トップ5でワールドタイトルを決める『Rip Curl WSL Finals』を除くと最終戦となる『Outerknown Tahiti Pro』が8月11日〜21日に開催。
舞台は2024年パリオリンピックの会場でもあるタヒチのチョープー。
浅い棚で割れる巨大なバレルはCT選手でさえ全てを捧げないと地獄を見るツアーで最も危険な波の一つである。
2021年はパンデミックにより止む無くキャンセルされたこのイベントの開催を待ち望んでいたファンも多いだろう。
ギャビー、JJF、コロヘが欠場
すでに公表されているヒート表によると6月に開催されたブラジル戦でエアーに失敗、サーフボードがヒットした左膝のMCL(内側側副靭帯)にグレード2から3の損傷を受けたガブリエル・メディナは今回も欠場。
G-Land戦の後に左膝のMCL断裂を発表して3戦欠場が続いたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は久々に復帰する予定だったが、直前にキャンセルされた。
CTに加えてCSの『Vans US Open of Surfing』でも早期敗退と絶不調のコロへ・アンディーノ(USA)は理由を明かさずに欠場を発表している。
リプレイスメントはヤゴ・ドラ(BRA)と「Outerknown」のスポンサー枠で元CT選手のネイザン・ヘッジ(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)が入る。
ワイルドカード1枠はローカルトライアルの勝者。
(8月10日更新の情報によるとカウリ・ヴァーストが優勝してワイルドカードを獲得)
ウィメンズは欠場者なしでワイルドカードはヴァヒネ・フィエロ(FRA)が3度目のCT出場権を得ている。
ヴァヒネはチョープーのローカルであり、最も危険なワイルドカードとして開催前から注目を集めている。
開幕前の勝敗予想はカリッサが人気だが、この数字以上に白熱したヒートになることが予想される。
16年ぶりにタヒチのウィメンズイベントが復活
タヒチのウィメンズイベントは2002年から6年間開催されていた。
2000年、2002年、2003年は現在BWTで活躍しているケアラ・ケネリー(HAW)が優勝。
3度の最多優勝記録を持っている。
2001年はレイン・ビーチェリー(AUS)、2004年はソフィア・ムラノヴィッチ(PER)、2005年はチェルシー・ヘッジ(AUS)、2006年はメラニー・レッドマン-カー(AUS)が優勝している。
2006年以降は安全上の理由からウィメンズツアーから外され、物議を醸したが、ケアラが2015年にコードレッドのウネリを追いかけ、人生最大で最高のバレルをメイクしてウィメンズサーフィンの基準を引き上げた。
2024年パリオリンピックに続く道
今回、ケアラは出場しないものの、彼女の功績は計り知れない。
チョープーの波はウィメンズにも乗れると身をもって証明したのだ。
最近では2019年にタティアナ・ウェストン・ウェブがメンズの開催前のセッションに参加しているし、若い世代では19歳のキャロライン・マークス(USA)が2022年初めにチョープーに訪れ、写真や映像を残している。
キャロラインは「超ヘビーな波だけど、それが私たちのスポーツが向かう方向よ」と話す。
2024年パリオリンピックまで2年。
今まで避けていたチョープーにまずCTが戻ったことでウィメンズサーフィンの未来は大きく前進することだろう。
『Outerknown Tahiti Pro』は8月11日〜21日に開催される。
この一戦でトップ5が決まり、秋の『Rip Curl WSL Finals』でワールドタイトルが決定する。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)