カリフォルニア・ピズモビーチで開催されていたISAのパラサーフィンイベント『2020 AmpSurf ISA World Para Surfing Championship』が12月11日に閉幕した。
日本代表は、高尾千香子(PARA SURF STAND 1)と藤原智貴(PARA SURF PRONE 2)がカッパーメダルを見事獲得した。
「日本のパラサーファーの層を厚くしたい」STAND1 4位入賞 高尾千香子
上肢切断または先天性または障害などで立位で波に乗るSTAND 1部門でカッパーメダルを獲得した高尾千香子は、大会後自身のInstagramで「初戦は雰囲気にのまれて、焦った試合運びをして後悔しかなかったですが、次の試合は点数は出せずに悔しい結果ではあるものの、しっかりプライオリティも使ってセットを待てました。」と振り返った。
また「わたしも更に強くなるし日本のPara Surferの層も厚くして2028 ParalympicでSurfingが正式種目になった際にはTeam Japanでメダル取りたい!日本の環境を良くするアイデア&サポートあったら教えてください!」と今後の抱負も語った。
2度目のメダル受賞 PRONE2 藤原智貴
PRONE2(水中での支援が必要な腹ばいで波に乗る)部門に出場した藤原智貴は、3度目の日本代表。34歳でサーフィン中の事故により頚髄損傷となり車いす生活となったが、その後もサーフィンがやめられず、世界大会にも参加するようになった。現在はパラサーフィンと介助犬の認知度向上にも力を注いでいる。
2017年大会に続き2度目のカッパーメダル獲得となった彼は、大会後に「沢山の応援ありがとうございました!結果は4位copper(銅)メダルでした。決勝に残ったのにチャンスを活かせませんでした。まずは無事に日本へ帰ってから、また出直して頑張ります!!」と自身のSNSで振り返った。
団体は、ホームのアメリカが金。銀はスペイン、銅にはブラジル、カッパーメダル(4位)は今大会で初メダルを獲得したコスタリカ。日本は24カ国中9位に入った。
今大会では7人の新しい世界チャンピオンが誕生し、また9人の歴代世界チャンピオンが金メダル獲得数を伸ばし、コメントを寄せている。
「ベテランであることは常に誇りに思っているが、これは究極のレベルなんだ。これから始まる新しいスポーツのために国を代表することはとても壮大なことで、私たちだけでなく世界の人々にとっても意味のあることになると思う。感謝しているし、とても光栄に思っている。」
藤原と決勝を戦ったProne2部門 金メダリスト ホセ・マルティネス(アメリカ)
「ウィメンズの選手たちはみなチャージしていて、それを見るのが大好きなんです。これからもアダプティブサーフィンのレベルを上げていくことになると思います。」
3大会連続Kneel部門 金メダリスト ヴィクトリア・ファイガ(カナダ)
「今年、この大会に参加できなかったすべてのチームに捧げたい。この金メダルは君たちのためにあるんだ。」
通算6つ目の金メダルを獲得したProne 2 ブルーノ・ハンセン(デンマーク)
ISAアギーレ会長も次のように述べ、パラリンピックへのサーフィン競技参加を踏まえながら今大会の成功を締めくくった。
世界のトップパラサーファーがISAワールドチャンピオンシップに集まることは、とても重要なことです。
まず第一に、実際の競技者とその家族や友人にとって。
第二に、世界中の何千何万というパラサーファーにとって。
第三に、今日、何らかの理由でサーフィンをしていない、さまざまな能力を持った人たちのために。
そして最後に、不可能なことは何もないということを思い出す方法として、世界の他の人々のために。パラサーフィンは、パラリンピックの競技種目としてふさわしいものです。オリンピックに参加するのと同じくらい難しいことであると私も知っています。2日前、IOCの執行理事会が、サーフィンをオリンピックの常設種目とすることを決議したので、今後パラリンピックでサーフィン競技が開催されるまでの道のりが、少し楽になったかもしれないですね。
最後に、私の最大の希望をお伝えしたいと思います。この大会が、世界の人々に希望をもたらすことを願っています。サーフィンとパラサーフィンを通じて、世界をより良いものにすること。
ありがとう、ピスモ。
ISA会長フェルナンド・アギーレ
平和と愛とサーフィンを!!!
(THE SURF NEWS編集部)
ISA公式サイト:https://isasurf.org/event/2021-pismo-beach-isa-world-para-surfing-championship/