ハードなトレーニングをこなすイタロ・フェレイラ(via Twitter)

サーフィン競技における男女の肉体差/身体能力差がもたらす影響

F+(エフプラス)

ちょっと前のことになるけど、別のことを探っていてたまたまTHE SURF NEWSの記事で、サーフコンペシーンにおけるLGBTに関しての意見的なものの記事を目にした。

主にLGBTの中のT、トランスジェンダーに関してなのだけど、スポーツ界ではなかなか難しい部分だ。記事の中ではべサミー・ハミルトンのインスタを引用して、あなたはどう考えるか、と文末で疑問を投げかけているので言わせてもらえば、私はベサニーの言っていることはとても正しいと思う。
WSLとしてはすでにISAの方針に賛同の意を表し、テストステロン値が基準に沿えばトランスジェンダーの男子が女子の試合に出れることになっている。肉体は男だけど心は女で、女子のカテゴリーに出場できる基準をホルモン値(テストステロン値)で決めるって、逆ならドーピングでムキムキメンズボディになってもいいって話でもあるわけで、身体能力の差が結果に大きく影響するサーフィンというスポーツにおいて、この決定は大問題だと思う。

近年のサーフィン技術の進化は、サーファーの肉体の進化でもある。昔は誰もトレーニングなんてしなかったけど、今は男女ともガシガシトレーニング入れて、身体機能を限界まで引き上げてからの技術勝負になる。だからこそ、骨格や脂肪や筋肉のつき方も配置もまるで違う男女差というのは永遠に超えられないところであるわけで、それゆえに別カテゴリーになっている。そこを越えてもいいって話は基準が何であれ、男女の肉体差が結果に影響するスポーツでは違うんじゃないかな、と思う。
テストステロン基準クリアでオッケーを継続すれば、ベサニーのいう10年後、20年後の女子サーフィンはみんな、男性的肉体を鍛えている(彼女はそうははっきり言ってないけど)女子選手の身体能力がベースになることは明白だろう。それと戦うには普通の女の子の肉体ではダメなんじゃないのかね。そしてその逆のトランス、女子の肉体を鍛えて男子で活躍は無理だろうし。

ベサニーのいうように、スポーツの世界では別カテゴリーしかないのかな、と思う。これはトランスジェンダーがどうこうという話ではなくて、男女の肉体差、そこから生まれる身体能力差の話だ。
男女平等とか、LGBT問題とか、最近なかなか触りにくい感じでいろいろ話題になっているけど、私は男女差を理由にチャンスの扉を閉ざされちゃいけないとは思うものの、100%平等なんてありえないと思うし、LGBTは婚姻を含め、当事者個々の判断を尊重するべきだと思う。男女より感じのいい、本当に仲良さげな同性カップルとか見てて、楽しそ~とか思ったり、実にほほえましくなる。結婚ぐらいはさせてあげたい。
ただし、身体能力が問われるスポーツというシーンでは、そこは越えられない一線だと思う。越えちゃうんであれば、男女フルオープン、無差別クラスにしたほうがいい。同じことだ。
それは昔々、まだ女子サーファーが、というよりサーファーそのものの数が少なかったころ、男女混合のクラスがあった時代に戻るだけだ。女子少ないからメンズのビギナークラスに混ぜちゃう、みたいな。今思えば乱暴な話(笑)。

F+編集長つのだゆき

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