Photo: WSL / TIM HAIN

「和井田理央はCT選手半数よりうまい」ミックとロスのディベート第6回 – F+

F+(エフプラス)

なんだかんだと毎日やることがあって、けっこう忙しく暮らしている。
最後に飛行機に乗ったのは昨年2月25日から3月2日のハワイだから、丸1年時差ボケおよび極端な気温差のない生活ができていて、体調がとてもいい。今年は春が早く、庭も一気に春の雰囲気。いつもはオーストラリアで見逃しがちなしだれ梅満開やクリスマスローズ、雲南オウバイ、ボケ、リナリア、雪柳……この人たちは少し春の気配が見えると一気に咲き始める。そしてこいつらが終わればバラの開花がスタート。私と雑草や虫たちとの終わりなき戦いの火ぶたが切って落とされる。
なんだかんだと毎日やることがあって、この先もけっこう忙しく暮らすことになる。

けっこう忙しいので、パソコンにも向かわないので、例のディベートにはどんどんおいていかれ気味だが、そんな私に朗報は2/26日の第7回をもってロスとミックは最終回のようなので、オーストラリアレッグ前には追いつける目星がついた(笑)。

ではラス前の第6回

1:今年落ちてしまったGCとベルズ、どっちがより残念か

ミックは「ベルズ。50年とか60年とかの歴史があるし、イースターといえばベルズ。あの寒さも丘のアップダウンも早朝のカーパークでのおしゃべりも、すべての雰囲気を含んでのベルズの喪失感は大きい」と。
ロスはミックに「リップカールの回し者でしょ」と軽くいなして、「自分もベルズは好きだけど、オープニングイベントとしてはGC。もちろん今年はパイプでスタートしてるけど、誰もがいいサーフィンができるGCは捨てがたい」と。しかしこれに対しミックは「4月のGCを見たら絶対にそうは言わないはず。地形はドン深で波はどうしようもない」と。

私は長年来の友人のいるベルズかな。寒いけど。でもここで面白いのはGCとベルズを俯瞰したCGでのポイント説明。GCのポンプでの砂の移動方法とか、波の入り方とか、すごくわかりやすい。

2:CT選手以外で、誰が世界のベストサーファーか

「和井田理央はCTに入ればこれまでのツアーを覆す存在になる」とロス・ウィリアムス

ロスは和井田理央をあげた。「パワフルで速い。現在のCT選手の半数以上よりうまいんじゃないか」と。

ミックはモリー・ピックラー。セントラルコースト出身の若手女子。16歳以下、18歳以下のオーストラリアタイトル総なめ的な選手で、めったに他のサーファーに関して評しないパーコですらびっくりの実力なんだとか。
ロスは「ジュニア女子ならベティ=ルー・サクラ・ジョンソンだ」と。
「う~ん、どっちもデーン・レイノルズとかじゃないのね」、で笑い。

3:過去のアンディVSケリーのような強烈なライバリズムって最近では誰かな

ミックは「ジョンジョンとガブリエル・メディーナ」をあげる。
ロスは「確かにそこだけど、それは過去のアンディ、ケリーの比ではない」という。
「アンディは、クリーンで優等生のヒーロー・ケリーの時代に突然やってきた爆弾のような存在、彼らはまさに水と油だった。ジョンジョンとガブはライバルだけど友人同士。ガブはルールブックのすべても使うけど、ジョンジョンは才能のすべてを使うだけ。その辺がジョンジョンに毒がなくて、ライバリズムとしては退屈な感じなのかも」というとミックは何年か前のベルズでのジョンジョンとイズキール・ラウの因縁を例に挙げ、「ジョンジョンだってやるときはやる」みたいな。

これね、あの当時ミックはベタでアンディ側、ロスはケリー側だったということを認識して聞いてるとより面白いし、現在もロスはジョンジョン側(コーチだから)、ミックはガブ側(リップカールだから)というバックグラウンドとかもわかっていればより面白いと思う。

それはすなわちアメリカ人とオーストラリア人ってところにも行きつく。サーフシーンでは永遠のライバル人種。ケリーがザ・アメリカだったので、アンディはオーストラリア選手に支持されたのかも。アンディはアメリカ人だったけどオージーが大好きだったし。あの当時は、特にあのパイプのファイナルショーダウンの年は周囲も巻き込んでの大騒ぎだったな。ショウミーフラッグ的な。アンディケリーの話はそのうちゆっくり書こうかな、と思う。思い起こせばいくらでも書くことがある。

ロスの指摘するジョンジョンの退屈さ、ってけっこういいところついてると思う。

4:今シーズンの新会場、ナラビーン、ニューキャッスル、ロットネストアイランドじゃ誰が良さそうか。

ミックは「ロッドネストアイランドはマーガレットリバーに似た感じのリッパブルなレフト。ナラビーンもレフト。よってガブやイタロなんかのグーフィー組が有利なんじゃないか。とにかくそれらの波をいち早く自分のものにしたもん勝ち」と。

ロスは「新しい会場、モチベーション、その他今シーズンは変更による対応が大変なので、今までツアーに慣れていた選手より何もないスタートのルーキーが有利かも」と。
私は、QSクラスのビーチブレイクの波に慣れてるもん勝ちかなぁと思う。

F+編集長つのだゆき

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