JPSAが運営するプロサーフィンツアーの名称が変わり、今年から「S.LEAGUE」として新たなスタートを切る。
昨年10月、この「S.LEAGUE」のチェアマンに大野修聖、サブチェアマンに田中樹、橋本恋、木下デイヴィッドの就任が発表された後も、ツアー内容に関する言及はなかったが、インタースタイル内で行われた最新プレゼンテーションにて、その内容が明らかになった。
旧JPSAプロツアーからの主な変更内容は、全3~5戦を予定している「ランキング戦」を経て、その上位者のみが出場できる「グランドファイナル」で年間チャンピオンを決定するという点。
そして、新たにWSL、NSA、NSSAのシード枠が加わり、JPSA公認プロではない他団体の選手も出場可能となった。
また、ツアーの正式名称は「さわかみ S.LEAGUE 24-25」となり、年をまたいでの開催となる。初戦は8月の茨城大洗、グランドファイナルは2025年4月に千葉志田下で開催予定。
また、公認プロを目指すアマチュアサーファーにとっては、プロ合格基準の変更もあるためチェックしてほしい。
-「さわかみ S.LEAGUE 24-25」ツアーの概要
新たなプロサーフィンツアーとなる「S.LEAGUE」では、ショートボード/ロングボードともに年間3~5戦の「ランキング戦」を開催。
そのランキング上位者のみが出場できる最終戦「S.LEAGUE グランドファイナル」にて年間チャンピオンおよびルーキー・オブ・ザ・イヤーを決定する。
さらに、グランドファイナルのランキング上位者は、特別戦として開催される「アジアチャレンジ」の出場権を獲得できるほか、日本サーフィン連盟が定める日本代表強化指定選手(ショート/ロング)の選考対象にもなるため、このS.LEAGUEから、将来のISA世界選手権や、オリンピックの出場を目指すこともできる。
– ランキング戦のシード枠と「グランドファイナル」出場条件
ランキング上位者のみが参加できるグランドファイナルの出場条件は以下
ショートボード 男子36位以内、女子18位以内
ロングボード 男子24位以内、女子12位以内
また、従来のJPSAプロサーフィンツアーと異なり、S.LEAGUEではJPSA以外の団体に所属する選手のシード枠も設定。JPSA公認プロ資格を持っていない選手でも、ランキング戦からグランドファイナル出場を目指すことも可能だ。
WSL Challenger Seriesシード | 男子5名/女子3名 |
NSA(日本サーフィン連盟)シード | 男子2名/女子1名 |
NSSA(日本学生サーフィン連盟)シード | 男子1名/女子1名 |
スポンサーシード及びJPSAシード | 男子2名/女子2名 |
– トライアルは2戦、プロ合格基準は「規定順位」のみ
なお、S.LEAGUEでは、ツアー開幕戦を前に、公認プロ資格を得るための「トライアル」を2戦開催。
プロ合格基準についても変更があり、S.LEAGUEでは各トライアルの規定順位者のみに公認プロ資格が与えられる(従来の、ヒート中の規定スコアによるプロ合格はなし)。
第1戦:千葉・白里海岸 4月24日(水)~25日(木)
第2戦:千葉・井戸野浜(旧かんポイント)/5月29日(水)~30日(木)
※ともにショートボード/ロングボード同時開催
※出場枠は男子96名、女子32名のエントリー先着順(1か月前からエントリー開始)
<プロ合格 規定順位(各トライアルにつき)>
ショートボード:男子4位以内、女子2位以内
ロングボード:男子2位以内、女子1位
– 45歳以上の「マスターズツアー」はトライアルも共催
「JPSAシニアツアー」についても変更がある。
S.LEAGUEでは、これまでのJPSAシニアツアーを「マスターズツアー」に名称を変更し、年間で3戦を予定。このうち1戦は「トライアル共催」となるため、出場対象年齢以上であれば、公認プロ以外のサーファーもチャレンジが可能となる。
出場対象年齢:ツアー開始年に満45歳以上となる選手
出場権者:JPSAショートボード男子プロ、JPSAマスターズプロ、マスターズトライアル出場者(トライアル共催の場合)
※23年まで開催されていたJPSA特別戦「マスターズプロ」は、特別戦「レジェンドプロ」に名称を変更して開催予定
– グランドファイナルで「JPBAボディボードクラス」も開催
S.LEAGUEでは、団体の垣根を越えたWSLシード、NSAシード、NSSAシード枠が新設されたが、さらに2025年4月開催のグランドファイナルでは、JPBA(日本プロボディボード連盟)とも連携し、ボディボードクラスも開催。
出場選手は、JPBA選出によるウィメンズ8名、メンズ8名。
対象は、今年6月から開催される全3戦〜4戦のJPBAツアーランキングにて決定となる。
– 2025年以降の構想(国内ツアー戦の2部制と、アジアツアーの開催)
最後に、「S.LEAGUEシーズン2」として、2025年以降の取り組み方針も発表。
シーズン1となる今期(24-25ツアー)の最終ランキングをもって、シーズン2(25-26ツアー)の国内ツアー戦は、S1とS2に分かれて開催される。
各ツアーの詳細については、内容が確定次第、JPSAより追って発表される予定。
<S1ツアー出場規定順位>
ショートボード:男子29位以内/女子13位以内
ロングボード:男子22位以内/女子10位以内
※上記規定順位外の選手は、25-26シーズンのS2ツアー出場権を得る
さらに、これまで特別戦として開催されていた「アジアチャレンジ」は、25-26シーズンより「S.LEAGUEプレミアムツアー」としてツアー化し、アジア各国での開催を予定。
このプレミアムツアーの出場権は、24-25シーズンの最終ランキング上位者に与えられる。
各団体との連携と、アジアツアーに関するビジョンについて大野修聖チェアマンは、以下のようにコメント
「自分がツアーをまわっていた頃、アマチュア、プロリーグ、世界の大会までがひとつにつながっていたら良いなと感じていました。
そのひとつに、アジアリーグがあって “アジアのチャンピオンになる” ということは、選手にとってもひとつの目標になるのではと思う。そんな想いで、アジアツアーをやりたいと熱く語らせてもらいました」
今年、来年と、日本とアジアでサーフィンというスポーツが今以上に親しまれるために活動の幅を広げていく「S.LEAGUE」。
注目の開幕戦は、8月の茨城・大洗。その後のスケジュールは、JPSAのSNS等で順次発表される予定だ。
日本サーフィン連盟
https://www.jpsa.com/
(THE SURF NEWS編集部)