F+(エフプラス)
オリンピックの出場選手の最終選考対象になる2021ワールドサーフィンゲームスが予定されているのは2020春だったけど2021へ延期中、それに出場する日本チーム男女各3名のうち、2名はすでに決まっていて、男子が五十嵐カノア、村上舜、女子は都筑有夢路と松田詩野。その残りひと枠をかけての第2回ジャパンオープンが志田で開催されている。出場できるのは強化選手主体の招待選手のみで、基本的にはメディア取材も受け付けない無観客試合。ま、取材したところで休刊中なので、困らないけどw。
男女とも、すでに決まっている上記4名以外は、この試合で優勝しないとオリンピックはない。まぁ、オリンピックそのものもないかもしれないわけだけど……。
ワールドサーフィンゲームスは3人出れるけど、オリンピックはふたりってのがミソかね。五十嵐カノアはCT枠で確定、村上舜にとってかわるには、この大会に優勝して、2021ワールドサーフィンゲームスに出て、上位5名に入るしかない、と私は理解している(いまだにこの選考基準が正確に理解できていない)。
※編集部注:ジャパンオープン男子優勝者が五輪に出場するには、2021ワールドサーフィンゲームスで五輪出場権確定済のCT選手を除く上位5名に入る必要がある。村上舜も上位5名に入る場合には、より上位の選手が五輪に出場することになる。
女子の場合は松田詩野が条件付きでオリンピック決定なので、この大会に優勝したひとりと都筑有夢路でもう1枠を争うことになるんだろうなぁ。2021ワールドサーフィンゲームスで上位7位に入り、かつ松田詩野より上というのが確定ラインなんだろう(しつこいですが選考基準を正確に理解していないので、突っ込まないように)。
※編集部注:都筑有夢路とジャパンオープン女子優勝者が五輪に出場するには、2021ワールドサーフィンゲームスで五輪出場権確定済のCT選手を除く上位7名に入ることが第1条件。どちらか1名が上位7位入りの場合は、その人と松田詩野が五輪に出場。2名とも上位7名に入り、松田詩野がそれ以下だった場合には、この2名が五輪に出場する。3名とも上位7名に入った場合には、そのうち上位2名が五輪に出場する。
そういうわけで最近の志田はセッションが熱い。
まぁ、ズバリ大原洋人の大逆襲かな、と思う。サーフィンが変わった。この試合のない中にいかに努力して自分を高めるかが、大事だったわけだけど、洋人はしっかりそれを成し遂げたと思う。一番大きく違うのは、体重がしっかり足の裏を通して、正確なベクトルとして板に伝わっている、どこにも逃げていない、という部分だ。それはわかりやすく言えば、完全に板をコントロールしきっているように見える、という動作だ。細かい部分でもいくつも進化が見られるけど、一番大きいのはそこかな、と思う。これはシンプルなことだけど、いろんな要素に通じるサーフィンの基幹をなすものだ。
まぁ、あれだけ村上舜にやられて、すべて持っていかれて、消えるか復活大逆襲かで、後者となったのは立派。相当な努力をしたんだと思う。
まぁ、試合はサーフィンの上手い人が勝つわけではないので、だからこの試合を洋人が勝つという話ではないけど、ツアー再開の時にあのサーフィンを持っていければ、クオリファイは今までよりだいぶ現実的かな、と思う。身体が小さいという決定的なハンデはあるにしても、あれならあるかもな、と思った。今までは大原のクオリファイに関しては、個人的には一貫して否定的な意見だったし、サーフィンのここがダメ、という明確な理由があったけど、今はそれが解決した感じ。まぁオリンピック出場なんかにこだわらないで、それはご褒美レベルと割り切って、再開後のツアーに向けて動いたほうがいい。オリンピックにつぶされるアスリートもたくさんいることだし、年齢的にもそろそろ集大成に突入時期ではあると思うので、最終的に何を求めるかを明確にして進むほうがいいかな、と思う。余計なお世話だけど。
世界中には洋人と同じようにこのオフの間に大きく進化した選手もたくさんいるだろうし、その中での戦いなので、何とも言えないけど。世界の進化は本当に見ていないとわからないから。
女子は脇田紗良が面白いかな。洋人みたいに女子の中でずば抜けてどうこうではないけど、私がずっと気になっていた癖のある手も直って、ハンドアクションの可動域が広がった分サーフィンがのびやかになった。この先の進化に期待ができると思う。
フォームって大事。