現地時間1月26日、フィリピン北西部のサン・ファン「アービズトンドビーチ」で開催されていたQS3,000『La Union International Pro』が終了。
ハイグレードのQSということもあり、日本を含め、アジアリージョナルからCS出場を狙うトップ選手が集結してハイレベルな戦いが繰り広げられていた。
ウィメンズのファイナルは日本人対決
会場の「アービズトンドビーチ」はライトのポイントブレイク。
ファイナルデイは公式2-3ftのやや風の影響が入った厚めのブレイク中心。エアーが出せるようなセクションはほとんど無く、マニューバー勝負となった。
ウィメンズは松田詩野、松岡亜音と日本人グーフィーフッター同士のファイナル。
序盤は松岡亜音が6.50、松田詩野が7.50を出して共に好調なスタート。バックアップを重ねた松田詩野が主導権を握ったものの、後半に松岡亜音が逆転。
残り10分、松田詩野が1ターンからフィニッシュまで決めて6.30を出してトップを奪い返すとすぐにテイクオフ。この波がファイナルで最も良いセットとなり、クリティカルセクションでのトップターンで8.00を出してトータル15.50。松岡亜音をニード9.00まで追い込む。
松岡亜音は最後の逆転のチャンスで素晴らしいライディングを披露したが、最後にミスをしてしまい、6.60止まりに…。
松田詩野が5年ぶりのQS優勝を決めた。
「QSでは自身最高の結果を出すことができました。昨年は怪我で良い結果を残せなかったので、この優勝は自信になります。バックハンドが好きなので、ここの波は好きですね。この場所で戦えたことも嬉しいです。美味しい食べ物に優しくて協力的な人たち、ラ・ウニオンは素晴らしい場所です。今回のボードキャリーはフィリピンのロコに頼みました。それがこの結果に繋がったのだと思います」
昨年はシーズン前のサーフィン中に右肩を痛め、CSを休んで4月には手術を行った松田詩野。
秋に復帰して出場したCSポルトガル戦、ブラジル戦も17位とふるわず、2023年CS出場がかかっているQSも2イベント出場で結果も悪く、ランキング24位と低迷していた。
今回の優勝で3,000ポイントを獲得して一気に9位まで上昇。
3月2日〜5日は宮崎のお倉ヶ浜でQS3,000『whitebuffalo Hyuga Pro』が開催されるため、ここで良い結果を残せばCS出場のチャンスも十分にある。
メンズは岩見天獅が2位
メンズはレギュラーフッター同士のファイナル。
昨年のCSを回ったインドネシアのクトゥ・アグース、まだ17歳でジュニア枠ながらすでにCSを狙えるポジションにいる日本の岩見天獅が対戦。
一本目に最大のセットを乗り、完璧にメイクしたクトゥ・アグースがイベントのハイエストとなる9.50を出して主導権を握り、5.50のバックアップスコアを重ねて勝利を固めると後半はプライオリティを上手く利用して3つのビッグターンを繰り返す。このライディングにジャッジは8.75をコールしてトータル18.25。
岩見天獅は7.00止まりで最後まで逆転は出来なかったが、リスキーなターンで攻めてQSでは自身最高位を獲得。
世界でのこの結果と経験は確実に次に繋がることだろう。
「このイベントに向けて準備万端だったよ。CSに戻り、リオと一緒にCTを回りたいからね。ファイナルはパドルアウトした時にベストコンディションだと興奮した。最初の波のスコアを聞いた時はあの波を与えてくれた神と9.50を出してくれたジャッジに感謝したさ。天獅も良いスコア出していたので、バックアップが必要なことは理解していたよ。ビッグスコア一つでは勝てないからね。リラックスしてヒートの主導権を握り、彼がビッグスコアを出すチャンスを抑えていた。全てが功を奏してこの優勝に繋がったんだ」
インドネシア勢は和井田理央がクオリファイを果たしたことでブレイクスルーが起こり、勢いがある。
クトゥ・アグースは今回の優勝でランキング3位に浮上、トップは今回5位に入ったオニー・アンワーが維持している。
次のアジアリージョナルのQSは3月2日〜5日に宮崎のお倉ヶ浜で開催されるQS3,000『whitebuffalo Hyuga Pro』
当初の1,000からグレードが上がり、日本以外のアジアからもトップ選手がエントリーするだろう。
QS3,000『La Union International Pro』
1位 クトゥ・アグース(IDN)
2位 岩見天獅(JPN)
3位 西慶司郎(JPN)、ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)
5位 オニー・アンワー(IDN)、田中大貴(JPN)、安室丈(JPN)、キアン・マーティン(SWE)
ウィメンズ
1位 松田詩野(JPN)
2位 松岡亜音(JPN)
3位 野中美波(JPN)、カイラニ・ジョンソン(IDN)
5位 脇田紗良(JPN)、ニルビ・ブランカダ(PHL)、タイナ・イスキエルド(IDN)、松永莉奈(JPN)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)