ステファニー・ギルモア、レイキー・ピーターソンの二人によるタイトル争いが最終戦までもつれ込んだ2018年のウィメンズCT。
ステファニーは優勝が3回、2位が2回。レイキーは優勝が2回、2位が2回。10戦中、ベスト8戦のポイントで争われることを考えると9位が2回あったレイキーにもチャンスはあったが、最終戦『Beachwaver Maui Pro』でワイルドカードのアラーナ・ブランチャードを相手に今シーズン初のR2敗退を喫してしまい、先にR3進出を決めていたステファニーがレイン・ビーチェリーに並ぶ7度目のワールドタイトルを獲得した。
「こんなに早くこの瞬間が訪れるとは予想していなかった。凄いナーバスだったわね。あの激しいヒートでアラーナが勝った…。まだ信じられないわ。友人、家族、その他この舞台に立たせてくれて手を差し伸べてくれた全ての人に感謝したい。両親はオーストラリアに帰ってしまったけど、姉のホイットニーや友人は観戦してくれていたの。それは心強かったわ。スポンサーの’Roxy’の皆んなや、私のキャリアをサポートしてくれている全ての人に感謝したい。WSLがウィメンズにしてくれた一つ一つのことが素晴らしいわ。この波でサーフィンさせてくれたローカル、イベントに携わっている全ての人、コーチのジェイク・パターソン。シェイパーのダレン・ハンドレー、彼は13〜14年間もベストボードを削ってくれている。この全ての人たちの協力がなければ私はやり遂げることが出来なかった。そして、このタイトルをピエール・アグネス(「Quiksilver」の元CEOで今年1月に釣りに出て遭難、消息不明のまま捜査打ち切りになった)に捧げたい」
ステファニー・ギルモア
すでにワイルドカード時代にCTで2勝を上げていたステファニー。
2018年はベルズ、ブラジル、J-Bayで優勝、CT通算29勝はすでにレイン・ビーチェリーを上回っている。
ルーキーイヤーでのワールドタイトル獲得や、4年連続のワールドタイトル獲得などケリー・スレーターでさえも成し遂げていない記録を持っており、30歳で7度目を獲得したということは、まだ更新する可能性も十分にある。
「レインと肩を並べることが出来たのは光栄よ。彼女は私のキャリアの大きなインスピレーションを与えてくれているし、世界中の多くの女性サーファーにとって魅力的な存在。基準を設定してくれたことを感謝する。この7度目のタイトル獲得を満喫するわ。本当に最高よ」
ステファニー・ギルモア
7度目のタイトルを獲得後、SFでマリア・マニュエルとのクロスゲームに敗れたステファニーだったが、「マリアはいつも最高の波を乗っているのよ」と笑顔でマリアを称えていた。
ステファニーを倒したマリアとファイナルを戦ったのは2014年、2015年とホノルアベイで2度の優勝経験があるカリッサ・ムーア。
SFでコートニー・コンローグを相手にリラックスしたバレルライドからビッグターンを披露して9.50をスコアしていたカリッサはファイナルで更にギアを上げ、メンズ顔負けのパワフルなターンでイベント唯一のパーフェクト10を出して圧勝。
ホノルアベイで3度目の優勝を決めた。
「私達にとってシーズン最後のイベントは最高の波に恵まれたわね。今年はワールドイトルレースに絡めなかったけど、それはそれとしてプレッシャーなしで戦えたのは良かったわね。大好きなこの波は私のキャリアの中で本当にいつも重要な関係にある。この優勝は特別よ。家族全員がこの場所にいて人生で最高のコンテストになった一日だった。こんな形でシーズンを終えるなんて…。上手く言葉にならないけど、私は人生の全てを愛しているわ」
カリッサ・ムーア
毎年グッドコンディションに恵まれるホノルアベイだが、今年は今シーズン最大の北西ウネリが入り、BWT(ビッグウェーブツアー)の『Jaws Challenge』が同時開催されたほどで、過去最高の素晴らしい2日間だった。
2018年のウィメンズ・ラストイベントはカリッサ・ムーアが優勝してステファニー・ギルモアが7度目のワールドタイトルを獲得。
2019年のウィメンズCTは4月のゴールドコーストから開幕する。
『Beachwaver Maui Pro』
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 マリア・マニュエル(HAW)
3位 ステファニー・ギルモア(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)
5位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ペイジ・ハレブ(NZ)
2018 ウィメンズチャンピオンシップツアー最終ランキング
1位 ステファニー・ギルモア(AUS) 62,515pt
2位 レイキー・ピーターソン(USA) 54,260pt
3位 カリッサ・ムーア(HAW) 51,150pt
4位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 46,430pt
5位 ジョアン・ディファイ(FRA) 41,555pt
(空海)