日本のGWに重なるようにオーストラリアのスナッパーロックスでスタートする2024年CSの出場権をかけての争いがいよいよクライマックスを迎える。
CS出場は各リージョナルの2023年4月から2024年3月までに開催されたイベントのトップ5のランキングが使用され、日本人に関係するアジアリージョナルは男子6名、女子4名の枠が用意されている。
その内、男子5名、女子3名はランキング上位で、残り各1名はワイルドカード。
3月にオーストラリア/オセアニアリージョナルと併催されるQS3,000、QS5,000の2イベントがラストチャンスになる。
キアン・マーティンが男子トップに立つ
現地時間3月8日に終了したQS3,000『Ryde Central Coast Pro』
男子はランキング上位の日本人選手が早いラウンドで敗退してしまい、ベスト8に残ったのはトップ10以下の田中大貴のみ。
その他、アジアリージョナルではスウェーデン出身ながらバリ在住でアジア枠として参戦しているキアン・マーティンがファイナルデイに残っていた。
『Ryde Central Coast Pro』の舞台はセントラルコーストのアヴォカビーチ。
ファイナルデイは公式2-3ftレンジの平均的なビーチブレイクの波で行われ、田中大貴はQFで中堅のジョーディ(AUS)に敗退して5位でフィニッシュ。
ランキングは11位に留まっている。
キアンはSFでジョーダンに敗退したが、ランキングは5位から一気にトップに立った。
一方、大音凛太、安室丈、大原洋人、西慶司郎はイベント前よりも全て1ランクダウンしており、CS出場権は次のQS5,000次第となる。
19歳のジャーヴィス・アールが優勝
メンズサイドは田中大貴、キアンを倒したジョーディと19歳のアップカマー、ジャーヴィス・アール(AUS)が対戦。
前日に8ポイントを出していたジョーダンに対してジャーヴィスはファイナルデイがピークとなり、フロントサイドのノーズピックエアリバースでイベントのハイエストスコアとなる8.90とレフトの波で7.00を出して15.90のハイエストヒートスコアをマークして圧勝した。
「ストークしているよ。最後までベストを尽くた。ファイナルは2本の良い波に乗れて快勝だったね。とても楽しかったよ。リッパブルな波だった。年上のジョーダンは経験豊富。サーフィンも上手いし、彼とのヒートは心配だったけど、残念ながら波に恵まれなかったようだね。でも、彼と対戦できて嬉しいよ」
ジャーヴィスはこの優勝によりオーストラリア/オセアニアリージョナルのランキングを2つ上げて3位に浮上。
CS出場の可能性が高まっている。
女子はランキング変動なし
女子はSF進出で3位になった野中美波が最高位。
中塩佳那、脇田紗良が5位でフィニッシュした。
ランキングはイベント前と変動なく、トップは脇田紗良、2位松岡亜音、3位野中美波。
脇田紗良、松岡亜音はQS5,000の優勝があり、都築虹帆、 中塩佳那がCSクオリファイするには次のQS5,000で上位に入る必要がある。
また、WSGでパリ五輪出場を惜しくも逃したランキング6位の都筑有夢路もQS5,000に出場して上位に入れば一気にランクインする可能性がある。
イベントの方はセントラルコースト出身のメイシー・キャラハン(AUS)とウィロー・ハーディ(AUS)がファイナルを戦い、バックハンドで6.25と7.50をスコア。
4ポイント止まりのウィローを完璧に抑えて優勝を決めた。
「本当に嬉しいわ。優勝は久々な感じがする。自宅に近いこの場所で勝つのは意味があるわ。昨年の結果には満足していない。今年はもっとヒートに参加して挽回したい。みんな勝つためにここに来ているので、上手く結果を残せて最高に嬉しいわ」
23歳のメイシーは昨年のCTのミッドシーズンカットでCS落ちして今年は再チャレンジのシーズンになる。
ウエスタンオーストラリア出身、17歳のウィローはまさにこれからの選手で、今回の2位で6つランキングを上げてCS出場ラインに迫っている。
2024年CS出場権をかけての最後の戦いとなるQS5,000『Burton Automotive Pro』 & 『Newcastle Racecourse Women’s Pro』は3月11日〜17日にニューキャッスルで開催される。
QS3,000『Ryde Central Coast Pro』結果
1位 ジャーヴィス・アール(AUS)
2位 ジョーダン・ローラー(AUS)
3位 キアン・マーティン(SWE)、ジョージ・ピッター(AUS)
5位 オスカー・ベリー(AUS)、田中大貴(JPN)、ネイサン・クック(AUS)、レノックス・スミス(AUS)
ウィメンズ
1位 メイシー・キャラハン(AUS)
2位 ウィロー・ハーディ(AUS)
3位 野中美波(JPN)、ペイジ・ハレブ(NZ)
5位 中塩佳那(JPN)、コーラル・デュラン(AUS)、脇田紗良(JPN)、オーシャナ・ロジャーズ(AUS)
WSL公式サイト
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(空海)