約3週間後に迫ったパリ五輪。
7月はCTが完全にオフとなり、五輪代表は本格的な準備に入ることになる。
メダル候補国は日本を始め、フランス、アメリカ、ブラジル、オーストラリア。
その中でもオリンピックで圧倒的なメダル獲得数を誇るアメリカは東京五輪の金メダリスト、カリッサ・ムーアを始め、2024年のCTでトップ5に入っているグリフィン・コラピント、ジョン・ジョン・フローレンス、キャロライン・マークス、ケイトリン・シマーズと強豪揃いだ。
このまるでアベンジャーズのようなメンバーをまとめるヘッドコーチにシェーン・ドリアンが抜擢された。
ケリー・スレーター、ロブ・マチャドなどと共にモーメンタム世代の中心人物として活躍したシェーンはCT引退後にビッグウェーバーとして様々なアワードを獲得していたが、今は次世代を育てる役に徹しており、ISAのハワイのジュニアチームのヘッドコーチを務めている。
ハワイチームは2022年のエルサルバドル大会で団体金メダルを獲得。個人でもU18ボーイズで金と銀メダル、U18ガールズで金メダルと多くのメダルを獲得した。
なお、パリ五輪のアシスタントコーチはプエルトリコで開催されたWSGでUSAチームを指導したオーストラリア出身のミッチ・ロス。
以前から一緒に仕事をする仲で、関係も良いそうだ。
(JAWSではトーインからパドルへ変えたパイオニアでもあるシェーン)
コーチングのきっかけはイタロ・フェレイラ
エイドリアーノ・デ・ソウザがジェイミー・オブライエンの門を叩いてパイプラインでの指導を仰ぎ、ワールドタイトルを獲得した話は有名だが、シェーンはイタロ・フェレイラに同じように志願され、パイプラインで集中的にコーチを行い、ワールドタイトル獲得に大きく貢献した。
それがコーチングを始めたきっかけで、ビジネスよりも40年間も愛しているサーフィンに貢献することに情熱を注いだ。
それまで積み上げてきた知識と経験が誰かの助けになるなら、それはとても素晴らしいことだと感じたのだ。
ビッグウェーブの世界から距離を置いたきっかけは息子が生まれた直後にマーヴェリックスで危ない場面があり、その時に子供のためにリスクを取ることを止めたそうだ。
各コーチとの関係
シェーンと5名の選手はCTでは直接コーチなどを行なったことがなく、ある意味中立の立場にある。
シェーンはまず選手一人一人のコーチに連絡を取って話をすることから始め、データーベースを作成したそうだ。
・トム・ウィタカー
グリフィン・コラピント
ケイトリン・シマーズ
・マイク・パーソンズ
キャロライン・マークス
・ロス・ウィリアムス
ジョン・ジョン・フローレンス
トム、マイク、ロスの3名のコーチはUSAチームの計らいで3人のコーチ全員がタヒチでのオリンピック合宿に参加して五輪にも立ち会うとのこと。
ISAイベントは個人の他に団体での結果も重要だが、オリンピックは国を代表して戦うことに誇りを感じてチームで戦うとはいえ、結果は個人のメダルのみになる。
最終的に個人での戦いになるのがISAとオリンピックとの違いであり、CTでのコーチを側に置くことはとても重要である。
(空海)
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