パリ五輪前の最後のCTイベントとなるCT第8戦『VIVO Rio Pro』が現地時間6月22日の7時(日本時間の同日19時)にファーストコールを迎える。
世界一熱狂的なサーフィンファンのブラジルでのイベントはまるでサッカースタジアムのように異様なほどの盛り上がりとなり、他国の選手はアウェー感を味わいながらヒートに挑むことになる。
メンズは2017年からブラジリアンが連覇記録を更新し続けており、今年もディフェンディングチャンピオンのヤゴ・ドラを始め、ファイナル5まであと一歩のガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラなどが優勝候補の筆頭と言えるだろう。
初優勝を狙うタティアナ・ウェストン・ウェブ
メンズと違い、ウィメンズは元々ブラジリアンが少ないこともあり、過去に自国優勝を果たした選手がいない。
唯一ツアーを回っているタティアナ・ウェストン・ウェブも2018年、2022年のSF止まり。
現在ランキング8位の彼女もブラジルで結果を残してファイナル5入りを決めたいところだろう。
「世界で最高の国よ。多くの情熱、喜び、そして温かさがある。これらの要素がすべての違いを生むのよ。私にとってブラジルのイベントで戦うことは最高。イヴァン・マルチーニョ(WSLの南米地域のゼネラルマネージャー)が本当に力を入れている。サーフィンがサクアレマのような美しく素晴らしい街にもたらす多くのことを見るのも好きなの。私はこの街が大好きよ。この美しい国を代表できることを非常に嬉しく思う」
地元に戻ったジョアオ・チアンカ
バックドアでの生死を彷徨う事故から復帰してワイルドカードを得たジョアオ・チアンカはサクアレマのローカルでもある。
まだツアー歴が少ないジョアオは地元で結果を残していないが、ローカルナレッジを活かして今年は飛躍する可能性がある。
「ブラジリアンであることは利点だと思う。ブラジルで、それも私はホームでやれるしね。サクアレマで生まれ育ち、若い頃からこのイベントを見ていた。アスリートの隣に座って彼らがヒートをサーフィンするのを見ていたよ。そして、今こんなに素晴らしいイベントで競技する機会を得たんだ。
サーファーを追いかけ回していた少年が今では家族や友人と一緒に地元で競技している。CTはそれ自体がショーなので、良い波が来ることを本当に願っている。ブラジリアンの情熱、ビーチに設置されたイベント会場、そして、イベントの規模と大きさは本当のショーがふさわしいと思うよ。太陽の下、美しいビーチの日々、海の中でも外でも見せるイベント。常に多くを期待されている。始まるのが待ち遠しいね」
イエロージャージを着る二人
ブラジルでイエロージャージを着るのはケイトリン・シマーズ(USA)とジョン・ジョン・フローレンス(HAW)の二人。
18歳のケイトリンはディフェンディングチャンピオンでもあり、今年はパイプラインとベルズビーチで優勝。すでにファイナル5入りは固めているが、ワールドタイトル獲得を有利にするためにブラジルで結果を残してトップを固めたい。
2012年、2016年にブラジル戦を制したジョン・ジョンだが、当時は会場がリオデジャネイロのバハ・ダ・チジュカだった。
2017年に会場をサクアレマに移動してからは怪我に悩まされたこともあり、2023年の3位が最高位になる。
「CT初優勝はリオプロだった。本当に興奮したね。フィリッペ が勝ったシーズンの観客数はサーフィンコンテストでは見たことないほど多かったよ。あんな光景は初めてだった。本当にやばかったさ。ブラジルのサーフィンへのサポートは本当に素晴らしいよ」
ギャビーの妹が初参加
ワイルドカードは少し前に発表された通り、全てブラジリアンで、メンズはジョアオ・チアンカとサミュエル・プポ。
ウィメンズはルアーナ・シルヴァとタヒナ・ヒンクル。
その他、タイラー・ライト(AUS)が足の怪我で欠場するため、リプレイスメントにガブリエル・メディナの妹、ソフィア・メディナが選ばれている。
CT第8戦『VIVO Rio Pro』のファーストコールは現地時間6月22日の7時(日本時間の同日19時)
30分後にスタート予定。
ライブ中継はWSL公式サイトなどで配信される。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
Rising Tidesとは?
「Rising Tides」は、WSLが推進するプログラムで、次世代の女性サーファーをサポートし、インスパイアすることを目的としている。
若い女の子たちにサーフィンの技術を学び、自信を持ち、サーフィンコミュニティの一員として成長する機会を提供。
具体的な活動には、プロサーファーのサーフィンクリニック、ワークショップ、メンタリングセッションなどが行われ、参加者はプロサーファーから直接指導を受けるだけでなく、彼らの経験やアドバイスを通じて成長の機会を得ることができる。
女性サーファーの存在感や影響力を高め、サーフィン界全体でのジェンダー平等を促進することも目指している。
WSLの女性サーフィンへのコミットメントを示す取り組みであり、若い世代の女性たちがサーフィンを通じて自己実現を果たすためのサポートを提供する素晴らしいプログラムである。
(空海)