PHOTO: ISA / Pablo Franco

五十嵐カノアがISA初の金メダルを獲得してパリ五輪の1枠も獲得!『2022 ISA World Surfing Games』最終日

2024年パリ五輪に繋がる最初のISAイベント、『2022 ISA World Surfing Games』がカリフォルニア、ハンティントンビーチで9月16日からスタートして24日に終了した。

日本にとって、そして五十嵐カノアにとって忘れられない一日になった最終日のレポートをお届け!

五十嵐カノアがISA初の金メダルを獲得

(五十嵐カノア)
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

日本代表とはいえ、ハンティントンビーチで育ったカノアは『Vans US Open of Surfing』で2連覇を達成したほどこの波を熟知しており、更に今年はCTでもトップ5に入る勢いがあった。

WSGはメインラウンドと敗者復活戦のリパチャージラウンドがあり、今年はCT選手でもリパ側に回るケースが多いほどの混戦だったが、カノアは一貫してペースが崩れず、メインラウンドを全て1位通過。
最終日のR7でもペルー代表のルーカ・メシナス、ポルトガル代表のギリェルメ・フォンセカ、アメリカ代表のナット・ヤングを相手に唯一8ポイントを出して圧勝でファイナル進出を決めていた。

PHOTO: ISA / Pablo Franco

最終日のハンティントンビーチにはムネ〜カタサイズの新しい南南西ウネリが入っていた。
来年からCTのライバルとなるであろうインドネシア代表の和井田理央が執念でリパチャージから勝ち上がってきたことも勝負を面白くしていた。

お膳立てが揃ったファイナルはカノアが予想通り主導権を握った。バックサイドでのフルローテーションエアーで7.83、フロントサイドで高さのあるテールハイ・エアーリバースで8.13をスコア。
優勝すればインドネシアにパリ五輪の1枠を与える可能性があった和井田理央も執拗にチャージして7.67を出して追い上げる場面もあったものの、ニード8.29はひっくり返らず、カノアがISAイベントで初の金メダルを獲得した。

PHOTO: ISA / Sean Evans
PHOTO: ISA / Sean Evans
PHOTO: ISA / Sean Evans
PHOTO: ISA / Pablo Franco
PHOTO: ISA / Sean Evans

「本当に特別な優勝さ。個人戦での勝利はもちろん素晴らしいけど、次のオリンピックで日本代表の枠を確保したんだ。本当に特別な気持ちさ。自分でもチームメイトでも代表の誰かが優勝するということは大きな意味があるんだ」

今回の結果によって日本はパリ五輪で1枠の追加を確保。
これでメンズは最大3名が出場可能になる。

なお、2位の和井田理央も2023年CTで10位以内に入ればインドネシア代表としてパリ五輪出場の可能性がある。
パリ五輪の選手選考はまだ始まったばかりであり、2024年のWSGまでその枠をかけての戦いが続く。

Photo: ISA / Ben Reed
Photo: ISA / Ben Reed
(和井田理央)
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

ウィメンズはアメリカ代表が優勝してパリ五輪の1枠も獲得

(優勝したキラ・ピンカートン)
PHOTO: ISA / Sean Evans

開催国のアメリカ代表はコロへ・アンディーノ、ナット・ヤングがファイナル前に敗退。
ウィメンズはガブリエラ・ブライアンが敗れ、キラ・ピンカートンがファイナルに残っていた。

フランス代表のポーリン・アドゥ、オーストラリア代表のサリー・フィッツギボンズ、ペルー代表のダニエラ・ローザスとのファイナルは7ポイント台を出したキラとポーリンの争いとなり、僅かにスコアが上回ったキラがWSGで初の金メダルを獲得した。

(キラ・ピンカートン)
Photo: ISA / Ben Reed

「信じられないくらい幸せよ。もう、言葉もないわ。本当に素晴らしい1週間だった。全てのヒートで勝つのはほぼ不可能だと思っていたわ。それが最後まで万事上手くいった。今はただ畏敬の念を抱いている」

キラの優勝により、アメリカはウィメンズと団体総合でも優勝を決めた。
更にパリ五輪のウィメンズ1枠追加と2009年以来の団体総合金メダルを手に入れ、開催国として大きな結果を残していた。

なお、2023年のWSGは2021年の開催地、エルサルバドルで5月30日〜6月7日に開催される。
このイベントではアフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの各大陸の男女上位入賞者4名にパリ五輪の枠が与えられる。

(団体総合優勝はアメリカ)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

『2022 ISA World Surfing Games』結果
団体総合結果
1位 アメリカ
2位 オーストラリア
3位 ポルトガル
4位 フランス

メンズ個人結果
1位 五十嵐カノア(JPN)
2位 和井田理央(INA)
3位 ジャクソン・ベイカー(AUS)
4位 ギリェルメ・フォンセカ(POR)
…11位 村上舜
…25位 上山キアヌ久里朱

ウィメンズ個人結果
1位 キラ・ピンカートン(USA)
2位 ポーリン・アドゥ(FRA)
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
4位 ダニエラ・ローザス(PER)
…17位 都筑有夢路
…29位 松田詩野
…41位 前田マヒナ

国別対抗リレーレース
「アロハカップ」
1位 フランス
2位 アメリカ
3位 アルゼンチン
4位 ポルトガル

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(空海)

▼パリ五輪サーフィン特設ページ

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