2021年より新たに採用されたCTの新しいフォーマット「Rip Curl WSL Finals」。
これはレギュラーシーズンのトップ5によるプレーオフのようなシステム。カリフォルニアのローワートラッセルズを舞台に、一日限りのコンテストでワールドタイトルを決定するもの。
今年は9月8日〜16日がウェイティングピリオドだが、波予想からWSLは24時間以内の開始を告げるイエローアラートを発令。
現地時間9月8日の7時30分(日本時間9月8日23時30分)にオフィシャルコールされ、30分後にスタートする可能性がある。
WSLのコミッショナー、ジェシー・マイリー・ダイヤは「我々は24時間以内にスタートする可能性のあるイエローアラートを出します。今のところ、木曜日と金曜日に素晴らしい波が来る予報ですが、金曜日にはオンショアの風が吹く可能性があるので、木曜日開催に向けてイエローアラートを発令します。良い波になるでしょう。」とコメント。
コンテストのキックオフはランキング5位と4位の選手の対戦で、ウィンメンズの初戦はステファニー・ギルモア(AUS) vs ブリッサ・ヘネシー(CRI)。
メンズは 五十嵐カノア(JPN)とイタロ・フェレイラ(BRA)のヒートになり、東京五輪ファイナルの再来でもある。
カノアとイタロのカードはこれまで2勝1敗でカノアがリード。イベント前には「イタロとは何度もヒートを共にしているので、借りができたと思っているよ。ローワーズで対戦するサーファーを1人選べと言われたら、イタロさ。とは言え、目の前の大きな課題であり、ワールドチャンピオンになるためには、他にも対戦しなければならない相手が沢山いる。今は最初のヒートに集中するのみだよ。」とコメント。
いよいよ開催が迫る「Rip Curl WSL Finals」、ここでは全10名の出場選手を改めて紹介。
ウィメンズ
1. カリッサ・ムーア(HAW)
トップシードは、前年を含む通算5度のワールドチャンピオン、そして東京オリンピック金メダリストのカリッサ。『Billabong Pro Pipeline』での準優勝からスタートし、『Oi Rio Pro』で優勝。安定した強さを見せ、今年もトップの位置から、勝ち上がってくる対戦相手を待つ。
ここで、この位置でまたタイトルを獲得するチャンスがあることに本当に感謝しています。ただ自分のベストを尽くして、何が起こるかを見てみたいです。
2. ジョアン・ディファイ(FRA)
第2シードには、前年もファイナル5に出場したジョアン。今年は『Quiksilver Pro G-Land』で優勝、『Oi Rio Pro』で準優勝した以外にも、1年を通じて進化した姿と安定したサーフィンを見せた。このファイナルでも相手にプレッシャーを与えるだろう。
3. タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
序盤2戦で苦戦したが、『MEO Pro Portugal』優勝で盛り返しミッドシーズンカットを免れたタティ。『J-Bay Corona Open』では、史上初のグーフィーフッター覇者となった。ブラジル人女性初のワールドタイトルを獲得を狙う。
4. ブリッサ・ヘネシー(CRI)
WSLファイナルズ初出場。シーズン初戦のHurley Pro Sunset Beachで優勝し一躍注目の的となった。その後ランキングが徐々に下降していたが、最終戦の『Outerknown Tahiti Pro』準優勝で一気にランクアップ、トップ5に返り咲いた。
正直、ファイナル5への出場権獲得の瞬間からまだ心臓がドキドキしていて、消化するのにはまだもう少しかかりそう。このような優秀なメンバーに加われたことを光栄に思います。今年1年で私たちが歩んできた道は、美しく、そしてストレスもありましたが、皆より強く、より素晴らしい人間となって帰ってきました。
5. ステファニー・ギルモア(AUS)
8度目のワールドタイトルに挑むステファニー。これまでの活躍は言うまでもない。シーズン初戦『Hurley Pro Sunset Beach』を不運な欠場でスタートしたが、ミッドシーズンカットを通過し、『Surf City El Salvador Pro』での優勝でランキングをジャンプアップさせ、最終的に5位の位置でファイナルズ進出を果たした。
メンズ トップ5
1. フィリッペ・トレド(BRA)
トップシードはフィリッペ。今年は『Rip Curl Pro Bells Beach』と『Oi Rio Pro』で優勝、『MEO Pro Portugal、『Quiksilver Pro G-Land』、『Surf City El Salvador Pro』で準優勝と表彰台に立ち続け、ランキング1位に上がった後は最後までその座を譲らなかった。昨年のファイナルは最後に覇者ガブリエル・メディナに破れたが、今年はトップの位置からリベンジを果たしたい。
またこの場所に戻ってこれたこと、再びファイナルズに参加することができて本当に嬉しいんだ。昨年初めて開催されたファイナルズはとてもクールだったね。多くの期待と何が起こるかわからない中、素晴らしい記録的なイベントになったと思う。またこの場所、家族や友人と過ごせるホームで、大好きなサーフィンができることは幸せだし、今から待ち遠しいよ。
2. ジャック・ロビンソン(AUS)
WSLファイナルズ初出場。『Margaret River Pro』『Quiksilver Pro G-Land』と連勝し、『Corona Open J-Bay』での準優勝と大活躍のシーズン。2013年のミック・ファニング以来、オーストラリアにタイトルをもたらすことが期待されている。
ここにいること、このポジションにいることに興奮し、感謝しているし、サンクレメンテに戻ってこれたことは本当にうれしいよ。昨年はここで多くの時間を過ごしたし、この世界最高のメンバーと一緒にここにいられることが嬉しいので、楽しい一週間にしたいね。
3. イーサン・ユーイング(AUS)
WSLファイナルズ初出場。CTに再クオリファイしたのは昨年。本格的なレールワークとパワフルなターンを駆使して『Corona Open J-Bay』でCT初優勝という大きな結果を残し、その後も安定した成績で3位の位置からワールドタイトルを狙える存在となった。ジャック・ロビンソンとともに、オーストラリアの期待となっている。
4. イタロ・フェレイラ(BRA)
2019年のワールドチャンピオン、東京オリンピック金メダリストのイタロ。今シーズンは実は優勝がなかったが、SF進出の安定感と爆発的なサーフィンで、トップ5入りを果たしている。
毎回フィリペと最高のヒートをして、自分が勝つと予想されないのが好きだね。以前2019年にその位置にいて優勝したから、みんなの後ろにいるのがよいんだ。興奮しているし、再びワールドタイトルを取る素晴らしい機会だからね。気合は入っているし、準備はできているよ。
5. 五十嵐カノア(JPN)
WSLファイナルズ初出場。東京オリンピック銀メダリスト。最終戦『Outerknown Tahiti Pro』においてファイナルズ進出がかかったヒートで、終了間際の大逆転で勝利を収め、最後の出場権を得た。
あれは本当にすべてがうまくいってクレイジーだったよ。ヒート終盤にチャンスが来るような気がしていたんだ。あの波が入ってきて、あの壁を見た時に、この先2週間はこれで決まりだ!と思ったのを覚えているよ。あの波がキャリアを大きく変えてくれた。あの瞬間のヒーローは波で、自分はただ自分のことをやっただけなんだ。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/