(Round of 32行きを決めたカノア )PHOTO:© WSL/Thiago Diz

五十嵐カノアが快勝!CT第3戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』2日目

現地時間3月10日、ポルトガル西部・ペニシェで開催中のCT第3戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』は「Supertubos」から「Molhe Leste」に移動して再開。
ウィメンズのOpening Roundからスタートしてメンズの敗者復活戦が行われ、ウィメンズは敗者復活戦、Round of 16まで一気に進行した。

「Molhe Leste」は「Supertubos」よりもペニシェの岬側にある堤防横のピークで、ウェッジになる波が特徴。
この日は3-5ftレンジで2ターンコンボの構成がスコアメイクの鍵となった。

五十嵐カノアが敗者復活戦で魅せた

(ポルトガルでも人気のカノア)
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敗者復活戦のElimination Roundではグリフィン・コラピント(USA)、五十嵐カノア(JPN)、ガブリエル・メディナ(BRA)、和井田理央(IND)がトップ通過。
ワイルドカードのジョアキム・シャヴェス(POR)、マルコ・ミグノー(FRA)、ライアン・カリナン(AUS)、イアン・ジャンティ(HAW)が敗退した。

カノアは後半に3位になる場面もあったが、6.83に終了間際にはフリーサーフィンのように豪快なレイバックをフィニッシュに成功させて7.93。終わってみればトータル14.76の圧勝だった。

「モリェレステでヒートを行うとは思ってもみなかったよ。ここの波は好きで良くサーフィンするけど、CTの会場になると変な感じがする。でも、何本か良い波に乗れたし、楽しかったよ」

最後に日本語で「日本のファンいつも応援ありがとうございます。今日は本当に負けたくないヒートでした。今年は一つ良くない結果があるので、なるべく良い結果をコンスタントに残したいです。本当に緊張したヒートだけど、乗りたい波さえ乗れれば緊張がとれるのかなと思って、まあまあ良いサーフィンができて嬉しかったです」と話していた。

次のRound of 32ではサミュエル・プーポ(BRA)と対戦する。

(グリフィン・コラピント)
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(WSGの疲れが出てOpening Roundを落としたガブリエル・メディナも次に進んだ)
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(和井田理央)
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キャロラインがグーフィーフッター対決を制する

(キャロライン・マークス)
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一気にベスト8が決定したウィンメンズサイドのトピックをまずはお伝えすると、キャロライン・マークス(USA)とルーキーのソーヤ・リンドブラッド(USA)がRound of 16の対戦で共に7ポイント、8ポイント台を出すスーパーヒートを演じ、ガブリエラ・ブライアン(HAW)がカレントリーダーのモリー・ピックラム(AUS)を倒し、ランキング3位のベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)が素晴らしいサーフィンを披露した。
ブリッサ・ヘネシー(CRI)はOpening Roundで波に乗った後、左耳を抑えて海から上がってしまい、Elimination Roundを棄権した。

ブリッサのInstagramの投稿を見ると鼓膜が破れてしまったそうだ。

「ポルトガルでのスタートは私の望むものではなかったけど、人生の中では時折そんなことが起きる。耳の鼓膜が破れてしまい、残念ながらイベントからの撤退を余儀なくされた。今は必要な休息を与える時。救急班とチームの助けに感謝するわ」

ソーヤとのグーフィーフッター対決を制したキャロラインは、「本当に楽しいヒートだったわ。私たちは良いウェッジになる波が入る場所を見つけたの。バックハンドは私たちの強みであり、ソーヤーとヒートをする毎にハイスコアを出している。あのヒートでは自分のことに集中していたわ。両者共に最後にハイスコアを出した。あんな感じのヒートは本当に楽しいし、勝てて嬉しい」とインタビューで答えていた。

ハワイレッグを5位と3位で終え、ランキング5位と良いポジションにいるキャロライン。
昨年ワールドタイトルを獲得した自信がうかがえるシーズンでもある。
一方、ソーヤは3戦連続の9位とルーキーの洗礼を受けており、オーストラリアレッグで結果を出さないとミッドシーズンカットでCS落ちする可能性が出てきた。

(ルーキーのソーヤ・リンドブラッド)
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ガブリエラが世界トップを倒す

(ガブリエラ・ブライアン)
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カリッサとステファニーが不在の2024年。
まだ残っているベテランよりも次の世代の選手の活躍が目立ち、トップ4は18歳〜22歳が占めている。

ハワイレッグを2位、優勝と驚異的な成績で終えたカレントリーダーのモリーを倒したガブリエラもまだ21歳とこれからのツアーを引っ張るだろう選手である。

「ここ数日、天候が荒れていて雹(ひょう)、雨、晴れ、どんな日にもフリーサーフィンをして冷たい水に身体を慣らし、リズムを掴んでいたの。ここの波は凄いパワーがあって大好きよ。ボードの調子も良いし、最高の気分よ」

タイラーが健康問題と治療を告白

(タイラー・ライト)
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2016年、2017年に2年連続でワールドタイトルを獲得した後、優勝はあるものの、健康問題などでタイトル争いからは遠ざかっているタイラー・ライト(AUS)
ハワイレッグも結果を出せなかったが、ポルトガルではクリーンなライトの波で3ターン、8.00を出すなど良い内容で今シーズン初のQF行きを決めた。

インタビューでは、長い間苦しんでいる健康問題とそれを克服するためのオフシーズンの治療について話していた。

「多くの医師や専門医から私がどうやって今のような活動ができるか分からないと言われたの。検査の結果、私は酸素不足で半窒息状態になっていることが分かったわ。気道が小さ過ぎるので、オフシーズンに気道を拡張する手術を受け、人生が変わったの。こんなに頭がすっきりしたのは初めてよ。手術は大成功で、私の生活を変えてくれた。でも、まだ過程に過ぎず、複数段階の治療計画のほんの一歩なのよ」

その他、サクラがOpening Round、Round of 16共に素晴らしいライディングでスコアを伸ばして3戦連続のQF進出。
ルアーナ・シルヴァ(BRA)がランキング2位のケイトリン・シマーズ(USA)を倒す大金星でベスト8入りを決めた。

ネクストコールは現地時間3月11日の朝7時(日本時間16時)
コンディションは急激に改善して「Supertubos」に戻って再開される予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(WSGで金メダルを獲得したサリーはタティアナにリベンジされる)
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(空海)

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