F+(エフプラス)
もう8月も終わりですね。
はやいなぁ、今年もあと残り4か月って……お気に入りの疑似リタイア生活は続いているので、毎日判で押したように正確なルーティンをこなしている。動物がいるとそういうことになりがちだ。朝明るくなったらお散歩、夕方は暗くなる前にお散歩、季節によって人間の決めた時刻での時間は変わるが、時計のない時代の明るくなったら起きて暗くなったら寝る生活に近い。春はあけぼのようよう白くなり行くやまぎわ……的な、薄明るくなると目が覚める、は夏も冬も変わらないけど、6月ぐらいはそれが朝4時ごろだったけど、今は5時ぐらいと、もうだいぶ日が短くなってきている。その辺で季節の移ろいを感じる生活。時差ボケとは無縁の生活。幸せだな、私。
さてまたもや質問いただきました。
「WSLチャンピオンシップ・ツアー(WCT)の歴史上初めて、2021年の世界チャンピオンは、『リップカールWSLファイナル』としてワンディ・ウィナー・テイク・オール・イベントで決定される」とありましたが、発表されたフォーマットを見ると、ガブやカリッサにとって必ずしも有利ではない(体力的には有利)と思うのですが、その日の波の掌握や試合のリズム、tacticsなどを含めてユキさんとしての私見をお聞かせください。
素人の私の意見としては、ファイナルの1つまたは2つ前の試合の勝者が一番いい感じでファイナルに臨める様な気がするんですよねぇ。
これは6月末ごろのコラムで取り上げた、ストライダー・ワズルスキーとカイポ・グレロのディベートの中で話されてたと思う。
カイポは質問者と同じ意見で、2位ぐらいの選手がウォーミングアップとしてのラウンド3もやれるし、ラウンド4に満を持して臨めるから、そっちのほうが有利という意見だったと思う。対するストライダーは、やはりそれでも一度は負けが許される1位が有利だという意見だったと思う。
私も先に1ヒートやって波の状況とかわかってたほうがいいかなと思う部分もあるけど、やはり試合というのは取りこぼしのリスクが必ずあるので、ラウンド4まで行くのに一度たりとも取りこぼせないというのは、だいぶ危険なのかな、と思う。
メンズのほうを例にとれば、ファイナルズではまずラウンド1がモーガン・シビリック対コナー・コフィンで1ヒート。この両者のうち勝ったほうがラウンド2でフィリッペと対戦、その勝ったほうがラウンド3でイタロと対戦、そしてその勝ったほうがラウンド4でガブと3ヒートやって、先に2ヒート勝ったほうがタイトルということになる。ラウンド4だけ3ヒート設定。
まぁ、ひとつひとつ確実に勝たなければいけない緊張感のリズムが作れている下の選手が有利というのもわかるけど、3ヒートで2勝すればいい、というツーチャンスあるほうがやっぱいいかな、と私は思う。もちろん勝ち上がってきた選手もラウンド4では同じ条件だけど、そこまでくる課程で取りこぼしが許されないというのはきついかな、と。まぁ、ラウンド1で勝ってその勢いのまま進む、ってのもあるだろうけど、サドンデスと3ヒートで2勝の差は大きいかなと思う。
この上位陣、特にガブやイタロにとって、その日のコンディションに慣れる、という作業なんて必要ないように思える。どんなコンディションにでも対応できるし、いつでもどこでも飛べるし(笑)。なんか彼らを見ていると、一昔前のサーファーの、今日は波がこうだからこう、みたいな感覚じゃなくて、海に入って、来た波をどう料理するか、どう対応して、どうマキシマイズしてポイントを稼ぐか、みたいな感覚でやっているように見える。モーガンの狙いすまして選んだ波でどうこう、とは対極の戦い方だ。別になんでもないミドルの波で8点、9点を出してくる強さなので、コンディションの掌握とかとは異次元の世界でやってるのかな、と思う。なので私はやっぱりストライダーと同じく、1番が有利だと思う。直前のヒートを見てられるってのもあるし。