コナー・オレアリー夫妻に挟まれるつのだゆき氏

「オレアリー台風上陸」 – F+

F+(エフプラス)

オレアリー台風上陸で、先週はなんだかんだバタバタした。
でもこの人たちは私にとってはお客さんというよりはお友達なので、なるべく構わないようにしている。
日本にいれば自転車でウロウロしていても、あ、コナー・オレアリーだ、と指さされるような有名人なわけだから、うちにいるときだけはなるべく自由に、自分たちのペースでいつもの生活ができるように心がけている。それはイコール放置プレイなわけで、ある意味ラクだ。
日本語も話せるし、車も運転できるし、ま、同じように世界中を旅してきた私としては、何度も来た場所なら別に助けがなくても大丈夫、というのは心から理解できるわけだ。
何しろ今は昔と違って、ケータイはあるわグーグルマップはあるわ、見知らぬ国でもロールプレイングゲームのように簡単に目的地にたどり着けるようになった。
近所のおススメのレストランも探せるし、電車の乗り換えだってアプリでスイスイだし、まぁ、すごい時代になったもんです。

私がツアーを回り始めたころは日本とのやり取りはメールですらなく、ファックス。ファックス、知ってますか? かろうじて日本でたまに見かける(うちにはあります)けど、海外では完全に絶滅しているのではないかと思われる通信手段。まぁ今思えば当時は締め切りから逃げ隠れするには実に便利な世の中であったことは間違いないし、わからないことだらけがまた面白かったり都合よかったりもした。
いま、何もかも調べようと思えば調べられるし、ガセネタは横行しているけど、本当のことも混ざっていて、なんかどうもこの方向は様子がおかしいな、と思っている。

世界中のみんながつながっているように見えて、現実問題つながっているのはごく少数で構成される不安定なグループ。情報の錯覚の世の中だ。
自分にとって都合の良いメディアが発信する、自分にとって心地の良いニュース。それを共有するグループ。これを自分で探して取捨選択するならまだいいけど、AIの手、あるいは同じ感性の仲間たちによって取捨選択され、いつもいつもお望みの、興味のあるニュースばかりが配信され、知らないうちにそれらに囲まれるようになり、それがマジョリティだと思うようになっていく。ものすごいバイアス社会というか、洗脳社会。
まぁ、それが単一方向への洗脳ではないので、かつての軍国主義のようなことにはならないかもしれないけど、それぞれの小さなグループへの多方向の洗脳というか、バイアスがけ。それは昔々の遠隔地との通信手段があまりなかったムラ社会そのものだ。

私はサーフィン村の住人にならないように、常にサーフィン関連のインフォメーションは深掘りしないようにしている。そうでないと、現在のサーフィンの置かれている正しい場所が見えない。オリンピック以降、サーフィンがこんなにメジャーになった、と思ってる人、バイアスかけられてます。
まぁ、でも歴史上のすべてのことはバランスなので、いつかこれには逆方向のバイアスがかかって、原点に回帰するわけだけど、みんなすでにどこが原点かすらわからなくなってるんだと思う。
パソコンとケータイを捨てて1週間暮らすと、見えてくるものはたくさんあるだろうな、と思う。

F+編集長つのだゆき

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