8月29日、静岡県御前崎で開催されていたQS1,000「OMAEZAKI PRO 2023」が終了。
最終日は台風10号のウネリが入り、朝は肩サイズ。日中は頭まで変化があり、期間中最も大きなサイズ。
前日まであったライトの波はほぼなくなり、レフト中心のコンディションだった。
女子は地元選手のファイナル
女子ファイナルは地元の選手でROXYのチームメイト、更に幼馴染でもある17歳の佐藤李と15歳の池田美来のカード。
ちなみに佐藤李は会場から自転車でも通える距離に住んでいるそうだ。
台風10号のウネリが強まる傾向、風の影響も入るハードコンディションの中、まずはエンドセクションを決めた佐藤李が5.75を出してリードする。
互いに波選びに苦戦する中、中盤に池田美来がテイクオフするが、ターンの後にレールが入り過ぎてしまいワイプアウト。一方、佐藤李は一度パワーゾーンに戻してボトムに降りてからのパワフルなターン、マニューバーで5.25を出してスコアを固め、池田美来をニード6.25に追い込む。
後半、池田美来が難しい波に手を出す中、佐藤李は2マニューバーで6.00とトップスコアを伸ばして差を広げる。
残り時間2分、池田美来は待望の長いレフトを掴み、緩慢なセクションをつないで掘れてくるインサイドセクションも最後までメイク。ニード7.00にジャッジは5.80をコール。佐藤李が逃げ切り、地元同士の対決を制した。
「本当に地元だったので、ずっと優勝したいと思っていて、優勝できて良かったです。SFで息が上がっていたのですが、何もせずに深呼吸して整えていました」
佐藤李は大会にも参加していた地元の三輪紘也のコーチをQFから受けていたが、戦略については、「今日は最初から左に入る切れた波を狙う戦略でした。練習は調子が悪かったので心配なところもあったのですが、ずっと一緒に海に入ってアドバイスをしてくれたので、安心してヒートに挑めました」とコメント。
ファイナルのトップスコア、6.00や池田美来との勝負については、「あの波は2発でしたが、掘れたところには入っていたので、良かったです。ずっとニードが7点あったのですが、美来だったら今回調子も良さそうだったし、7点くらいはすぐに出されるなと思ってドキドキしていました」と答えていた。
佐藤李はこの後、インドネシアの二アスで開催されるQS5,000『Nias Pro』やいくつかの試合、11月にはブラジルののISAワールドジュニアに出場する予定。
伊東李安琉がQS初優勝
男子ファイナルは伊東李安琉と大原洋人のカード。
大原洋人はここまでのハイエストスコアとなる9.00を持ち、伊東李安琉も期間を通してハイスコアを出し続けてきた選手。
両者共に海に入るとスイッチが入り、陸に上がると別人のようにリラックスモードになるタイプだ。
ファイナルで先行したのは伊東李安琉。レフト中心のコンディションでフロントサイドとなる伊東李安琉は開始直後に乗った一本目こそ最後のエアーの着地に失敗したが、その後も次々と波に乗り、早いセクションでもじっくりと板を抑えてフィニッシュまでメイクした波で6.00。更に長いレフトを掴み、8.00を重ねて大原洋人をニード7.51に追い込む。
後半、大原洋人はバックサイドで際どいセクションを狙うが、波とのリズムが合わずにコンプリートできず…。
一方の伊東李安琉はハイスコアを出してから優先権を持ってじっくりとポテンシャルがある波を選び作戦に切り替え、ラスト5分を切ってから長いレフトで5.65。
次の波に乗った大原洋人はグラブレールの深いボトムターンから2つの大きなマニューバー、力の抜けたラストセクションでのフローターも決まったが、6.75と逆転には届かず、伊東李安琉が優勝を決めた。
「久しぶりの優勝なので、とても嬉しいです。御前崎の良いグーフィーでやれたことが一番嬉しいです。対戦相手はCSを回っている日本の中のトップ選手なので、緊張しましたが、自分のできる100%を出せたかなと思っています。作戦通りにいったかなと思います。本当は最初にマニューバーを決めて点を出したら、エアーにどんどんチャレンジしていこうと思ったのですが、思ったより決められなくて…。次はもっとエアーをチャレンジしたいです。前半は時間が経つのが遅くて、後半が早かったので結構気持ちが楽でしたね。優勝できた理由は御前崎で1日目にエボシクラゲに刺されたこと(笑)と、友達の応援とか、ローカルの人がみんな優しくて、それが一番応援になったのかなと思っています。
優勝できてとても嬉しいです。次は二アスのQS5,000に出るので、そこでも応援宜しくお願いします」
次のQSアジアリージョナルはインドネシアの二アスで開催されるQS5,000『Nias Pro』
オーストラリア/オセアニアリージョナルとの併催で9月11日〜17日に行われる。
QS1,000『OMAEZAKI PRO 2023』結果
メンズ
1位 伊東李安琉(JPN)
2位 大原洋人(JPN)
3位トウマ・キャメロン(AUS)、新井洋人(JPN)
5位 安井拓海(JPN)、三輪紘也(JPN)、長沢侑磨(JPN)、佐藤利希(JPN)
ウィメンズ
1位 佐藤李(JPN)
2位 池田美来(JPN)
3位 芳田花瑚(JPN)、鈴木莉珠(JPN)
5位 上門涼風(JPN)、松野杏莉(JPN)、馬庭彩(JPN)、松山黎音(JPN)
「OMAEZAKI PRO 2023」公式サイト
https://www.omaezakipro.com/
(空海)