(朝のゴールデンタイムにツインフィンで波に乗るステファニー) PHOTO: © WSL/Pierre Tostee

WSL特別戦『J-Bay Classic』を制したのは?

南アフリカのJ-Bayを舞台としたWSL特別戦『J-Bay Classic』が現地時間6月22日に終了。

前日に行われたボーナスラウンドは公式6-8ftレンジのオフショア、パーフェクトなコンディションに恵まれ、メンズ、ウィメンズ共にベスト4がSF進出を決めた。

ボーナスラウンドからSFへ

(ボーナスラウンドでハイエストスコアを出したマイケル・フェブラリー) PHOTO: © WSL/Kody McGregor

特別なフォーマットが用意された『J-Bay Classic』では、まずツインフィンとスラスターでR1を行い、それぞれのベストスコアが加算される。
ボーナスラウンドはベストスコアが2倍となり、R1のスコアとの合算でランキングが決まる。

ボーナスラウンドではまずH1でポルトガルのフレデリコ・モライスが一本の波で2回もバレルをメイクして8.43をスコア。
南アフリカのショーン・ホルムズは8ftのバレルとオープンフェイスでの美しいターンで8.27を出して素晴らしい1日をスタートさせた。

次のヒートではツインフィンラウンドで9.00を出していたマイケル・フェブラリーが独特のスタイルで大きな弧を描くターンとバレルをメイク。
ハイエストスコアとなる9.17を出した。
この9.17は2倍となり、18.34。マイケルはツインフィンで9.17、スラスターで7.67を出していたので、合計35.01でリーダーボードのトップに立ち、SF行きを決めた。

同じヒートのオッキーがクラシカルなバックハンドで魅了し、ジョシュ・カーが自らのブランドのツインフィンでスムースなターンとバレルで8.90をスコアするなどボーナスラウンドはこのH2がクライマックスだった。

(ツインフィンで気持ち良さそうにターンするジョシュ・カー) PHOTO: © WSL/Pierre Tostee

ボーナスラウンドのウィメンズサイドでは鮮やかな黄色いボードに乗ったステファニー・ギルモアがスタイリッシュな美しいターンの連続で7.67を出し、「テイクオフする時に海岸線に沿って長いラインナップが見られる場所は世界でもなかなか無いわ。尊敬する二人とこの場を共有できたのも素晴らしい。ココとは同じキャリアを共有し、シエラは未来を担っている。大好きな二人と一緒にこの最高の波をシェアできたのは本当に貴重な時間よね」と話した。

特別な波に恵まれたこの日はオッキーを始め、グレッグ・エムズリー、グラント・ベイカー、ショーン・ホームズ、シェーン・ソーン、ウォレン・ディーン、トレバー・ハンセン、マイケル・バーネス、セス・ハリーなどのレジェンドによるヘリテージヒートで締めくくられた。

(2018年のJ-Bayで優勝したことがあるステファニー) PHOTO: © WSL/Kody McGregor

1987年以来の南アフリカ女性の勝利

(サラ・バウム) PHOTO: © WSL/Kody McGregor

ファイナルデイはサイズダウンの公式3-4ftレンジ。
波数が少ない時間帯もあったが、基本的にはパーフェクトなブレイクが続いていた。

ウィメンズでSFに進んだのは、ステファニーの他、サリー・フィッツギボンズ、ココ・ホー。
そして、トライアルから勝ち上がったサラ・バウムの4名。

SFは通常のCTイベントと同じくベスト2スコアで争われ、サリーとサラがファイナルに進んだ。
ファイナルではステイビジーに波に乗りまくったサリーがミドルスコアを重ねて主導権を握ったが、じっくりと波を待ったサラが8.00を出してサリーに迫った。
バックアップスコアがなかったサラだが、ローカルの大きな声援の中で掴んだ最後の波で大きな2ターンとインサイドセクションでのチャージ。見事に着地に成功してスープから姿を現した瞬間、会場が沸き上がった。
勝利を確信したサラは両腕を高々と上げてアピール。見事に逆転に成功して南アフリカの女性では1987年のシャボンヌ・ヒル以来のJ-Bay戦優勝となった。

「信じられないことが起きた。あの波をメイクした瞬間、感情が抑えきれなくなったわ。いつもはあんなアピールはしないけど、今回は違う。ビーチにいたみんなの大きな声援が聞こえた時、鳥肌が立ったわ。いくつかのミスをしたけど、それは考えずにやり通した。今回のイベントは自分のサーフィンを正すためのものだった。この勢いを維持して自分自身を信じ続けたい」

(ファイナル終了後の二人)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

ミッドシーズンカットでCS落ちしたサリーは久々の華やかな舞台で終始笑顔だった。ファイナルで敗退した後もサラに駆け寄り、彼女を讃えていた。

「バウミーがスコアを上げるためにターンをして観客が沸き上がるのを見るのは、J-Bayでの最高の思い出になると思う。1987年以来の南アフリカ人優勝という本当に重要な瞬間に立ち会えたことは、今週を締めくくるのにふさわしいと思うわ。これ以上何も望むことはできないし、とても満足している」

ポルトガル人が南アフリカ人を抑えた

(フレデリコ・モライス)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

メンズサイドはマイケル・フェブラリー、マット・ウィルキンソン、ジョシュ・カー、フレデリコ・モライスの4名がSFに残り、マイケルとフレデリコがファイナルに進んだ。

南アフリカ人 vs ポルトガル人のヒートは、波数が少なく、互いにマークをせずに離れたポジションで波を待った。巨大なレイバックとパワフルなターンで6.00と6.83を出したフレデリコがリード。最後の波でマイケルも良い波を手に入れたが、5.50とスコアは伸びず、フレデリコがJ-Bayでの初優勝を飾った。

「J-Bayはただの場所ではない。感情的になっているよ。この世界最高の波はいつも自分に優しい。波も人も大好きさ。競技とフリーサーフィンが両立した特別な1週間だった。本当に自分が求めていたものだった。若い世代から上の世代まで世界中のアイコニックなサーファーと一緒にサーフィンできた。ツインフィンでサーフィンするのは始めてだったよ。最後に世界で最もスタイリッシュなサーファーのマイケル・フェブラリーと対戦して勝てたのは特別だったね」

ツインフィン、ボーナスラウンド、SFでハイスコアを出して今イベントの主役となったマイケルだったが、最後は波運に見離された形となった。

「久々にコンテストでサーフィンしたのは楽しかったけど、疲れたね。本当に素晴らしい1週間だった。最高の波に乗れたし、違ったサーフィンの祭典に参加できたのが凄い楽しかったよ」

(マイケル・フェブラリー)
PHOTO: © WSL/Pierre Tostee

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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