(ベスト4入りしたタイラー)PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

早くもベスト4が決定!『Surf City El Salvador Pro』2日目

メンズは24名、ウィメンズは12名に絞られたことでコンテスト2日目ですでにベスト4が決定したCT第7戦『Surf City El Salvador Pro』
現地時間6月11日は公式4-6ftレンジのハイパフォーマンスなプンタ・ロカで進行、これぞ世界トップレベルのサーフィンだとまざまざと実感させる一日になった。

ファイナル5を巡っての戦い

(この日明暗を分けたグリフィンとイーサン)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

前半5戦、ミッドシーズンカットを挟んで後半5戦、全10戦で争われる2023年のCT。
最後にトップ5に残った選手でワールドタイトルを争うことになる。

メンズのトップ5でベスト4に残ったのは、サーフランチで優勝してランキングトップに立ったグリフィン・コラピント(USA)と第2戦のサンセットビーチで優勝してランキング3位のフィリッペ・トレド(BRA)の2名のみ。

2位のジョアオ・チアンカ(BRA)、4位のイーサン・ユーイング(AUS)はRound of 16、5位のジャック・ロビンソン(AUS)は前日のElimination Roundで敗退している。

(フィリッペとカノアのカードは名勝負だった)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

フィリッペはアベレージでトータル15ポイントと安定したライディングで和井田理央(IND)、五十嵐カノア(JPN)を倒してのSF進出。
カノアとのQFは日本のファンならご覧になった方も多いだろうが、壮絶なエアー合戦となり、逆転を狙った最後のカノアのライディングはグラブレールのアーリーウープにエアーリバース。後ろで次ヒートのコナー・オレアリー(AUS)が唖然として見守る中、革新的なコンボを成功させた。しかし、フィニッシュが決まらなかったこともあり、ニードスコアには届かず、フィリッペに軍配が上がったのだ。

「ここでの課題は、集中力と水分補給だね。本当に暑いので、午前中に最初のヒートを終えたら一度家に帰って食事をして氷風呂に入ったよ。その後、体調はかなり良くなり、また頑張れるようになった。長い一日の後、間違いなく暑さを感じている。ファイナルデーに残れたことには興奮している。自分が求めて取り組んでいることは、安定した演技さ。リス、ステフ、ベティルー、ギャビー、タイラーなど、みんなのライディングを見るのはとても楽しかったし、クールだったよ」

(フィリッペ)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes
(カノア)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

本命と大穴

(リアム・オブライエン)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

グリフィリン、フィリッペが今イベントの本命だとすると大穴はリアム・オブライエン(AUS)、イアン・ジャンティ(HAW)だろう。

リアムはイーサン・ユーイング(AUS)、バロン・マミヤ(HAW)を倒して2021年の『Rip Curl Rottnest Search』でのキャリア最高位3位以上が確定。
2023年は6戦中4戦で17位と悪い結果が重なっているが、まだ24歳と若く、実力がある選手なのは多くの人が認めている。

(イアン・ジャンティ)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

イアンはジョアオ・チアンカ(BRA)、イタロ・フェレイラ(BRA)を倒してのSF進出。
ルーキーイヤーの彼もまた4戦で17位とツアーでは下位グループにいるが、アンディ・アイアンズのようなスタイルがエルサルバドルの波にフィットしている。イタロとのヒートは僅か0.11ポイント差での逆転劇となった。

「イタロのような男と対戦するのは刺激的。彼は多くのことを成し遂げていて、ワールドチャンピオンに今のところ唯一のオリンピックチャンピオンさ。そんな人と一緒に海に入れるだけで嬉しいよ。最初に彼に取られた一本は良さそうだったけど、あまり深く考えていなかった。あの波は最初小さく思えたけど、違う波みたいになったよね」

SFのマッチアップはイアン vs フィリッペ 、グリフィン vs リアム。

止まらないカリッサ

(エアーをメイクしたカリッサ)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

ウィンメンズサイドでは5xワールドチャンピオンのカリッサ・ムーア(HAW)がベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)とのSFでハイエストスコアとなる9.37を含むトータル17.54を揃えてサクラをコンビネーションに追い込んで圧勝。
プンタ・ロカの波はエアーがしやすく、ウィメンズでもチャレンジする選手が目立っているが、中でもカリッサのエアーは完成度が高く、ウィメンズサーフィンのバーを一段階上げている。
パイプラインの開幕戦でまずは一勝を上げ、マーガレットリバー、サーフランチと2連勝。今大会を制すると3連勝の快挙となる。

PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

2連覇を狙うステフ

(ステファニー・ギルモア)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

SFに残ったのはカリッサ、タイラー・ライト(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)、キャロライン・マークス(USA)
ウィメンズサイドは本命が揃った混戦で予想がつかないレースになった。

エルサルバドルのディフェンディングチャンピオン、ステファニー・ギルモア(AUS)は8ポイント台を2本出してモリー・ピックラム(AUS)を倒したが、SFでは同じく8ポイント台を2本出して好調なタイラーを倒さなければいけない。

PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

「モリー・ピックラムとは、あまりヒートをしたことがないのですが、彼女はオーストラリアの若い女性にとって次の大きな存在であり、注目されているわ。モリーは特に大きな波が得意なので、今日は自分のペースで戦うことができた。今後は彼女に打ちのめされる日がくるだろうから、その前に勝てて良かったわ。この波は本当に好きで、サーフボードも調子良い。SFも楽しみよ」

なお、WSGで金メダルを獲得したタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)は体調不良のために棄権している。

ネクストコールは現地時間6月12日の6時15分。
日本時間同日の21時15分。
20分後にスタート予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。