PHOTO: © Rip Curl

マクナマラ親子が語る『THE EDDIE』

40年の歴史で11回目の開催となった『THE EDDIE』

シーズン的には1つ空いたが、2年連続での『THE EDDIE』開催はロス・クラーク=ジョーンズが優勝した2001年、ケリー・スレーターが優勝した2002年以来、2度目となる。

その貴重な『THE EDDIE』を制したランドン・マクナマラはコンテストディレクターを務めたリアム・マクナマラの息子でもある。
ノースショアのレジェンドサーファーで、多くの日本人サーファーをサポートしてきたリアムとランドンのインタビューを中心とした記事が今シーズンからメインスポンサーとなった「Rip Curl」の公式サイトで公開された。

記事ではランドンとリアムの親子関係、そしてこの歴史的な日が彼ら家族にとってどれほど重要なものであったかが語られている。

2024年12月22日。
その日は、マクナマラ家族にとって人生で最も特別な日として記憶されることだろう。

ちなみにこの日は夜明け後の時点で開催の条件である20ftを超えていなく、中止もあり得るという声があった。
しかし、22秒という非常に長い波の周期で午後には確実に良くなるだろうという意見もあった。
そして、正式にコールがされ、オープニングヒートで前回チャンピオンのルーク・シェパードソンが地平線から回り込んできたセットにドロップした瞬間、観客が待ち望んでいた壮大なショーが幕を開けたのだ。

エディのために命を捧げるこの大会は一般サーファーにとって非現実的だが、腐敗する世の中に光を与えてくれる不思議な魅力を持っている。


(今回の『THE EDDIE』を象徴するランドンの一枚)
PHOTO: © Rip Curl

今日、ワイメアベイで感動的な場面が繰り広げられた。
ランドン・マクナマラが父親であり大会ディレクターのリアム・マクナマラの目の前で、名誉ある『Rip Curl The Eddie Aikau Big Wave Invitational』で優勝を果たした。

この伝説的なビッグウェーブ大会は40年以上の歴史の中で、11回目の開催となり、モンスター級の40フィート以上の波の中で行われた。

ランドンは優勝に加え、50点満点を記録して「ベストウェーブ賞」を獲得。さらに大会史上初のグーフィーフッターとして優勝する栄誉を手にした。

「この感じをどう伝えたら良いのだろう。もう10回は泣いた気がする。この場所にいることや、アイカウ家族に感謝している。ギャレット叔父さんと父にも感謝している。そして、エディに感謝する。エディが優勝者を選ぶと言われるけど、僕を選んでくれて本当に感謝しているよ」

ランドンの父リアム・マクナマラは名高いサーファーであり、今年の大会ディレクターとして最もストレスのかかる役割である開催の判断を下す責任を担った。

「開催数日前までエディ級のスウェルになるかどうか分からなかった。予報士たちは誰も『開催すべき』とも『開催すべきでない』とも言わず、結局、自分のスウェルを読む知識と直感を信じるしかなかった。大会を開催するかどうかの決定には、全選手に十分な機会を与えるための一定の大きさの波があるかどうかを確認することが重要。それは難しい決断であり、待つことも必要だったが、最終的には開催を決定した」

リアムがランドンにサーフィンを教えたのは、今回のイベントが行われた場所からほど近い場所だった。

「父親として、この日を超える日があるかどうか分からない。心から生きる時、人生の輪はいつも祝福される。それが私の信条であり、今日、私の家族に戻ってきたのだと思う」

この大会には35人の男性と10人の女性が参加。3本のハイスコアで勝負を決めた。
参加者は現役のレジェンドサーファー、地元ハワイの新星、ビッグウェーブの王者たちが混在していた。

この大会の文化的な重要性は計り知れない。単なる競技を超え、この日はハワイの英雄エディ・アイカウへの生ける賛辞であり、地域社会とハワイ文化への敬意を表すものだった。

「今日は私たちが望みうる最高の日のひとつだった。素晴らしい天気、安定した波。エディの精神がとても強く感じられる。この大会を実現させるための存在であることをとても誇りに思っている。多くのスポンサーや財団メンバーが今日の成功とエディを称える継続的な活動に向けて非常に努力してきたわ。エディは多くの人々を助け、その精神は今も続いている」とエディ・アイカウ財団会長でエディの妹、リンダ・アイカウ氏が述べた。

エディの遺産は家族や今日彼を称えてサーフィンをしたすべての人々によって記憶され、彼がかつて監視したワイメアベイで今も鳴り響いている。

「Rip Curl」はこの象徴的なイベントでアイカウ財団とパートナーシップを結ぶことを光栄に思い、今後も長く成功を収める未来を楽しみにしている。

Landon McNamara Wins Rip Curl The Eddie Aikau Big Wave Invitational
https://www.ripcurl.com/us/blog/rip-curl-eddie-aikau-big-wave-invitational-winner.html

「Surfline」が捉えた『THE EDDIE』

『THE EDDIE』のオフィシャルフォーキャストを務めた「Surfline」がハイライト動画を公開。
「Rip Curl」とは違う視点でクライド・アイカウの言葉を交えながら、勇敢なサーファーによるベストライドをスローモーションで見せている。

この動画には優勝したランドン・マクナマラを始め、ルーク・シェパードソン、ビリー・ケンパー、ジェイミー・オブライエン、イアン・ウォルシュ、ジェイク・マキ、ロス・クラーク=ジョーンズ、ジョーイ・カディズなどが登場。

ワイメアベイでのビッグウェーブライディングは、荒々しいアドレナリンの嵐でありながら、同時に繊細な「数インチ」のゲームでもある。

不規則な岩棚と膨大なスウェルエネルギーとの駆け引きをしながら、自分よりもはるかに大きなボードに乗る。すべての要素が「チャージしろ!」と叫んでいるかのようだ。
しかし、チャージしている最中でも、様々な細かなことが同時に起きている。足元でのボードのわずかな動き、予想以上に風が支えてくれる感覚、描いたシンプルなラインが成功するかしないかなど。

その荒々しさの裏には、深い優雅さと美しさが隠れているのだ。

「信じられない出来事だよ。エディが昨年も今年も行われたなんて、50年の歴史の中で一度もなかったことさ。美しい一日。波は20~25フィートの完璧なコンディション。ワイメア湾からの風も理想的だね。本当にありがとう、エディ。すべてはエディの遺産を生かし続け、未来に向けてその精神を伝えていくためなんだ。エディの海や人生への姿勢を次世代のビッグウェーブライダーたちに受け継ぐことが私たちの使命だよ。私たちは歳を重ねていくが、次の世代のビッグウェーブライダーたちがいることを皆さんに知って欲しい。彼らをメンターとして導き、大切にしていく必要がある。エディの遺産を広げるために、みんなが素晴らしい仕事をしていると思う。
アロハ、そしてハワイの皆さん、州知事や市長をはじめとするすべてのサポートに感謝する。本当にありがとう」

クライド・アイカウ

公式サイト

(空海)

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