2019年にデヴォン・ハワードがツアーディレクターに就任してから一新したWSLロングボードツアー。
今シーズンは2020年2月の『ヌーサ・ロングボードオープン』、サーフランチで終了したばかりの『クエルボ・サーフランチ・クラシック』、マリブを舞台に10月3日〜13日のウェイティングピリオドで開催される最終戦『ジープ・マリブ・クラシック』の3戦でワールドタイトルが決まる。
サーフランチではフランスのエドゥアルド・デルペーロ、ウィメンズはハワイのホノルア・ブロムフィルドが優勝したが、このイベントを見ていたロガーは何か不自然だと感じただろう。
そう。
全ての選手がリーシュコードを付けていたのだ。
デヴォン・ハワードがツアーディレクターに就任してから変化したことの一つとしてシングルフィンを使用するというクラシック回帰があげられる。
これにより、ジョエル・チューダーがツアーに戻り、ヌーサのハリソン・ローチがツアーに参加するようになったのだ。
日本ではタブーとなっているので、言及を避けるが、ヌーサやカリフォルニアのマリブ、サンオノフレなど海外のロガーが集まるスポットでリーシュコードを付けるのはビギナーだけ。
もちろん、ボードが流されることもあるが、それが当たり前であるがゆえにスマートにやり過ごす。
ツアーでもフリーサーフィンはもちろん、サーフランチ以外のイベントで彼らがリーシュコードを付けることはほとんどない。
ショートボードと違い、サーフボードの上をウォーキングしたり、ダンスのようなステップをするトラディショナルなロングボードでリーシュコードを付けることはナンセンス。
そもそも彼らのロングボードにはリーシュコードを付けるプラグさえも最初からない場合が多いのだ。
サーフランチでリーシュコードが必要な理由
では、何故サーフランチのイベントで全ての選手がリーシュコードを付けていたのか?
その件について海外メディアのStabが以下のような見解を述べている。
ケリー・スレーターが約10年費やして完成させ、現在はWSLが億の単位で投資をしているサーフランチは維持費だけでも相当なコストがかかっている。
もし、彼らがボードを流してプールを破壊してしまうと相当な額の修理代がかかるし、問題が解決されるまでイベントが中断されてしまう可能性もあるので、サーフランチではリーシュコードを付けるように選手にお願いをしている。
これによってトラディショナルなロングボード文化のショーが傷つけられたとしても、それは仕方ないことなのだ。
その束縛のおかげでイベントは無事に終了したし、優勝したホノルアはリーシュを付けたままスイッチスタンスでの長いノーズライドや、バレルライドを披露してイベントで唯一のパーフェクト10を出していた。カシア・ミーダーは「リーシュを付けたことでスイッチスタンスは難易度が上がっている」と解説していた。
なお、次のマリブ戦『ジープ・マリブ・クラシック』は10月3日〜13日のウェイティングピリオドで開催。
WSLがここでリーシュ着用の義務を課すことはないだろう。
(黒本人志)