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S.LEAGUE開幕戦『第28回茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』を制したのは?

42年の歴史があるJPSAからS.LEAGUEに生まれ変わった2024年。

その開幕戦が茨城県大洗町の磯場ポイントで8月21日〜25日に開催された。

S.LEAGUEで変わったこと

JPSAは毎年4月〜10月に開催されていたが、S.LEAGUEは8月から年をまたいで4月まで行われる。

今年度(2024-2025)は大洗から始まり、ショートボードは伊豆、鴨川、バリ島。
ロングボードは茅ヶ崎、千倉で開催され、レギュラーシーズンの上位選手が4月にチャンピオンをかけてのGRAND FINALを戦うWSLと同じフォーマットに変更になった。

更に2025-2026からは今年度のランキングにより、S1とS2の2部リーグに分かれて行われる。

また、公認プロ以外のNSA(日本サーフィン連盟)、NSSA(日本学生サーフィン連盟)と協力してシード枠も用意してアマチュアにチャンスを与える。
出場したアマチュア選手はR3(ショートの女子のみR2)を勝ち上がると公認プロ資格を獲得できる。

選手としては嬉しいことに優勝賞金が上がり、最高額となるショートボード男子は100万円になった。

ショートとロングボードの併催

大洗での開幕戦はショートとロングボードのヒートを交互に行う新たな試みで進行。
磯場ポイントはインサイドの岩が曲者で、潮が引いている時間帯は十分な注意が必要になる。
ショートは毎年この場所で開催されているために多くの選手が慣れているが、ロングは初。
磯場ポイント自体、入るのも初めてという選手が多かったようだ。

序盤、ロングボードでは直前のエントリーでR1から出場した秋本祥坪を始め、田岡なつみの弟、田岡遼平などがハイポイントをスコア。

ショートボードは松原渚生、金沢呂偉、西慶司郎、田中大貴、松永大輝、清水ひなた。
オリンピックシードで出場した稲葉玲王などがスコアを伸ばして目立っていた。

マスターズでは牛越峰統、原田正規、東川泰明などが活躍。

大会中盤

大会中盤、トップシードが出るロングボードR3では今年からLTを回っている浜瀬海を始め、石井乃亜、堀井哲、秋本祥坪、田沼亮、小熊海ノ介、中井晴、武川慎がトップ通過。
特に石井乃亜が8.50を含むトータル13.85でシングル、ヒートスコア共にハイエストを獲得していた。

ロングボード女子はQFからトップシードが登場して吉川広夏、田岡なつみ、古家伸子、大橋寛子がトップ通過。

ショートボードは西慶司郎、稲葉玲王、田中大貴、増田来希、金沢呂偉、塚本勇太、宮城和真、加藤嵐、鈴木仁、堀越類、西優司、堀越力がR5を勝ち上がり、特に西慶司郎、稲葉玲王のサーフィンが際立っていた。
西慶司郎が8.25を含むトータル14.00とシングル、ヒートスコア共にハイエストを揃えた。

ショートボード女子は鈴木莉珠、松山黎音、佐藤李、川合美乃里、中塩佳那、宮坂 麻衣子、川瀬心那、大村奈央がR3を勝ち上がり、ベスト8が決定した。

マスターズ

年々本格化しているJPSAの一時代を築いた選手によるクラスがシニアツアーからマスターズに名称を変更して出場人数も増加。
僅差のヒートの末、河野正和、原田正規、今村厚、牛越峰統がファイナルに残った。

ファイナルデイの磯場ポイントはコシ〜ハラサイズで風の影響が強まる傾向ながら、ライト、レフト共にあるまずまずのコンディション。

序盤は今村厚がステイビジーに波に乗ってペースを掴んでいたが、フロントサイドで7.00を出した原田正規がリード。後半にバックアップスコアも伸ばして主導権を握った。一方、河野正和がバックサイドで8.75をスコア。ニード4.25のシチュエーションで終了間際にセットの波にテイクオフ。7.00を出して逆転に成功した。
河野正和はこのクラスで初優勝となる。

ショートボード男子

ショートボードは男女共にマンオンマン。

男子は西優司、西慶司郎の兄弟対決となった。

兄弟でも戦略は対照的で、2021年、2023年のJPSAグランドチャンピオンでもある兄西慶司郎はどんどん波に乗り、弟の西優司はじっくりと波を待った。
スタンスも西慶司郎はグーフィー、西優司はレギュラー。
スコアが伸びていたレフト狙いの勝負となり、バックサイドでのバーディカルなターンで7.50と7.55を出した西優司が優勝を決めた。

ショートボード女子

ショートボード女子は中塩佳那、川瀬心那がファイナル進出。

序盤から多くの波に乗る川瀬心那に倒して中塩佳那は良いセットを待つ戦略。
8.00と8.50を重ねた中塩佳那がトータル16.50の圧勝。
強い自信がみなぎり、次につながる勝利となった。

ロングボード男子

ロングボードのファイナルは4人ヒート。

男子は今年からLTに参戦している浜瀬海を始め、田岡遼平、森大騎、堀井晢がファイナリスト。
潮が引いて難しいコンディションの中、浜瀬海がハング5からハング10、十八番のソウルアーチまで繋げて9.25と他を圧倒するハイスコアを出し、更に7.20を出して圧勝。
レフトに狙いを絞って6ポイント台を2本重ねた初ファイナルの田岡遼平が追い上げて2位に入った。

浜瀬海は次の茅ヶ崎戦にも出場する予定。
その後、中東アブダビにオープンするケリー・スレーターのウェープールを舞台としたLT第3戦『Abu Dhabi Longboard Classic』と連戦になる。

ロングボード女子

ロングボード女子は今年も田岡なつみ、吉川広夏の2人の争いになりそうな1戦となった。
榊原頼子、大橋寛子を交えたファイナルでも田岡なつみ、吉川広夏のハイスコア勝負となり、田岡なつみが9.25、吉川広夏が8.00。両者共に7ポイント台のバックアップスコアを出し、トータル16.45 vs 15.65で田岡なつみに軍配が上がった。

S.LEAGUE第2戦はショートボードとマスターズが伊豆の多々戸で10月17日〜20日(予備日21日)に開催。
ロングボードは茅ヶ崎パークで9月15日〜16日(予備日17日)に開催される。

『第28回茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』結果
ショートボード男子
1位 西優司
2位 西慶司郎
3位 稲葉玲王、田中大貴

ショートボード女子
1位 中塩佳那
2位 川瀬心那
3位 宮坂麻衣子、川合美乃里

マスターズ
1位 河野正和
2位 原田正規
3位 今村厚
4位 牛越峰統

ロングボード男子
1位 浜瀬海
2位 田岡遼平
3位 森大騎
4位 堀井晢

ロングボード女子
1位 田岡なつみ
2位 吉川広夏
3位 榊原頼子
4位 大橋寛子

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(空海)

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