長年、CTで活躍してきた米国を代表するサーファーの1人、コロヘ・アンディーノらが25日、千葉県一宮町役場を訪問し、自身が制作中の映画上映への協力を要請した。
コロヘは、東京五輪で米サーフィン代表団の主将を務め、準々決勝で五十嵐カノアに破れ、5位タイの結果だった。五輪で来日した際は、静岡県牧之原市で合宿を行い、大会中は千葉県一宮町のペンションサードプレイスに滞在した。
「海はトップサーファーのものじゃない」
その縁で、今夏、自身が制作中の映画「2% Surf World Premier Tour」を、一宮町や牧之原市の子供たち向けに上映する計画を立てた。
映画は、サーフィンを中心とした海や大自然の素晴らしさ、友情、信頼関係などをテーマに描く。都会や海の近くに住んでいても、海から心が離れてしまっているキッズに、海本来の楽しみを伝え、友人や親子の体験を通して、海を大切に守る絆も養い、町の活性化にもつなげてほしいという願いを込めている。
コロヘらは、一宮町の馬淵昌也町長と鵜沢清永町議会議長と面会。「今まで業界の大きなスポンサーに支えられてサーフィンをしてきたが、子供たちと海との距離が離れ、サーフィンがお金のある人のためのスポーツ、コンテストになっている。もっと海で気楽に楽しく遊ぼう。サーフィンでなくても砂遊びでもいいから、海はトップのスポーツ選手だけのものではないと伝えたい」と、熱意を伝えた。
上映は国内4カ所
上映は今年8月。コロヘにゆかりがある牧之原市や、2019年に東京五輪選考を兼ねたISAワールド・サーフィン・ゲームズで盛り上がった宮崎市と首都・東京に加え、初の五輪が開催された一宮町でも行う。
日本の4都市に加え、米国では東、西海岸でそれぞれ4カ所、オーストラリアで4カ所と、世界の計16カ所での上映を目指している。
一宮町での上映は8月19日にサードプレイスで、無料での公開を予定しているという。馬淵町長は「天候が悪かった場合、中央公民館が使えるよう調整する。一宮町を選んでくれてありがとう」と積極的な協力を快諾。
子供たちとのサーフセッションも
鵜沢議長は、自身の8歳の長女の写真を見せ、「東浪見小は150人の児童のうち50人がサーファー」と紹介。コロヘは「わお!」と驚き、「僕には2歳と7カ月の子供が2人いる」と意気投合。鵜沢議長が「ぜひ一宮の子供たちと触れ合ってほしい」と話すと、8月の上映会には自身も再度、一宮町を訪れ、子供たちと一緒にサーフィンする計画も披露した。
コロヘは「一宮町で五輪初のサーフィンを開催してくれてありがとう。五輪の時は新型コロナの行動制限があったので、一宮町の子供たちと交流できること、私たちのサーフィン文化を紹介できることを楽しみにしている」と笑顔で話した。
All photos by Chiaki Sawada
(沢田千秋)