コロナ禍を期にCTから外され、2022年からCSの会場に変わったオーストラリア、クイーンズランド州のスナッパーロックスがCT会場として復活することが決定した。
WSL、Experience Gold Coast、およびクイーンズランド観光イベントとの新しいパートナーシップによるもので、2025年から2028年までの期間、CTで開催されることが確約。
砂を入れるポンプステーションにより、安定した地形を保ち、このエリアのメインポイントとなっているスナッパーロックスは約20年に渡って数々の名勝負を生んできた最高の舞台でもある。
通常、コンディションが決まると異常なまでの混雑となるこの波を独占できることもあり、ローカルであり、6度の最多優勝記録を持つステファニー・ギルモアを始め、多くの選手がスナッパーロックスのCT復活を喜んでいる。
「2025年にスナッパーがCTスケジュールに復活するなんて、本当に楽しみよ。私のホームブレイクであり、世界でも大好きな波の一つ。サーファーとファンの両方にとって楽しいハイパフォーマンスな波よ。目の前の完璧なキャンバスで演技するサーファーに向かって大勢の観客が間近で歓声を上げる。最高よね。それは見事な光景。歴史も深い。CTにふさわしい場所だわ。来年が楽しみよ」
ステファニー・ギルモア
スナッパーロックスの歴史
かつてクイーンズランド州のCT会場はキラだったが、その後地形の良いスナッパーロックスに会場が移行した。
そもそもスナッパーロックスは2000年まで普通のビーチブレイクだったものの、隣のツイード川で1995年に船舶の安全面と浸食対策として積した砂を北側のビーチへ移動するポンプステーションを設置してから地形が変わり、2001年頃に今の地形が完成した。
条件が揃うとスナッパーロックス、レインボーベイ、グリーンマウント、キラまで続く長いライトが出現。
それは「スーパーバンク」と名付けられるほど特別な波となる。
ウィメンズの最多優勝記録はステファニー、メンズはケリーが6度の最多優勝記録を持つ。
その他、イタロ・フェレイラ、ジュリアン・ウィルソン、ウィルコ、ガブリエル・メディナ、ジョエル・パーキンソン、ミック・ファニング。
ウィメンズではキャロライン・マークス、レイキー・ピーターソン、タイラー・ライト、カリッサ・ムーアなどが優勝している。
なお、スナッパーロックスの誕生の裏でキラの地形が悪くなるなど弊害もあるが、2013年にはそのキラでファイナルが行われ、ケリーvsパーコの名勝負が生まれた。
スナッパーワールドチャンプヒート
CSの会場となって今年で3年目。
来年からCTの会場に移行することもあり、今年は『Bonsoy Gold Coast Pro』の初日にオッキー、ケリー、ミック、ジョエル、ステファニーのレジェンド5名によるスペシャルヒート『Snapper World Champs Heat』が行われた。
無名に近い選手が多いCSの本戦よりもヒーローである5名のサーファーによるヒートの方が盛り上がり、夕暮れのスナッパーロックスに多くのファンが集まって歓声を上げていた。
特にミックなどはまだ現役で通じるのではと思わせるような切れ味だった。
「本当に楽しかったわ。パーコが良い波を譲ってくれたし、彼らのサーフィンを見ることが出来て最高だった」
ステファニー・ギルモア
「ステフが4名に勝っていたよね。こんなに大勢の人が集まってくれて、サーフィンがゴールドコーストにとってどれほど大切なのかを実感できた。本当に楽しかったさ」
ケリー・スレーター
なお、本戦にも出場したケリーはRound of 64で二人の若いオージー、オスカー・ベリー、ジョージ・ピッターに敗退している。
日本人選手の活躍
現在、スナッパーロックスではCS開幕戦『Bonsoy Gold Coast Pro』が開催中。
日本からは伊東李安琉、大音凛太、安室丈、大原洋人。
脇田紗良、松岡亜音、都筑有夢路、都築虹帆が参加しているが、すでに伊東李安琉、大音凛太、安室丈がRound of 80、都筑有夢路、都築虹帆がRound of 48で敗退。
ファーストラウンドで姿を消している。
一方、大原洋人はRound of 80、Round of 64共に7ポイント台を2本出してトップ通過。
Round of 32行きを決めている。
脇田紗良、松岡亜音はRound of 32でスタンバイ。
現地時間4月29日にヒートが進行予定となっている。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)