ツアー中盤でタイトル争いよりも注目されているミッドシーズンカット。
これには賛否両論あったが、WSLは発表したフォーマット通り、メンズはトップ22、ウィメンズはトップ10だけ後半戦に進み、残りの選手をカットするようだ。
現在、ウェスタンオーストラリアのマーガレットリバーで開催中のCT第5戦『Margaret River Pro』の結果でいよいよカットされる選手が決定するが、すでにQFまで進んだウィメンズは次々とカットされる選手が発表されており、その中には意外な選手も含まれている。
CT歴14年のサリーが脱落
2010年にツアー入りを果たしてから数年を除くと毎年タイトル争いに絡み、東京オリンピックサーフィン競技にオーストラリア代表として出場していたベテランのサリー・フィッツギボンズ(AUS)がRound of 16でジョアン・ディファイ(FRA)に敗れた時点でカットが決定した。
「ヒート開始時には勢いがあったと思ったわ。ジョアンにチャンスはないと思っていたのに、彼女は8ポイントを出してしまった。これは常に予想出来ないサーフィンには良くあることよ。ここマーガでは良い時間を過ごしたけど、これからは別のことに焦点を移さないとね。頑張るわ」
サリー・フィッツギボンズ
サリーがCTに返り咲くには5月4日からゴールドコーストで開幕するCSのシリーズ戦に参加して上位6名に入らなければいけない。
QSと比べてクオリティが高く、ゴールドコースト、フランスなどCTでも使用されていた会場があり、経験豊富なサリーは有利でもあるが、アスリートとしては決して若くない31歳という年齢を考えるとCSからやり直すかは定かではない。
サリーの他、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、ルアーナ・シルヴァ(HAW)、インディア・ロビンソン(AUS)、モリー・ピックラム(AUS)と4名のルーキーが早くもツアーから脱落。
メンズの方もルーキーがカットラインの危険な位置に多くいることを考えてもミッドシーズンカットはツアーに慣れる前のルーキーにとって酷なフォーマットと言えるだろう。
ステファニーが残る
今回のミッドシーズンカットにはサリーの他にもステファニー・ギルモア(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)などのベテランも危険なライン上にいた。
コートニーはSF進出、ステファニーはQF進出を決め、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ジョアン・ディファイ(FRA)も含めてカットを免れることになった。
「本当にストレスが溜まる状況だったから、カットを免れて嬉しいわ。ヒート前に知ったので、肩の荷を下ろしてサーフィンをしたかったけど、波数が少なくてそのチャンスはなかった。あのようなヒートは笑うしかない。ブロンテとエクセレントなスコアでバトルしたかったのに、そうはいかなかったわ。もう少しブロックすることも出来たけど、最終的に彼女が勝った。ブロンテがここで良い成績を収め、CT後半戦に出場するのを見たいわ。マーガレットリバーは大好きよ。オーストラリア本来の姿と感じるし、ここに戻ってこれて嬉しい」
ステファニー・ギルモア
残り2枠の行方は?
前記の選手の他、ベルズ戦の結果によってカリッサ・ムーア(HAW)、タイラー・ライト(AUS)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、レイキー・ピーターソン(USA)の後半戦進出がすでに発表されており、残り2枠はマリア・マニュエル(HAW)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)、イザベラ・ニコルス(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS)の4名で争われる。
ガブリエラ、イザベラ、ブロンテはSFに残っている一方、現在ランキング7位のマリアは他の選手の結果に委ねられることになる。
なお、CT第5戦『Margaret River Pro』は5月4日が最終日。
メンズはRound of 32以降、ウィメンズはSF以降が残っており、残り2日間で一気にクライマックスを迎える。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)