(トロフィーはシドニーの象徴であるハーバーブリッジがモチーフ) PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

和井田理央&テレッサ・ボンバロが優勝!CS第2戦『GWM Sydney Surf Pro』

2022年のCTは5月にマーガレットリバーでの第5戦『Margaret River Pro』が終了して暫しの休暇の後、インドネシアのG-Landから後半戦に入る。

ミッドシーズンカットによってメンズ24名、ウィメンズ12名に選手が絞られ、WSLが目指していた1スウェルで1イベントを行うコンパクトなツアーがようやく実現する。

ミッドシーズンカットによって落とされた選手はCS(チャレンジャー・シリーズ)に振り分けられ、全8戦のCSツアーを回って2023年のクオリファイを目指すことになる。

数年前までCTの開幕戦の舞台だったスナッパーロックスで行われたCS開幕戦『Boost Mobile Gold Coast Pro』ではジャック・ロビンソン&イザベラ・ニコルスと母国の選手が制したが、第2戦のマンリーを舞台とした『GWM Sydney Surf Pro』では他国のダークホース的な選手が優勝を決めた。

メンズはインドネシアの和井田理央

(CS初優勝の和井田理央) PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ロングボードのワールドツアー開幕戦『Sydney Surf Pro WLT』が併催された今回のCSはリーフブレイクのスナッパーロックスと一転してビーチブレイク勝負。
それでも過去にコーククラシックなどのCTイベントが開催されたマンリーの波はクオリティが高く、見応えあるイベントになった。

現地時間5月24日に迎えたファイナルデイは全てのディビジョンがクライマックスとなり、メンズは和井田理央(IND)がミッドシーズンカットでCS落ちしたライアン・カリナン(AUS)を相手に9.50を含むトータル17.73で圧勝した。

(特にバックハンドが冴えていた今回の和井田理央)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
(ライアン・カリナン)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

和井田理央は前日に元CT選手のマイケル・ロドリゲス(BRA)とのヒートでも勝負強さを見せており、昨年より更に優秀なコンペティターとして成長している。
東京五輪にも出場した彼の目標はあくまでCT入りであり、今回の優勝は通過点でしかない。

「優勝出来て本当に嬉しいけど、自分にとっての仕事はまだ終わっていない。今年の目標はエリートとなるWSLのチャンピオンシップツアーにクオリファイすることさ。だから、この大きな結果を重ねないといけない。今週末から始まるホームのインドネシアでのG-Landイベントも楽しみなんだ。自分のサーフィンの能力は、世界最高の選手と戦い、世界最高の選手になるためにある。ハードなトレーニングを積んできたし、これからもトレーニングを続けて向上していくつもりさ。今日は僕とインドネシアにとって素晴らしい日だね」

和井田理央は5月28日〜6月6日にインドネシアのG-Landで開催される『Quiksilver Pro G-Land』にワイルドカードとして出場することが決定している。
3度目のCTワイルドカード獲得はWSLとQuiksilverの期待の表れだ。

ウィメンズはポルトガルのテレッサ・ボンバロ

(ポルトガルのテレッサ)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ウィメンズはSFでキアラ・トモダ・バネット(HAW)を倒したポルトガルのテレッサ・ボンバロがファイナルで元CT選手のニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)と対戦して終始リードの末に勝利。

ヨーロッパのウィンメンズでは有数のコンペティターである彼女はQSのキャリアこそ長いものの、まだ22歳。
和井田理央と同じオリンピアンであり、今回の優勝で長年の目標であるCT入りに大きく前進した。

「ここで勝てたことは本当に素晴らしい。オーストラリアに来るのは大好きだし、パンデミックの前にもここで良い結果を残している。だから、ここに戻って来て勝てたことは本当に嬉しいわ。私のキャリアでも大きな一勝よ。ポルトガル人の応援も素晴らしかった」

なお、メンズのクオリファイラインは10位、ウィメンズは5位。
和井田理央は2位、テレッサは3位とクオリファイ圏内までランキングを上昇させている。

(メジャーイベント初勝利のテレッサ)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

脇田紗良、前田マヒナが9位

(脇田紗良)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

和井田理央と同じアジアリージョナルの日本枠は稲葉玲王、大原洋人、上山キアヌ、脇田泰地。
ウィメンズは脇田紗良、都筑有夢路、野中美波、松永莉奈、前田マヒナ。

今回はRound of 16まで進出した脇田紗良、前田マヒナが9位でフィニッシュ。
ランキングでは脇田紗良、前田マヒナが共に19位で最高位。

メンズはRound of 48まで進んだ脇田泰地の37位が最高位で、ランキングでも脇田泰地の52位が最高位だ。

CSは全8戦中、上位5戦の結果でランキングが決まるため、まだ十分にチャンスはある。
次のCS第3戦『Ballito Pro』は南アフリカのバリートで7月3日〜10日に開催される。

CS第2戦『GWM Sydney Surf Pro』結果
1位 和井田理央(IND)
2位 ライアン・カリナン(AUS)
3位 ジェット・シリング(USA)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
5位 ブロンディ・セール(HAW)、イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)、ケイド・マトソン(USA)、デイヴィッド・シルヴァ(BRA)

ウィメンズ
1位 テレッサ・ボンバロ(PRT)
2位 ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)
3位 キアラ・トモダ・バネット(HAW)、ソフィア・マックローチ(AUS)
5位 ルアーナ・シルヴァ(HAW)、アリッサ・スペンサー(USA)、サラ・バウム(ZAF)、ケイトリン・シマーズ(USA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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