賞金総額42万ドル(日本円で約6000万円)、60名の招待選手によって争われる伝統のパイプマスターズがウェイティングピリオド2日目となる現地時間12月9日に開幕!
初日は6-10ftレンジの新しい北西ウネリが入り、ゴージャスな天候にも恵まれ、絵に描いたような完璧な幕開けとなった。
なお、今年は昨年参加した伊東李安琉の他、脇田泰地、前田マヒナと3名の日本人選手が出場。
アメリカ国籍ながらタロウ・ワタナベも招待されている。
フォーマット&ジャッジクライテリア
『Vans Pipe Masters』はWSLの特別イベントとして開催され、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、バロン・マミヤ(HAW)、セス・モニーツ(HAW)、カリッサ・ムーア(HAW)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)などCT選手も出場している。
ディフェンディングチャンピオンのバララム・スタック(USA)、モリー・ピックラム(AUS)も出場して初日から活躍していた。
『Vans Pipe Masters』は通常のWSLイベントと異なり、全ての選手ができるだけ平等にヒートを行えるように独自のフォーマットを使用。
通常のコンテストは10ポイントが満点だが、今大会は30点満点。
ノープライオリティなのも特筆すべきだろう。
全てのサーファーは3回ヒートを行い、トップ3のスコアがカウントされる。
3ヒートを終えた時点のトップ4がファイナルに進む。
ファイナルはベスト2スコアで争われる。
ジャッジクライテリアもCT時代とは異なり、アプローチ、革新的、スタイルが評価され、エアリアル、ターンなどバレル以外でもハイスコアが出る。
イベントは3日間行われる予定で、ベストバレル賞、ベストクローズアウト賞、ベストエアー賞、ベストターン賞なども用意されている。
伊東李安琉がまずまずのスタート
まず、初日の日本人選手の結果をお知らせすると、最高のスコアを出したのが伊東李安琉。
昨シーズンの『THE EDDIE』を制したルーク・シェパードソン(HAW)、マイキー・ライト(AUS)、ジョリー・ジョンストン(HAW)とのヒートでクリーンなパイプラインを抜けてトータル18.10を出していた。
初出場の二人。
脇田泰地はベンジ・ブランド(HAW)、タロウ・ワタナベ(USA)、カウラナ・アポ(HAW)とのヒートで良いバレルをつかめず、一本のみのライドで4.10。
前田マヒナはエリン・ブルックス(CAN)、シエラ・カー(AUS)、ブリアナ・コープ(HAW)とのヒートでトータル8.10。
最後に突っ込んだパイプラインもシャットダウンしてしまい、スコアを伸ばせなかった。
残り2ヒートでの挽回に期待したい。
初日のトップはマイケル・フェブラリーとモリー・ピックラム
パーフェクトなコンディションに恵まれた初日はハワイアンの活躍が目立ったが、メンズ、ウィメンズ共にトップに立ったのは他国の選手。
メンズは南アフリカのマイケル・フェブラリーがトータル55.30。
ウィメンズはディフェンディングチャンピオン、オーストラリアのモリー・ピックラムがトータル48.90。
モリーのヒートはカリッサが27.80とハイエストスコアを出していたが、モリーは二本のグッドバレルをメイクして主役の座を手に入れていた。
フローレンス三兄弟
唯一、三兄弟共に招待されている上からジョン・ジョン、ネイザン、イヴァンのフローレンス三兄弟が偶然にも同ヒートに重なっていた。
後半、トータル39.20でイヴァンがリードしていたが、ジョン・ジョンは終了間際にバックドアのバレルを抜けて大きな弧を描くラウンドハウスカットバック、エアーまで披露してこのヒートのハイエストとなる23.50。トータル54.80を揃え、兄の威厳を保った。
ヒート終了後は6’4のPyzelボードを抱えながらキッズのサイン攻撃に対応。
サンタクロースのような顎髭をたくわえたジョン・ジョンとその兄弟にとって、今大会は競争ではなく、ただのパイプの一日に過ぎない。
『Vans Pipe Masters』公式サイト
https://pipemasters.vans.com/
(空海)