現地時間6月26日、パリ五輪前最後のCTでファイナル5が決まる最終戦の一つ前のイベントとなるCT第8戦『VIVO Rio Pro』が開幕!
会場のブラジル・サクアレマ「イタウナビーチ」は公式4-6ftレンジのレフト中心のパワフルなブレイク。
メンズ、ウィメンズ共にOpening Roundが終了。ウィメンズはElimination Roundまで進行してQFを戦うベスト8が決まり、メンズはElimination Roundの8ヒート中、4ヒートのみ進行した。
3名のブラジリアンが魅せた
サーフィンがサッカーの次に盛んと言われているブラジルでは世界一熱狂的で毎年お祭り騒ぎになる。
初日も大勢の観客がビーチに集まり、大いに盛り上がっていた。
他国の選手が気の毒になるほどホーム色が強い今イベントは、それが結果にも出ており、メンズは2017年からブラジリアンが連勝記録を更新し続けている。
今年は2018年、2019年、コロナ禍を挟んで2022年と3連覇を達成しているフィリッペ・トレドがツアーを休んでいるが、ディフェンディングチャンピオンのはヤゴ・ドラや、自国での初優勝を狙うガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラ。3名がスコアを伸ばして3名中トップしか勝ち上がれないOpening Roundをクリアした。
中でもガブリエルはフルローテーションを含むマニューバーで8.00のハイスコアを出し、エアーリバースで6.93を重ねて圧勝。
一際目立つブラジル国旗カラーのサーフボードでトータル14.93を出していた。
「最初のヒートを勝ち抜けて嬉しいよ。今日は波があるけど難しかった。でも、数日間待った後に良い波に乗れて、勝利できて本当に嬉しいね。ブラジルでの大会は特別なんだ。ここで良い成績を収めたいと思っているよ。トレーニングを続け、信念を持ち続けている。いつかブラジルの大会で勝てる日が来ると信じているけど、今はただリラックスしてヒートを勝ち進みたいとだけ考えている」
イタロは残り40秒で6.95が必要なシチュエーションでこの日少なかったライトの波にテイクオフ。スピードをつけながらタイミング良く空を飛び、フルローテーションに近いエアーをメイク。着地から次のターンも綺麗に決めて7.50と逆転に十分なスコアを出していた。
ガブリエル、イタロ、ヤゴはランキングで6位、7位、8位と続いており、ブラジルでの結果次第ではファイナル5入りの可能性も十分にある。
ファイナル5をかけた争い
メンズはすでにトップのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がファイナル5入りを確定させているが、残り4名はこのブラジルでシェイクされる可能性がある。
Opening Roundではジョン・ジョンを始め、3位のグリフィン・コラピント(USA)がElimination Round行き。
2位のジャック・ロビンソン(AUS)、4位のイーサン・ユーイング(AUS)、5位のジョーディ・スミス(RSA)がRound of 16に進んだ。
奇しくも12.87と同じトータルスコアで違うヒートを勝ち上がったジャックとイーサン。
ジャックは妻とコーチ(ヤゴ・ドラの父)がブラジリアンのため、このイベントに特別なものを感じているそうだ。
「ここはとても良いエネルギーが感じられるよ。みんな凄く興奮していて、まるでホームにいるようさ。一年間一緒に旅をするみんながここにいるし、良い感じさ」
その他、セス・モニーツ(HAW)、ラムジ・ブキアム(MAR)がRound of 16進出を決めた一方、日本の五十嵐カノア、コナー・オレアリーはElimination Round行き。
次はカノアがライアン・カリナン(AUS)、コナーがジェイク・マーシャル(USA)と対戦する。
4ヒートのみ行われたElimination Roundはジョン・ジョン、和井田、グリフィン、リアムが勝利している。
自国での初優勝に一歩近づいたタティアナ
すでにQFを戦うベスト8が決定したウィメンズサイドでは自国での初優勝を目指すタティアナ・ウェストン・ウェブを始め、ワイルドカードのルアーナ・シルヴァと二人のブラジリアンがOpening Roundを勝ち上がり、ファンを興奮させていた。
また、ルーキーのソーヤ・リンドブラッド(USA)、2年連続のワールドタイトルを狙うキャロライン・マークス(USA)もOpening RoundからストレートでQFへ。
「ブラジルの観客の応援は世界最高よ。ホームでサーフィンできるのは本当に幸運で、ここではとても自分らしくなれるるわ。ヒートではリズムがどちらかに向くことがあるけど、今回は序盤から私のものだった。上手くいって嬉しいわ。まだヒートを一つ勝っただけ。次はQFね。本当に嬉しい」
ブリッサ・ヘネシー(CRI)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)を倒したルアーナともう一人ワイルドカードとして参加しているタヒナ・ヒンクル。そして、タティアナの3名はパリ五輪にも出場する。
なお、足の怪我で欠場したタイラー・ライト(AUS)のリプレイスメントとして参加しているガブリエルの妹、ソフィア・メディナはElimination Roundで敗退。
始めてのCTでは良い結果を残せなかったが、19歳で出場した世界最高峰の舞台が大きな自身に結びつくことだろう。
トップ5ではジョアン以外がQFへ
Opening Roundではケイトリン・シマーズ(USA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、モリー・ピックラム(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)とトップ5の内、4名がElimination Round行きとなったが、ジョアン以外は全てElimination Roundを勝ち上がっていた。
Elimination Roundでブラジルのタヒナに追い込まれていたケイトリンは最後の波で逆転に成功してイエロージャージを維持している。
「何してるの、ケイトリン?って感じで自分にちょっとイラついたわ。優先権を持っていたのに、彼女がその波を取ってしまった。でも、波が沢山あったので、スコアを取れると思った。小さなリップカールを見つけてターンを重ねた。最初の2つのターンの後、これで逆転できるかもと思ったの。そういう状況では、自分が何をしているのか凄く意識している。半分は何も覚えていないけど、半分はこのターンを決める必要があるって凄い意識しているのよ。怖い感じだけど、その感覚が好きだからやっているし、楽しいわ」
ネクストコールは現地時間6月27日の7時15分(日本時間の同日19時15分)
予想では風が悪く、2日目は翌日以降に持ち越される可能性がある。
VIVO Rio Pro Presented by Corona Women’s Opening Round Results:
HEAT 1: Sawyer Lindblad (USA) 11.77 DEF. Johanne Defay (FRA) 10.60, Molly Picklum (AUS) 7.00
HEAT 2: Tatiana Weston-Webb (BRA) 9.66 DEF. Taina Hinckel (BRA) 5.67, Caitlin Simmers (USA) 5.30
HEAT 3: Caroline Marks (USA) 11.67 DEF. Bettylou Sakura Johnson (HAW) 5.26, Sophia Medina (BRA) 4.83
HEAT 4: Luana Silva (BRA) 11.16 DEF. Brisa Hennessy (CRC) 9.70, Gabriela Bryan (HAW) 9.30
VIVO Rio Pro Presented by Corona Men’s Opening Round Results:
HEAT 1: Ethan Ewing (AUS) 12.87 DEF. Connor O’Leary (JPN) 8.83, Cole Houshmand (USA) 7.50
HEAT 2: Seth Moniz (HAW) 12.40 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 11.30, Griffin Colapinto (USA) 7.70
HEAT 3: Jack Robinson (AUS) 12.87 DEF. Ryan Callinan (AUS) 11.23, Samuel Pupo (BRA) 8.30
HEAT 4: Ramzi Boukhiam (MAR) 10.30 DEF. Joao Chianca (BRA) 10.27, John John Florence (HAW) 8.10
HEAT 5: Jordy Smith (RSA) 10.40 DEF. Barron Mamiya (HAW) 10.10, Imaikalani deVault (HAW) 7.17
HEAT 6: Gabriel Medina (BRA) 14.93 DEF. Rio Waida (INA) 12.60, Leonardo Fioravanti (ITA) 6.87
HEAT 7: Italo Ferreira (BRA) 14.50 DEF. Crosby Colapinto (USA) 13.94, Liam O’Brien (AUS) 8.50
HEAT 8: Yago Dora (BRA) 13.60 DEF. Matthew McGillivray (RSA) 11.33, Jake Marshall (USA) 7.73
VIVO Rio Pro Presented by Corona Women’s Elimination Round Results:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) 12.50 DEF. Taina Hinckel (BRA) 12.00
HEAT 2: Molly Picklum (AUS) 12.23 DEF. Bettylou Sakura Johnson (HAW) 6.90
HEAT 3: Brisa Hennessy (CRC) 8.50 DEF. Sophia Medina (BRA) 6.60
HEAT 4: Gabriela Bryan (HAW) 10.84 DEF. Johanne Defay (FRA) 4.06
VIVO Rio Pro Presented by Corona Men’s Elimination Round Results (Heats 1 – 4):
HEAT 1: John John Florence (HAW) 12.34 DEF. Joao Chianca (BRA) 7.13
HEAT 2: Rio Waida (INA) 12.70 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 11.07
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) 12.50 DEF. Samuel Pupo (BRA) 11.97
HEAT 4: Liam O’Brien (AUS) 10.66 DEF. Barron Mamiya (HAW) 7.50
VIVO Rio Pro Presented by Corona Men’s Elimination Round Matchups (Heats 5 – 8):
HEAT 5: Jake Marshall (USA) vs. Connor O’Leary (JPN)
HEAT 6: Cole Houshmand (USA) vs. Matthew McGillivray (RSA)
HEAT 7: Crosby Colapinto (USA) vs. Imaikalani deVault (HAW)
HEAT 8: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Ryan Callinan (AUS)
VIVO Rio Pro Presented by Corona Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Caroline Marks (USA) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 2: Brisa Hennessy (CRC) vs. Tatiana Weston-Webb (BRA)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Luana Silva (BRA)
HEAT 4: Molly Picklum (AUS) vs. Gabriela Bryan (HAW)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)