近未来の日本のサーフコンペシーンはどうなっていくのか

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脱走後、自力で帰宅したみっくんは、10日ほどたってようやく靴や靴下、バギー生活から解放され、砂浜を走り回り、普段のみっくんに戻ってひと安心。ただ、だいぶ心が折れているような様子があって、それと同時に靴下とかお散歩激減とか、その辺のストレスからか下痢気味で、獣医さんから整腸剤を処方されている。ガラスのメンタル。

同居の猫たちはけっこう冷静というか、まるで関係ないというか、いつもよりおとなしいあいつに対しても、知らぬ存ぜぬで、心配する風でもなく、ちょっかいかけるでもなく、通常とまるで変らない接し方をしていて、猫たちと犬の関係性ってどういうことなんだろう、と考えてしまう。

もうひとつ考えているのは、近未来の日本のサーフコンペシーンがどうなっていくのかなぁ、ということ。現行では近未来に純国産の日本人コンペティターが世界で大活躍する、というのは考えにくく、当面黒船サマサマなんだと思うけど、黒船様たちも年齢を重ねるわけで、次世代の黒船様の探索もすでにスタートしなくてはならないだろう。 ただ、コンペシーンで日本のサーフシーンを引っ張るならば、黒船様ばかりではなくて、純国産の選手も必要不可欠なわけで、まぁ、過去を振り返れば10年とか20年にひとりぐらい海外メインで活躍みたいな選手が出てはいるものの、CTにはだいぶ遠い。都筑有夢路が繰り上げながらクオリファイってのはあったけど、じゃ、実力的に抜きんでていてシーンを引っ張る、あるいはほかの選手がそこを目指せば世界に近づける力があったのか、と言われれば、そういういう感じでもなく、実力というよりは他の要素が大きかったのかなぁ、と思う。まぁ、それも実力のうちではあるけど。

(日本のコンペシーンを世界の舞台からけん引する五十嵐カノア)PHOTO: © WSL/Ed Sloane

個人の感想ですけど、今頑張っている選手たちは、なんか目指しているところというか、目指しているサーフィンの形が違うかなぁ、と思う。方法論も違うと思うし、もっとこうすればいいのにとかああすればいいのに、とか見ているとすごく思ってしまうので、なるべく見ないようにしている(笑)。世界と比べて圧倒的に情報量の少ない日本の若手たちは、本当に不利だ。

世界のコンペシーンの中で日本というリージョンはどうなっていくんだろう。
アジアの中ではたぶんあっという間にトップの座から離れざるを得ないんだろうと思う。ただ、日本のサーフシーン全体の中に、必ずインターナショナルのコンペシーンがなくてはならない、というわけではないので、それがない世界、というか限りなくないに等しいシーンを考えると3-40年前ぐらいに行きつくのかな、と思う。まぁ、当時は日本で今のCTのような大会が年に2回とかあったので、インターナショナルゼロではないけど、別世界的な状況は同じだ。

PHOTO: © WSL/Cait Miers

新しいCTメンバーを国で見れば、メンズはハワイ含むアメリカとオーストラリアで全体の6割、残り4割の半分がブラジルで半分がその他の国。ウイメンズにいたっては15人のうち14人がアメリカとオーストラリアという偏り方だ。
まぁ、昔からサーフシーンというのはアメリカとオーストラリアなわけだけど、そこにブラジルが割り込んできた感じで一時はメインストリームになっていくのか、という印象だった。でも結局いつの年もブラジルは7人前後で、全体の2割程度にとどまっている。そういうことをつらつら考えていると、う~ん、サーフィンってやっぱアメリカとオーストラリアなのかなぁ、とか思ってしまう今日この頃。

ただコンペがサーフィンのすべてではないので、日々楽しそうにボードを抱えて海に向かう人々にとっては、そんなのはどうでもいいことであり、フィリッペの連覇より、目の前のクリーンなヒザコシだ。競争ではない、楽しみの原点。日本のサーフシーンってそれでいいのかもな、と最近は思う。

F+編集長つのだゆき

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