ミゲル・プーポ＆コートニー・コンローグが優勝！五十嵐カノアがトップ5入り！CT最終戦『Outerknown Tahiti Pro』

2020年に2024年パリ五輪の会場として正式承認されたタヒチのチョープー。
コロナ禍で中止が続いたこともあり、正式承認後初のCTイベント『Outerknown Tahiti Pro』が開催され、現地時間8月19日に終了。
CT後半戦はミッドシーズンカットによって選手数が絞られ、ヒート数が少なくなったことでWSLが理想としていた1スウェルで全てのスケジュールを消化した。

ファイナルデイは公式6-8ftレンジ。
ウネリがピークを迎えた前日は命がけのチャージが必要だったが、この日はサイズダウン。
セットが入らずにリスタートされたヒートもあり、ポジショニングと波の選択が勝負の鍵を握っていた。

五十嵐カノアが「Rip Curl WSL Finals」進出

すでにファイナルデイ前日のニュースでお伝えしたが、日本の五十嵐カノアがRound of 16でジャドソン・アンドレ(BRA)に追い込まれながらも終了間際に最高のバレルをメイクして大逆転。
この勝利でトップ5でワールドタイトルを争う「Rip Curl WSL Finals」進出が決定した。

ファイナルデイではQFでミゲル・プーポ(BRA)に敗退したが、イベント前に決意表明した通り、侍のメンタリティで次の戦いに気持ちを切り替えると公言していた。

ミゲル・プーポがツアー11年目で初ファイナル、初優勝

メンズサイドでは開幕戦に続きの優勝まであと一歩だったケリー・スレーター(USA)の活躍や、ワイルドカードのカウリ・ヴァースト(FRA)の快進撃、リプレイスメントで参加したネイザン・ヘッジ(AUS)の現役CT選手を捻り潰すチャージが注目を集めていたが、最後はすでにベテランの域に入っているミゲル・プーポ(BRA)の感動的な優勝で幕を閉じた。

「CTイベントで優勝するのに10年もかかった。CSでは優勝していたし、今年こそはCTで優勝して努力が報われるようなトロフィーが欲しいと思っていたのさ。愛する家族にこのトロフィーを持ち帰る。みんなありがとう！」

今年はコーチにエイドリアーノ・デ・スーザがついたことで11年目のキャリアで最高の結果を重ねていたミゲル。
最終戦では初ファイナルにして初優勝を決め、ランキングも6位と自己最高記録を遥かに更新した。

コートニーがCT通算13勝目

ウィメンズサイドは最初にQFで感動的な場面があった。

最後までトップ5を争ったブリッサ・ヘネシー(CRI)とレイキー・ピーターソン(USA)の直接対決があり、ブリッサが小さいながらテクニカルにバレルをメイクして「Rip Curl WSL Finals」進出を決めた。
ラインナップにいた家族とこの大切な勝利の喜びを分かち合ったブリッサ。パンデミックの最中、ナモツ島に長い間滞在してこのバレルの経験を積んだことが報われた瞬間だった。

優勝はブリッサを相手にファイナルで最高のバレルを見事にメイクしたコートニー・コンローグ(USA)で、2019年のベルズ戦以来、CT通算13勝目を決めた。

「久々の優勝は最高ね。難しい年だったわ。この波は神秘的で大好きだし、この優勝はラッキーだった。イベント中、チャージを続けていたブリッサとファイナルを共有出来たことは素晴らしいわね。私にとっては理想的な形で一年の最後だった。この優勝は全ての友人、家族、スポンサーのおかげ。タヒチのイベントを復活させてくれたWSLにも感謝しているわ」

ハワイから始まった2022年CTはこれで終了だが、ワールドタイトルはこれから決まる。
9月8日〜16日にローワートラッセルズで一日限りのイベント「Rip Curl WSL Finals」が開催。
日本の五十嵐カノアの初タイトルなるか？

『Outerknown Tahiti Pro』結果
1位 ミゲル・プーポ(BRA)
2位 カウリ・ヴァースト(FRA)
3位 ケリー・スレーター(USA)、カイオ・イベリ(BRA)
5位 マシュー・マクギリヴレイ(ZAF)、ヤゴ・ドラ(BRA)、ネイザン・ヘッジ(AUS)、五十嵐カノア(JPN)

ウィメンズ
1位 コートニー・コンローグ(USA)
2位 ブリッサ・ヘネシー(CRI)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)
5位 キャロライン・マークス(USA)、ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)

2022年「Rip Curl WSL Finals」進出のトップ5
1位 フィリッペ・トレド(BRA) 54,690pt
2位 ジャック・ロビンソン(AUS) 51,345pt
3位 イーサン・ユーイング(AUS) 44,290pt
4位 イタロ・フェレイラ(BRA) 40,460pt
5位 五十嵐カノア(JPN) 40,270pt

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 57,670pt
2位 ジョアン・ディファイ(FRA) 50,220pt
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 48,695pt
4位 ブリッサ・ヘネシー(CRI) 48,085pt
5位 ステファニー・ギルモア(AUS) 46,370pt

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)