インド洋に浮かぶモルディブは初めてのボートトリップの行き先として日本人サーファーの間でも一時ブームになったほど。
そのモルディブで10周年を迎えるフォーシーズンズ主催のコンテスト『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』が3年ぶりに開催され、ケリー・スレーター、ロブ・マチャド、ロス・ウィリアムス、テイラー・ノックス、シェーン・ドリアンとモーメンタム世代の主要メンバーが勢揃いした。
彼らの全盛期は20年ほど前で、現在は48歳〜51歳だが、ケリーはまだ現役CT選手で活躍しており、その他のメンバーもお腹は多少出ていても、サーフィンのスタイルは変わらずだった。
なお、今回はローカル代表としてフセイン”イブー”アリーフが参加。
モルディブは波が良いだけにローカルのレベルも高く、イベントを盛り上げていた。
『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』はシングルフィン、ツインフィン、スラスターの3部門が行われる異色のイベント。
2019年はジョシュ・カー、ジョエル・パーキンソンなどが参加していた。
意外にもケリーはモルディブに訪れるのは初めてだったとか。
今回はそれぞれの部門のダイジェストをお伝えする。
シングルフィン部門
8月24日にライトオンリーのアウターリーフ、サルタンで開催されたシングルフィン部門は50歳にしてCT現役のケリーが優勝。
4-6ftレンジのパーフェクトなコンディションで最後はシェーンと争い、シングルフィンとは思えないラジカルなサーフィンで最初の部門を制覇した。
「ここに来るのは始めてなんだ。ビデオを見て、波がどんなものかは知っていた。でも、地理的なものはまるで分からなかったよ。シェーンは何度も来ているし、自分も毎年来たい場所の一つになったね。CTイベントがないのが不思議なほど素晴らしいロケーションだし、美しい波だね。面白い波だし、ハイレベルでハイパフォーマンスなサーフィンができるよ」
ケリー・スレーター
「シングルフィンについては、無理にターンしようとせず、より繊細にターンをする方法を学んだ気がするね。ハイパフォーマンスボードでは常に最も過激なターンを試みているけど、シングルフィンは自分のスタイルとフローにとって素晴らしいものになると思う」
ケリー・スレーター
「シングルフィン部門」
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 シェーン・ドリアン(HAW)
3位 ロス・ウィリアムス(HAW)、テイラー・ノックス(USA)
5位 ロブ・マチャド(USA)、フセイン”イブー”アリーフ(MDV)
ツインフィン部門
8月24日、同じくサルタンでツインフィン部門が開催。
前日よりサイズダウンした3-5ftレンジでオフショアが強いコンディション。
この日はSFでケリーを倒して前日のリベンジを果たしたシェーンがロスと争い、優勝。
モルディブには30年近く通っているシェーンのナレッジが上回っていた。
「ケリーを倒すのは本当に気持ちが良いね。当たり前だけど、彼に勝つのは本当に難しいんだ。今まで何度も対戦してきたけど、いつもやられてばかりさ。彼に勝てた時は個人的に嬉しいね」
シェーン・ドリアン
「ファイナルに進めたことは、とても良い気分さ。ケリーやシェーン、テイラー、ロブ、イブーに勝つために、一生懸命頑張ったよ。とても良いチャレンジだし、本当に楽しい。今日はロブ・マチャドがデザインしたボードに乗っていたんだ。親友がデザインしたボードでサーフィンする。それも彼の目の前でモルディブのイベントでなんて本当に最高で特別なことさ」
ロス・ウィリアムス
ちなみに彼らはスラスターやクワッドのボードでフィンの数だけを調整する形で使用。
シングルフィン、ツインフィンならではのデザインのボードで見たかったという贅沢な意見もある。
「ツインフィン部門」
1位 シェーン・ドリアン(HAW)
2位 ロス・ウィリアムス(HAW)
3位 ロブ・マチャド(USA)、ケリー・スレーター(USA)
5位 テイラー・ノックス(USA)、フセイン”イブー”アリーフ(MDV)
スラスター部門
8月25日、ファイナルデイが2-4ftレンジのサルタンで開催。
スラスター部門とグランドファイナルが行われた。
この日は現役CT選手で11xワールドチャンピオンのケリーのサーフィンが爆発。
R1でテイラー、ロブに圧勝、SFではローカルのイブーと対戦して勝利。イブーにとってはレジェンドと戦う貴重なチャンスであり、人生で最高のヒートとコメントを残していた。
ケリーはロブとのファイナルで更にエンジンを加速させ、9.33を出してシングルフィン部門に続き、2勝目を決めた。
「本当に楽しいイベントだね。みんなとリラックスしてやっているよ。楽しいメンバーが揃い、イブーも素晴らしい存在さ。彼と知り合えて、一緒にサーフィンができて、本当に良かった。彼は今日一緒にヒートができて本当にストークしていると言っていたよ。彼と一緒にサーフィンができて本当に嬉しかった。彼は本当にいい奴なんだ」
ケリー・スレーター
「スラスター部門」
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ロブ・マチャド(USA)
3位 シェーン・ドリアン(HAW)、フセイン”イブー”アリーフ(MDV)
5位 ロス・ウィリアムス(HAW)、テイラー・ノックス(USA)
グランドファイナル
最後はこのイベントで最もポイントを稼いだサーファー2名によるグランドファイナル。
2部門を制したケリーとツインフィン部門で優勝したシェーンが争った。
イベントを通しての彼らの対戦成績は3対2でシェーンが上回っていたが、最後は…。
このヒートはセットが安定せず、8ポイント2本を出したケリーがシェーンをコンビネーションに追い込んでいた。
終盤、シェーンは8.70を返すものの、バックアップスコアを出せず、ケリーが優勝。
ヒート対戦ではシェーンとイーブンとなり、唯一のCT選手の面目を保った。
「本当に楽しいファイナルだった。このイベントを通して、シェーンは本当に波と合っていたよね。ファイナルでは俺が彼からそれを奪ってしまったようなものさ。彼はヒートのベストウェーブを掴んだけど、波が来るのが遅過ぎた。彼がラインアップに戻った時には、もう数分しか残っていなかったんだ。これで勝負はイーブン。完璧なラストだった」
ケリー・スレーター
10周年を迎えた『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』は過去に例をない豪華なメンバーで大成功に終わった。
『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』公式サイト
https://www.surfingchampionstrophy.com/
(空海)