インドネシアのサーフエリアとしては、QSイベント会場と言う事もあって名が知られているクルイ。
会場となっているのはウジュン・ボチュル(Ujung Bocur)で、通称カランニンボール(Karang Nyimbur)とも呼ばれています。
そのウジュン・ボチュルは完全なるサーフキャンプエリアとなっていて、5月頭から2週間ほど滞在しました。
今回のコラムは、今月訪れたスマトラ島ウジュン・ボチュルのサーフィン情報をお届けします。
ウジュン・ボチュルの全般情報
ウジュン・ボチュルの最寄り空港となるのは、南スマトラに位置するバンダール・ランプン。
インドネシアの首都ジャカルタからのフライトは1時間弱と、フライトに関しては非常に手軽です。
大変なのはバンダール・ランプンの空港に到着後で、陸路で7時間ほどの移動となります。
しかも、ひたすら片側1車線の一般道を走るので、事故などで通行止めになっていたらどれほど足止めを喰らうのかも分からないリスク付き。
私は約5年前にクルイを訪れた時、雨季の始まりの大洪水により主要道路が冠水で無くなってました…。
道路が破損した個所は丸太を使って徒歩で通過することになりましたが、そんなジョークのようなシチュエーションが今なおインドネシアの僻地では珍しくありません。
話を戻し、行きはいくら時間が掛かっても良いのですが、帰りはフライトの時間があるのならばかなり恐ろしいドライブです。
私はフライトに遅れてエアチケットを無駄にしたくないので空港で航空券の購入を考えていたものの、帰りは日曜だったせいかフルブッキングでバンダール・ランプンで1泊を余儀なくされましたが。
ウジュン・ボチュルの波情報
ウジュン・ボチュルの波はQSイベントをチェックした方はご存じだと思いますが、レフトのポイントブレイクで南スマトラ随一と言われています。
波のクオリティに関しては、動画で見るメンタワイ諸島のパーフェクションそのものと言った感じの世界トップクラス。
波のサイズがオーバーヘッド以上になるとバレルになるセクションも多々あり、と言う事は私のような一般サーファーにはかなりハードになります。
プロサーファーならばスーパーファンであり、簡単にバレルをメイクできるコンディションでしょう。
ここまでの情報であれば、全てが文句なしと言ったイメージとなりますが、デメリットが2つあります。
1つ目は、相当な僻地であるにもかかわらず、かなりの数のサーファーが集まっている点。
午前7時頃にはラインナップに30名ほどのサーファーが入っている印象です。
アーリーシーズンの5月でそれほど混んでいたと言う事は、ピークシーズンの7~8月は混雑がさらに激化する恐れもありえると思います。
2つ目は、ウジュン・ボチュルは常にサーフ可能なブレイクと言うわけではなく、私の場合は約14日間の滞在で最初の10日間は使えないコンディションでした。
スウェル予報を見ても、使えなかった前半と終盤の波のサイズは大差なかったので不思議に思い調べると、スウェルの角度が違いました。
使えなかった時のスウェルの向きは南寄りで、使えるようになった時は南西寄りになっていました。
乾季のインドネシアにおいて、南向き沿岸では南スウェルはストレートに入って来るので、角度の付いた西寄りになった方がコンディションが上向く場所は多々あります。
沿岸の向きに合わせてスウェルの向きを確認するのも、簡単に読み解くことができる事ではないのですが重要なポイントですね。
まとめ
ウジュン・ボチュルで最初の10日間は使えなかったと言いましたが、ビーチブレイクなどへ移動すればサーフ可能な場所はあります。
サーフキャンプからバイクで北へ15分ほどのマンディリビーチは、広大なオープンビーチなので貸切サーフが十分に可能ですし。
ちなみに、マンディリでは世界トップレベルのエアリアルサーファー、チッパ・ウィルソンのエアゲームを見る事ができました。
アクセスの難を考えると誰にでもお勧めできるエリアではないのですが、興味のあるサーファーはチェックして見てはいかがでしょうか。
(World Surf Movies)
※本コーナーでは、波情報BCM内で公開されているコラムの一部を公開しています。