招待制によるメンズ40名、ウィメンズ20名による『Vans Pipe Masters』は現地時間12月12日に2日目を迎え、ウィメンズのR2、メンズのR1が行われた。
なお、独自フォーマットの詳細は以下。
予選ラウンドのパーフェクトスコアは30点。
敗退者なしのリーダーボード形式で3ラウンド行なわれるため、ファイナル進出の4名は最後まで分からない。
強いトレードウィンドの影響でレイデイとなった前日と比べて朝はクリーンなコンディションだったが、日中は再びトレードウィンドが強まり、難しいコンディションに変化していた。
それでもパイプライン、バックドア共にバレルは開いており、いくつかのハイスコアが生まれた1日だった。
なお、12月20日までのウェイティングピリオド中、16日の午前、17日、18日が良い予報となっている一方、19日、20日はウネリが大き過ぎる可能性があるとのこと。
このような不確定要素を考慮してまずは予選ラウンドを早めに終わらせるために2日目は30分ヒートを28分ヒートに短縮した。
予算の関係からか今年はライブ中継が行われず、Instagramでのハイライトや、Stabでのライブ記事のみ。
ネイザン・フローレンスが自身のYouTubeチャンネルで解説付きのライブを配信して多くの視聴数を稼いでいた。
ウィメンズはサクラがリード
ウィメンズR1ではケイトリン・シマーズ(USA)がトップに立っていたが、R2はローカルの二人が挽回。
他選手が6.00以上の波を見つけられない状況の中、サクラことベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)がローカルナレッジとCTでのコンペ力を活かしてまずは9.90をスコア。バックドアのバレルをメイクして抜けた後のダウンカーブまで繋げて23.00ポイントを出し、更にターンで17.00を重ねてトータル49.60でトップに立った。
次のヒートに登場したモアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)はケイティと同カードで、序盤はバックドアをメイクしたケイティが21.00を出して首位奪回に向けて最高の一本に乗ったが、モアナはパイプラインで2本の波をメイク。15.50、20.30を重ねてトータル46.40で2位に浮上した。
ちなみに、ヒート抽選の際、モアナは「世界チャンピオン相手に自分を試したいから」との理由でケイティと同じヒートを選んだ。
暫定4位のシエラ・カー(AUS)は負傷した肩を抱えながらのサーフィンで13.33を含むトータル29.80。
上腕二頭筋の腱が炎症を起こしており、サーフィン中は痛みがあるとのことだ。
ここまで波運に恵まれていないエリン・ブルックス(CAN)はR2でもターンでスコアを稼いで僅差で5位につけている。
ファイナル進出は4位までなので、まだチャンスは残されている。
メンズはアラン・クリーランドがトップ
40名の招待選手がひしめくメンズサイドはH7でハワイアンに囲まれたメキシカンのアラン・クリーランドがバックドアで最も完璧なバレルをメイクしてトータル50.50で強豪ハワイアンを抑えてトップに立った。
パリ五輪の代表であり、今年僅差でクオリファイを逃した彼が本来の実力を発揮した1日だった。
「面白いと思うよ。もし、友達に聞いたら、僕が子供の頃どれだけ臆病だったかって話すだろうね。昔は臆病者だったんだ。リバーマウスのリップボウルでボディボードをして育ち、本物の波には全く興味がなかった。でも、時間が経つにつれて、徐々に波に慣れていったんだ。本格的にビッグデイで自信を持てるようになったのは、ほんの3年前くらいかな。多分、暴露療法って呼ぶんだろうね(笑)」
暫定2位はメンズ最年少の17歳、カウアイ島出身のレジェンド・チャンドラー(HAW)の48.80。
トレードウィンドが強く、難しいコンディションでイマイ・カラニ・デボルト、ベンジ・ブランドなど強豪ハワイアンが良い波を掴めなかったのを尻目にバックドアのバレル2本とパワフルなターンでスコアを稼いでいた。
暫定3位のイーラ・スチュワート(HAW)はローカルナレッジを活かしてダブルアップしてきたパイプラインを乗り繋ぎ、バックドアではシャンデリアを抜けて19.00と23.00をまとめた。
暫定4位のメイソン・ホー(HAW)は彼らしいトリッキーなライディングを披露。
小ぶりなパイプラインでストレートエア、チョップホップとエアリアルのコンビネーションとバックドアのバレルで目立つ存在だった。
なお、5位以下僅差でファイナル進出の4名は入れ替わる可能性が十分ある。
日本の佐藤魁は12.40で40人中の29位。
まだ2ラウンドのチャンスが残されている。
(空海)