『Founders’ Cup of Surfing』のファイナルデイリポート。
『Founders’ Cup of Surfing』初日に続き、現地特派員としてTHE SURF NEWSに協力を頂いているカメラマン「スティーブ・シャーマン」の写真を交えてお伝えします!
2020年東京オリンピックを意識して開催(ISA会長のフェルナンド・アギーレ氏が視察に来たことで更に濃厚になった)されたWSL初のリージョナル対抗のチーム戦『Founders’ Cup of Surfing』
サーフィン界のキング、ケリー・スレーターが10年の歳月をかけて創り出したウェーブプール「サーフランチ」を舞台にライブ中継で世界中に配信されたこの歴史的なイベントはケリーが最後に逆転の可能性を残してパフォーマンスを披露。
それも9.28をスコアすれば3位からブラジルとタイのサーフオフに持ち込めるという重要なシチュエーション。
11度のワールドチャンピオンを獲得、46歳にして未だ現役のケリーは会場に集まった約5千人の観客をあおり、会場は熱狂に包まれていた。
ライトの波でターンから長いバレルをメイクした後、アメリカチームを優勝に導くためにはエンドセクションでのエアリアルが必要だったが…。
「大成功だったと思うよ。サーフィンを知らない人からハードなサーフィンファンまで全ての人が楽しい時間を過ごしていたよね。この波だからこそ分かりやすいし、沢山の笑顔があったと思う。他のチームは後半にかけて良くなり、僅差になった。ファイナルの計画は更に良くなったよね。自分の番が回って来た時、ブラジルに並ぶチャンスか、もしくはワールドが優勝するかのどちらかという面白いシチュエーションになったんだ。彼らの戦いぶりは素晴らしかったし、全てが各国の代表にふさわしかった」
ケリー・スレーター
「サーフランチ」で9ポイントを出すにはこのエンドセクションの処理が重要だった。
唯一のパーフェクト10をスコアしたブラジル代表のフィリッペ・トレド、ファイナルのアンカーを務めて9.27を出したワールド代表のジョーディはアーリーウープをメイクしていたし、ファイナルのハイスコア9.67を出したブラジル代表のガブリエル・メディナは多くの観客が10ポイントのカードを掲げたほどの完璧なパフォーマンスをしていた。
ファイナルはヒート毎の順位によってポイントが加算されるフォーマットで、ワールド代表の五十嵐カノア、ジョーディが1位になり、見事に優勝を決めた。
「チームとしての優勝、素晴らしい気分だね。この数日は波乱含みだったけど、それを上回るほど来たかいがあったよ。この週末はチームと話し合い、ファイナルデイは悔いも無かった。今回は全てのことを皆で楽しみ、それが勝利に結び付いたのさ。私達のチームは勝ち目がないと思われていた。その決意で戦ったんだ。皆で一つになり、お互いを信頼して協力し合ったんだ」
ジョーディ・スミス
コンテストのハイエストスコアを出した選手に贈られる『Jeep Best Ride Award』はフィリッペが受賞。
スポンサーのJeepが贈呈された。
「サーフィンの未来の舞台にブラジル代表として参加出来たことは名誉さ。ガブリエル、ジョン・ジョンとチームでサーフィンすることの素晴らしさを語ったんだ。チームが一致団結して他のメンバーを全力で支える。この素晴らしい経験を忘れないよ」
フィリッペ・トレド
最も進歩的なエアリアルをメイクした選手に贈られる『Quiksilver Best Air Award』は予選ラウンドでテールハイ・エアーリバースをメイクしたジョン・ジョンが受賞し、サイモン・アンダーソンの歴史を変えた1981年のスラスターのレプリカが贈呈された。
『Founders’Cup of Surfing』
1位 ワールドチーム
2位 ブラジルチーム
3位 アメリカチーム
4位 オーストラリアチーム
5位 ヨーロッパチーム
(空海)
COVER PHOTO:© Steve Sherman