
メンズサイドはビクトリア州出身のザビエル・ハクスタブル。
レフトの波を正確なバックハンドでスコア。ファイナルでは9.07、8.33を重ね、トータル17.40で圧勝した。
「自分の住む州、更にオーストラリアのウェイブプールで行われた初のQSイベントの優勝に興奮しているよ。ラインナップの雰囲気は最高で、他のイベントと比較して本当にユニークだった。とてもリラックスして、楽しかったよ。フィリップアイランドでファイナルを戦い、優勝した仲間のタリー・ワイリーに今回は勝てたのも良かったさ」
11月上旬にフィリップアイランドで開催された『Phillip Island Pro』でタリー・ワイリーとファイナルを争い、2位になっていたザビエル。
今回の優勝で2022/2023のQSのオーストラリア/オセアニアリージョナルランキング4位になっている。
2位のジャーヴィス・アールはNSW州のクロヌラ出身で、レールサーフィンとニュースクールのコンビネーションで全ヒートを1位通過。SFでは5本の波を全て7ポイント以上のエクセレントレンジで決め、ハイスコアは9.10。
このイベントでエクセレントレンジを出したのはジャーヴィスと優勝したザビエルだけだった。
ウィメンズはニッキー・ライアンが優勝
ウィメンズサイドはNSW州のレノックスヘッド出身のニッキー・ライアンとビクトリア州のトーキー出身のエリー・ハリソンが最後まで一進一退のバトルを繰り広げ、8.77を含むトータル16.70を出したニッキーが優勝。
「今年最後のイベントをビクトリア州のURBNSURFで締めくくれて最高だったわ。みんな凄く上手くて、優勝する自信もなかった。結果には満足しているわ。ウォームアップで自分のボードを折ってしまい、エリーのボードを貸してもらったの。感謝しているわ」
ちなみに「URBNSURF」は静波サーフスタジアムのように予約すれば誰でもサーフィン可能。
また、韓国にも同じシステムを使用した「Wave Park」があるので、機会があればトライしてみては?
『Rip Curl Pro URBNSURF』結果
1位 ザビエル・ハクスタブル(AUS)
2位 ジャーヴィス・アール(AUS)
3位 タリー・ワイリー(AUS)
4位 マイク・クライトン・ブラウン(AUS)
ウィメンズ
1位 ニッキー・ライアン(AUS)
2位 エリー・ハリソン(AUS)
3位 ミア・ハッパツ(AUS)
4位 セージ・ゴールズベリー(AUS)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)