前回お届けしたメキシコのパイプラインと呼ばれるプエルトエスコンディードを訪れた後、移動した先が同じオアハカ州に位置する国立公園に指定されているチャカウワ。
場所的にチャカウワはプエルトエスコンディードの西方面となり以下の通り。
プエルトエスコンディードからのアクセスだと、まずは陸路を1時間ほど走り、その後はボートに乗って30分ほどの移動で到着。
移動中のボートでクロコダイルがいて、ボートドライバーが「お前はクロコダイルと一緒にサーフできるぜ」と嬉しくないジョークを言われたりの時間でした。
チャカウワへの移動はスウェルチャートを見て決定していて、到着した翌日からサイズアップのタイミングを狙っての事でした。
チャカウワのサーフスポット情報としては、ライトのポイントブレイクという事でレギュラーフッター向けのブレイク。
到着後に海をチェックすると、ラインナップに伸びるように堤防があるので、堤防の岩場から海へと飛び込めばパドルアウトは楽そうな感じ。
実際にトライすると結構危なく、他のサーファーを見ると堤防沿いにアウトへ向かうカレントが発生していたので、堤防に沿ってパドルすればパドルアウトはさほど大変ではありませんでした。
そしてサーフしてみるとチャカウアはなかなか特殊なブレイクで、アウトでブレイクした波は一旦うねりへと戻ってしまい、インサイドで再びブレイクというハンティントンビーチタイプ。
つまり、アウトでブレイクする波もしっかりとショルダーの張ったタイプではなく、比較的タルめな波でした。
タルめな波となるとある程度サイズがないと物足りないと言った感じですが、レイトシーズンのせいかサイズも今一つ。
このチャカウアは、英語でネット検索すると「サーフィン天国」など行きたくなるキャッチフレーズが飛び交っていますが、サーファーによるサイトで押されている様子を発見することはありませんでした。
このように言葉のみが独り歩きする事は決して珍しくなく、たとえばインドネシアのバリ島はワールドクラスのサーフスポットをいくつも有する世界的なサーフエリア。
なのですが、クタビーチがサーフィンの聖地と称される事が多々あり、クタビーチはただのビーチブレイクでありワールドクラスには程遠いです。
にもかかわらず、サーフィンを知らない方がネット情報で「サーフィンの聖地」と見れば思い込んでしまい、その言葉を鵜呑みにして広がっていったのでしょう。
サーファーからしてみればあり得ないことが、常識のように広まっているのは信じられないですが、そういった事実も歴然と存在するわけです。
そんなケースに近いのが今回のチャカウアなのかなと感じました。
もちろん、僕はメインシーズンの様子は見ていないので断定はできないのですが、今回のコンディションを見た限り「サーファー天国」に化けるとは考えづらかったです。
実際にサーフィンをメイン目的で来ている方はほとんどいなくて、僕みたいにボードバッグを持って移動してきたサーファーを見る事はなく、みんな移動を手軽にするために裸のボードを1本だけというスタイルでしたし。
今回は完全に外してしまいましたが、たまに当たりを引く事を考えると足を使って情報を稼ぐしかないんですよね。
ちなみにですが、滞在した宿は見た目的には風情のある茅葺屋根でしたが、個人的に茅葺屋根の宿はお勧めしません。
と言うのも、かなり隙間があり色んな虫が入ってくるためで、僕は海外に行く時はかなり信頼を寄せていて効果抜群な日本のワンプッシュ虫スプレーを持って行きます。
そして同スプレーを使ったら、ゴキブリ、サソリ、コウモリがベッドに降ってきました…。
(World Surf Movies)
※本コーナーでは、波情報BCM内で公開されているコラムの一部を掲載しています。