あなたはどっち派?「レッドブルvsモンスターエナジー」

今やCTサーファーのスポンサーとして大手サーフィンブランドの次にサーフボードの面積を占めているエナジードリンクのレッドブルとモンスターエナジー。

キャッチコピーはレッドブルが「翼を授ける」、モンスターエナジーは「野生を解き放て」

あなたはどっち派?

主なサポートサーファー

(モンスターエナジーからレッドブルに変わったグリフィン・コラピント)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

レッドブルがサポートする主なCTサーファーは五十嵐カノア、ジャック・ロビンソン、グリフィン・コラピント、レオナルド・フィオラヴァンティ、イタロ・フェレイラ、ジョアオ・チアンカ、ジョーディ・スミス。
ウィンメンズではカリッサ・ムーア、キャロライン・マークス、モリー・ピックラム。

その他、ミック・ファニング、JOB、カイ・レニー、ジョアオ・チアンカの兄でビッグウェーバーのルーカス・チアンカ、タヒチのカウリ・ヴァースト。
ビッグウェーブを始め、マルチな活躍をしているジャスティン・デュポンもサポートしている。

(フィリッペ・トレド)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

モンスターエナジーがサポートする主なCTサーファーはフィリッペ・トレド、ガブリエル・メディナ、ヤゴ・ドラ、イーサン・ユーイング、セス・モニーツ。
ウィンメンズではベティルー・サクラ・ジョンソン。

その他、ボビー・マルティネス、チッパ・ウィルソン、イーサン・オズボーン、タロウ・ワタナベ、ビッグウェーバーのニック・ヴォン・ランブをサポート。
日本の大原洋人も2015年のUS OPENでの優勝時にすでにサポートされていた。

二つのエナジードリンクの歴史

元々、レッドブルは1970年代にタイで開発された飲料。
その後ヨーロッパのオーストリアで1987年に販売を開始させた。

エクストリームスポーツのスポンサーなど若者をターゲットにしたマーケティングで急成長してヨーロッパからアメリカに渡り、2012年には世界で最も消費されたエナジードリンクになった。
日本には2005年に上陸している。

一方、後発のモンスターエナジーは2002年にアメリカからスタートした。
日本上陸は2012年。

国によってサイズや味が異なるものが販売され、レッドブルよりもバリエーションは豊か。
日本ではアサヒ飲料が販売。
カフェイン量が多く、死亡例が出て問題になったこともある。

ちなみに日本のエナジードリンク業界ではリポビタンDとオロナミンCが2強。
戦後の日本の肉体労働者を支えた飲料でもある。

マーケティングの違い

(タイガー・ウッズ) via monsterenergy instagram

この二つのエナジードリンクは一見すると同じようなマーケティング戦略で成長したように見えるが、実は全く違う。

レッドブルはエクストリームスポーツ、サーフィン、サッカー、アイスホッケー、モータースポーツ、ダンスなど幅広いジャンルをカバー。
これまでのエナジードリンクと違い、スポーツやクラブで踊るための飲料としてのパイオニアになった。

今までメジャーではなかったスポーツにも注目して年間の売り上げの3分の1をこれらのスポンサー費に充てて、それが投資にも繋がっている。
エクストリームスポーツとしてのサーフィンのイメージ確立にもレッドブルは大きく貢献していると言える。

一方のモンスターエナジーもエクストリームスポーツ、サーフィン、モータースポーツ、格闘技など幅広いジャンルをカバー。
ゴルフのタイガー・ウッズのスポンサーにもなり、キャディバッグがオークションで高値で取引されている。
また、レッドブルよりもアーティスト、プロゲーマー、eスポーツのサポートに力を入れている。

現在、日本ではレッドブルよりも後発のモンスターエナジーの方が売れているという数字もある。

モンスターエナジーはレッドブルが広げていたターゲットの年齢層を若者に絞り、値段据え置きで飲料の量を増やした。
更にプロモーションもテレビCMではなく、SNSに集中。若者が集まる場所でサンプル配布を地道に行ったことも知られている。
女性向けのトロピカル風味はSNSでバズり、生産が追いつかなかったこともある。
また、「モンスター」絡みの商標権で訴訟を行い、それが炎上マーケティングとの批判もあるが、認知度を高めたのは確かだ。
アメリカという国自体のブランド力とアメリカっぽいデザインも人気の秘密だろう。

味はレッドブルが人工甘味料を使わない甘みを抑えた王道の栄養ドリンクっぽい味に対してモンスターエナジーはジュースっぽく飲みやすい味。
日本版のモンスターエナジーはアメリカ版よりも濃厚で人気がある。
フレーバーの数はレッドブルが約60種類、モンスターエナジーは100種類以上とモンスターエナジーが上回っている。

サーフィンムービーではレッドブルがリード

レッドブル、モンスターエナジー共に多くの有名サーファーを抱えているが、サーフィンムービーに力を入れているのはレッドブルだろう。

数年前、WSLと制作したリアルなドキュメンタリー番組、「All In」は五十嵐カノアが主演を務め、無料とは思えないクオリティの高さだ。

JOB、カイ・レニーというCT以外のサーフィンスターがいることも強みになっている。
Stabとのトラベルシリーズ、「NO CONTES」も人気がある。

一方、モンスターエナジーは公式としてのサーフムービーが少ないが、Stabが制作したムービー「Zipper」はトレーラーを見る限り、面白そうだ。

レッドブル、モンスターエナジー共にこれまでサーフブランドが占めていたスポンサー枠の常識を変えたのは確か。
年末年始の多忙で疲れている方は、お好きなエナジードリンクを飲んで海に向かってみては?

(空海)

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