現地時間11月2日、フィリピンのクラウド9で開催されていたQS5,000『Siargao International Surfing Cup』が終了。
ファイナルデイは公式3-4ftレンジ。
クラウド9にしてはスモールコンディションに加え、風が悪く、スコールもある悪条件で進行。
バレルよりもターン、エアーが勝敗の鍵を握る中、メンズ、ウィメンズ共にSFとファイナルが行われた。
シエラ・カーがQS5,000初勝利
ウィメンズサイドはWJCチャンピオンでもある17歳のシエラ・カー(AUS)がチャーリー・ヘイトリー(AUS)とファイナルを争い、ストレートエアーのメイクで9.57と8.33をまとめ、トータル17.90で圧勝。
Roun of 32で自身が出した18.03の次となるヒートスコアを出してQSでは3度目の優勝、5,000では初優勝を決めた。
「凄い嬉しいけど、まだ実感がないわ。あのヒートは天候がめまぐるしく変化し、まるで四季が次々に移り変わったかのようだった。最初は土砂降りで何も見えなくて、それからオンショア、少し弱いオンショア、そして晴れてきた。ターンを試してたけど重なってしまう波が多くて、もうエアーで決めようと思った。最初のトライで上手くいったので、そのまま続けたわ」
ご存知の通り、元CT選手で現在もスポットでQS参加して今年の二アスでは2位になっていたジョシュ・カーの娘でもあるシエラは、その才能をまだコンテストに出場する前から注目されていた。
コンテストの世界では、2021年からQSオーストラリア/オセアニアリージョナルを回り、徐々にランキングを上げて今回の優勝でカレントリーダーの座を手に入れている。
来年はCSでも目立つ存在になると期待されている。
「昨年は本気でCS入りを目指していなかった。気付いたら出場権を得ていたけど、今年は撮影に集中したの。来年こそはCSに出たいと思い、この大会に本気で挑んだわ」
ファイナルを争ったチャーリーはシエラより更に若い15歳。
ゴールドコースト出身でシエラとは一緒にツアーを回る仲間でもある。
2週間前にはWAの1,000で初ファイナル、初優勝したばかりで、今回の2位でランキングも3位に浮上している。
クラウド9ではバックハンドのパワフルなターンでスコアを出していた。
岩見天獅を倒したオスカー・ベリーがQS初優勝
メンズサイドはSFで岩見天獅を倒したゴールドコースト出身、21歳のオスカー・ベリー(AUS)がビクトリア州出身のザビエル・ハクスタブル(AUS)と対戦。
QS5,000のファイナル進出はお互いに初で、オスカーはファイナル自体が初となった。
ファイナルはザビエルが主導権を握っていたが、残り時間5分を切ってからダブルアップしてくる波を掴んだオスカーがフィンフリーのリップ2発で6.90を出して逆転勝利を決めた。
「今年はCSをフルで戦った。シーズン序盤に良い瞬間があって、いくつかの大会ではとても調子が良かったけど、思い通りにいかないヒートが続いて悔しかったね。もう一度頑張りたいという気持ちが凄く強く、この大会に大きなプレッシャーを感じながら挑んだ。結果を出せて本当に信じられないくらい嬉しいよ」
インドネシアレッグではクルイで25位、二アスで49位と悪い結果が重なっていたオスカーだったが、今回の優勝で一気にランキング4位まで浮上している。
「本当に夢みたいな気分さ。最後の3分で波が来て勝てたのは凄くドラマチックだった。ずっと待ち望んでいた瞬間がやっと来た感じ。今週は誰でもヒートを勝ち上がれるようなコンディションだった。幸運にも良い波に乗ることができたね。ファイナルデイが少し風が強く、サイズが小さめになるかもと言われていた時は、僕の得意なレールワークやエアーが活きるので興奮していた。とにかく嬉しいよ」
なお、優勝を逃したザビエルはランキング2位となり、初のCS入りが現実的になってきた。
彼はすでにCTのベルズ戦にワイルドカードで出場して9位に入り、今年の二アスでパーフェクトヒートを達成するなど秀でた才能を持つアップカマーなので、ぜひ名前を覚えておきたい。
キャリア最高の結果を出し、アジアリージョナルで10位から3位に浮上した岩見天獅は彼らよりも更に若い19歳。
同世代の加藤翔平などと共に来年はCSで暴れ回ってくれるだろう。
次のQSは11月9日〜16日に台湾の・台東の金樽漁港で開催される5,000『Taiwan Open of Surfing』
今回もアジアとオーストラリア/オセアニアリージョナルの併催で行われる。
QS5,000『Siargao International Surfing Cup』結果
1位 オスカー・ベリー(AUS)
2位 ザビエル・ハクスタブル(AUS)
3位 岩見天獅(JPN)、ジョン・マーク・トコン(PHL)
5位 カイアン・ファルヴィー(AUS)、マックリン・フリン(AUS)、リーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)、エデン・ハッソン(AUS)
ウィメンズ
1位 シエラ・カー(AUS)
2位 チャーリー・ヘイトリー(AUS)
3位 ホリー・ウィリアムズ(AUS)、ミラ・ブラウン(AUS)
5位 脇田紗良(JPN)、フレイヤ・プラム(AUS)、佐藤李(JPN)、松岡亜音(JPN)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)