7月からカリフォルニアのハンティントンビーチで開催される『Huntington Beach Longboard Classic』を皮切りにベルズ、エルサルバドル、マリブの4戦で争われるLTは、ショートボードのCTにあたる世界最高峰のロングボードツアー。
アジアリージョナルはフィリピンとバリ島の2戦のランキングによって男女共に1名のみが出場権を得ることができる。
1月にフィリピンのラ・ウニオンで開催された『La Union International Pro』では日本の田岡なつみとフィリピンのロジェリオ・エスキベル・ジュニアが優勝。
6月3日〜4日にバリ島で開催された『PADROL Longboard Classic』でもこの二人が頂点に立ち、LT出場権も獲得した。
バリ島でも繰り広げられた二人の争い
現在の日本のロングボードで二強の田岡なつみ&吉川広夏。
JPSAでも『TAITO BEACH CLUB CLASSIC』でもそれは変わらず、今回のバリ島でもファイナルはこの二人の勝負になった。
会場のクタビーチのハーフウェイはロングボード向けのメローなコンディション。
ファイナルでは田岡なつみが2本目の波で6.00を出して好調なスタートを切り、すぐにハング5から10のコンビネーションをメイク。潮が引いたビーチブレイクでマニューバーは難しかったが、レフトで7.17を重ねて吉川広夏をニード8.14に追い込み2連勝を決めた。
「前のヒートを注意深く見ていたので、スコアを出すために正しい波を見つける必要があると思いました。良い波がどこにあるか分からないので、最初はライトでもレフトでも良いので、スコアを積み上げてチャンスを狙いました。優勝してWLTに参加することができるのは本当に嬉しいです。バリ島で大会ができたのも良いですね。友人の広夏とファイナルを戦うことが多いのですが、そのたびにベストを尽くすようにしています。優勝できて本当に嬉しいです」
2022年もLTに参戦して11位でフィニッシュした田岡なつみ。
吉川広夏も昨年はアジア枠で2戦出場しており、今年も出場のチャンスを与えられる可能性はある。
フィリピン初のLT選手が誕生
ショートボードの世界でも台頭しているフィリピン勢。
ロングボードではラ・ウニオンという聖地もあり、日本から訪れるロガーも増えている。
そのラ・ウニオン出身のロジェリオがSFで浜瀬海を倒してフランスのローランド・ルフェーブルとファイナルで対戦。
ハング5から10のコンビネーション、フローターで7.17を出して好調なスタート。途中、ローランドがライトの波でノーズライドを決めて6.50を出し、バックアップも重ねてリードを奪うが、ロジェリオはフロントサイドになるレフトの波で長いハング10からフィニッシュまでメイクして8.00をスコア。
見事に逆転して2連勝、フィリピン初のLT選手が誕生した瞬間でもあった。
「ローランドやアウグスト、そして日本、インドネシア、韓国、もちろんフィリピンからも多くのサーファーが来ていた。このイベントで優勝してWLTに入ることができて本当に嬉しいよ。夢を実現するために、私を支えてくれたすべての人に感謝する。ファイナルは潮が引いて膝くらいの水深しかなかったので、本当に難しかった。より長いライディングができそうな波を選び、フローターなどでフィニッシュする作戦にしたのさ。幸運にも何度かチャンスがあり、ファイナルで優勝することができたよ」
メンズではランキング2位が井上鷹、3位がジャワ島、バツカラスのブラックボーイことデニ・ピルダウス。
アジア枠での出場も考えられる。
『PADROL Longboard Classic』結果
1位 ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)
2位 ローランド・ルフェーブル(FRA)
3位 浜瀬海(JPN)、井上鷹(JPN)
ウィメンズ
1位 田岡なつみ(JPN)
2位 吉川広夏(JPN)
3位 デイジー・ヴァルデズ(PHL)、アピング・アグド(PHL)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)