リッチー・ポーター Photo:THE SURF NEWS

元WSLヘッドジャッジ「リッチー・ポーター」を招いたジャッジ講習会が開催

去る10/7(月)、東京都文京区の全労連会館にて、日本サーフィン連盟主催のジャッジ講習会が開催された。

今回講師を務めたのは、過去25年間、ASP/WSLのヘッドジャッジを務めた経験を持つ「Richard Porta(リチャード“リッチー”ポーター)」。
先着34名という枠で当日集まったのは、NSAの公認ライセンスを持つ現役ジャッジを中心に、現役選手やメディア関係者なども参加した。

通訳と解説は、プロボディボーダーの大原沙莉が担当 Photo:THE SURF NEWS

「緊張すると思うけど、サーフィンは楽しいものだから。今日の講習会も楽しく行いましょう!」
そんなリッチー氏の挨拶と、簡単な自己紹介から講習会がスタート。

今回は一般公募ということもあり、講習はジャッジングの基本部分の解説から始まり、世界最高峰のWSLジャッジが実際にどこに注目し、どのように採点を行っているのかを学べる内容。中ではCTのデュアルヒートにおけるプライオリティ解説や、実際に発生した妨害行為から新たに追加された新ルールなど、マニアックな内容も語られた。

ライディングがクロスしてしまった場合の考え方や、故意の妨害で優先権を失う「ブロッキング」なども解説。プライオリティ関連の話題は多くルールもつねに変化している Photo:THE SURF NEWS

中盤からは今年9月に行われた「WSL Finals」のライディング映像を見ながらのジャッジトレーニングを実施。次々に映し出される世界トップサーファーのライディングを限られた時間内に採点しなければならず、現役ジャッジたちも知識をフル活用しつつ臨んでいた。

まずは、キャロライン・マークス vs タティアナ・ウェストン・ウェブのヒート映像でジャッジ・トレーニングを実施 Photo:THE SURF NEWS
参加者も実際にスコアリング。各ライディングに対して、なぜその点数なのかをしっかりと説明できることが大切とのこと Photo:THE SURF NEWS
ライディング毎にリプレイ映像を見ながら、さらに細かく検証。各選手が逆転するための「ニードポイント」も重要な要素となる Photo:THE SURF NEWS
続いて、イタロ・フェレイラ vs イーサン・ユーイングのヒートで実践。ウェーブカウントが増えるとさらに忙しく、スコアリングの難易度も増してくる。採点時に比較対象とすべき別のライディングや、ジャッジングのポイントなども解説された Photo:THE SURF NEWS

なお、最後に用意された質疑応答は持ち時間を延長、エアーの採点についてや、10ptの考え方、さらには選手目線でのポジショニングに関するアドバイスなど、様々な話題に触れつつ約2時間半の講習会が終了。

講習会には、宮崎県や広島県など遠方からの参加者も多く「最新の知識に触れることができた」など好評の声が聞かれた。

普段はあまりジャッジに関わらない方から、NSA公認のA級ライセンス所持者まで、様々な方が参加 Photo:THE SURF NEWS
Photo:THE SURF NEWS

なお、今回の講習会は、講師を務めたリッチー・ポーター氏の来日を記念しての開催。

リッチー氏は、先日に福島で行われた「KITAIZUMI SURF FESTIVAL 2024」のゲストとして来日しており、現地では参加ジャッジ向けの講習会も実施。大会ではヘッドジャッジを務めたほか、期間中はその日で重要だったライディングを皆で検証し、どうしてその点数だったのか、ということを話し合ったという。

進化するサーフィンとともに、ワールドクラスのジャッジ育成の必要性が囁かれる中、貴重な機会となったであろう今回のジャッジ講習会。今後もこのような機会が増えてくれることを期待したい。

講習会に参加された皆さん Photo:THE SURF NEWS

Richie Porter.(リッチー・ポーター)プロフィール

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オーストラリア、メルボルン、ヴィクトリア州出身。現在は、ブリスベン、クイーンズランド州に在住。
サーフィンを始めて50年。コンペシーンでは20年戦っていた。過去に、サーフィン・ヴィクトリアにて会長を勤めていた。ライフメンバーヴィクトリアの1人。    

<ジャッジのバックボーンから現在の経歴リスト>
WSL JUDGE: 1996年~2006年.
ASP International woman JUDGE: 2006年~2010年. ASP/WSL HEAD JUDGE(HJ):2010年~2017年.
WSL アドバイザー: 2018年~2020年.
WSL Rules and Judging analysts:(ルール規定を決め、ジャッジの解説者) 2021年~現在。
日本で初めてジャッジとして来日した年は、2000年。
宮崎 QS 4000: 2001年~2009年。田原プロ QS 6000:2004年〜2008年

リッチーは、こよなくサーフィンライフをエンジョイしつつ、自らのサーフィンライフとJUDGEの経験を生かしつつ、JUDGE解説者でもある。ルール規定を毎年、コンペシーンの選手のためにWSL本部へ提案と修正を提示してる重要な人物である。

そして、JUDGEシーンでは、HJとJUDGEを経験しているため、常に若いJUDGEのセミナーやコンペシーンにてスキル育成を心がけている、彼はWSLを含めOlympicでも使用されたポイント制度を作り上げグローバルに広めた注目度の高い人材である。優れたスキルを使い、1人でJUDGE, HJ, Spotter, Priority JUDGEをコンペシーンで出来る為、常に育成を心がけている。

陽気でフレンドリーな性格のリッチーは、世界中に求められている中、今回の復興イベントに参加し、世界へ日本の素晴らしさを配信したいと意気込みを感じている。
サーフィン以外の趣味は、スノーボードで冬になると日本に遊びにきては、スノーボードをしており、歴史が大好きだそうで、神社巡りをし、沢山の日本食を食してからオーストラリアへ帰国している。

WSL/WCTでのプライオリティルールの確立にも貢献しCTjudgeへのトレーニングも行っていた。
昨年から今年にかけてはJudge seminarを数多く開催、SURFING AUSTRALIAボードライダーズクラブ(NW/QLD/VIC)や各メーカーのでTeamからもオファーを受けている。そして今はJudgeの育成が重要だと考えています。
WSL/WCTの元HeadJudgeでありJudgeを育て選手への説明が出来る優秀な人材です。
いまのCTのJudgeシステムを作り上げた。

取材協力:日本サーフィン連盟

(THE SURF NEWS編集部)

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