WSLとWSL PUREは2月10日、第3回『WSL PURE 助成プログラム』の助成対象となる7つの組織を発表した。
WSLの非営利パートナーであるWSL PUREとは、主要なWSL地域においてWSLのグローバルなイニシアチブである『We Are One Ocean』に沿って海洋保護・保全に取り組む組織やプログラムに対して、助成金を授与するもの。
第3回となる2023年の助成先は、ハワイ、ポルトガル、エルサルバドル、ブラジル、南アフリカ、タヒチ、カリフォルニア、メキシコと世界各地に及んでおり、それぞれチャンピオンシップツアーの大会開催地としてつながりを持つロケーション。
今後もツアー最前線で開催されるイベントの活性化や世界中の素晴らしい草の根活動にハイライトを当てていく様子が発信されていくだろう。
2023年のWSL PURE助成プログラムの今年の受賞者を発表できることを誇りに思うとともに、私たちのプラットフォームを活用して、彼らの素晴らしい活動を称えることができることに感激しています。
WSL PURE エグゼクティブ・ディレクター エミリー・ホファー
昨年は、助成先の素晴らしい活動により、これまでで最大のインパクトを得ることができました。
今年も、助成先のプロジェクトを実現させ、その成果を世界中の人々と共有できることを楽しみにしています。
2023年の助成対象
Kōkua Hawaiʻi Foundation(ハワイ)
オアフ島のノースショアを拠点とする非営利団体で、ハワイ州内の学校やコミュニティでの環境教育を支援している。WSL PUREの助成金は、コクア・ハワイ財団の学習農場の湿地帯と地元のハワイアンガーデンに自生する植物を植えるために使用され、また、生ゴミをコンポストに変えるコンポストマシンの購入にも使用される予定。
Hope Zones Foundation(ポルトガル)
陸と海をつなぐ海洋保護区や公園を通じてインパクトを与えることで、海洋保護と連携する非営利団体。
助成金は、Sea Forester、Patagonia、Colab+Atlantic、Nazaré Municipality、 Bro Cinema、そしてInstituto Monitoramento Mirim Costeiroと共同で行う植林・モニタリング・調査・研究に活用し、そしてプロジェクトのメリットと重要性を共有していく。
Oriente Salvaje & Paso Pacifico(エルサルバドル)
サスティナブルな観光事業を行う非営利団体Oriente Salvajeと生物多様性保全団体Paso Pacificoは、エルサルバドルの有名な川をプラスチック汚染の破壊的影響から守るために力を合わせていく。
助成金は、河川バリアを設置するために活用され、プラスチックが海に流れ込み、世界有数のサーフブレイクを汚染することを防ぐ。同時に、地元のサーフィンコミュニティと協力し、使い捨て包装の消費を減らすための教育的な意識付けを行う予定。サーフィンというスポーツを活用し、サスティナブルな観光を促進しながら長期的な生態系の保全を達成しようとしている。
Surf Conservation Partnership(ブラジル)
Conservation InternationalとSave The Waves Coalitionの最先端コラボ。Instituto APRENDER EcologiaやConservation International-Brazilといった地元のパートナーとともに、世界最高の波とかけがえのない海洋・沿岸生態系を保護するために活動している。このパートナーシップは、ブラジルを代表するサーフエリアの1つであるサクアレマを保護するため早急なアクションを起こしている。
助成金は、サクアレマ・ラグーンの清掃にコミュニティ・パートナーやサーファーが参加するために活用される。また、このラグーンや周辺の生態系の重要性に関する教育プログラムを作成するための資金としても提供される。
J-Bay Surf Alliance Surf Therapy Programme(南アフリカ)
第2回(2022年)助成対象。海洋におけるプラスチック廃棄物の問題を解決し、よりクリーンでポジティブな未来を創造するための共同プログラム。サーフセラピーと海洋教育を通じて次世代を育成することで、地元コミュニティと協力してこの問題に取り組んでいる。
助成金は、次世代の若者が自分たちの存在が環境に与える影響や、自分自身の価値観について理解を深めていくことを目的としているプログラムの促進に活用される。この経験を通じて、環境に対する情熱的な支持者となり声を上げ、地域社会に前向きな変化をもたらすような人材が育成されることを期待している。
Coral Gardeners(タヒチ)
海洋保護に革命を起こし、世界のサンゴ礁を救うグローバルなムーブメントを起こすことを使命としている団体。サンゴ礁の修復、地域社会の認識、技術革新の開発を通じて、インパクトを与えることを目指している。
助成金は、モーレア島とチョープーのサンゴ再生プログラム、および地元の意識向上のための活動に活用される。また、体験型のワークショップを通じて、サンゴ礁の重要性を地域社会に伝え、サンゴ礁のために行動を起こすよう働きかけていく。
Native Like Water(カリフォルニアメキシコ)
第2回(2022年)助成対象。引き続き、ティーンエージャーの若者や大人に海洋レクリエーション、自然保護、健康、世代を超えた文化交流の機会を提供し融合を図っていく。プログラムでは、先住民のレンズを通して、水との神聖な関係に焦点を当てる。文化的な保護体験や旅行を通じて、カリフォルニア州や国際的に絶滅の危機にある先住民のコミュニティに、奨学金と支援を提供している。
助成金は、NLWは若者と大人を海洋レクリエーションと保護に再統合する「Indigenous Narrative Ocean Stewardship Program」の創設に活用されている。
(THE SURF NEWS編集部)