いよいよ1月29日から開幕する『Billabong Pro Pipeline』を皮切りに2023年CTがスタートする。
改めてCTのスケジュールを提示すると共にシーズン直前に次々と公表されている新しい試みをお伝えしよう。
2023年CTスケジュール
フォーマットの一新から2年目のフルシーズンとなるCTのスケジュールは2022年秋の発表と変更無く、ハワイから始まり、ポルトガル、オーストラリアで前半戦が終了。
ミッドシーズンカットを経て復活したサーフランチから後半戦が始まり、エルサルバトル、ブラジル、南アフリカ、最終戦のタヒチでシーズンが終了する。
そして、メンズ、ウィメンズ共にトップ5が9月にカリフォルニアのローワー・トラッセルズで『Rip Curl WSL Finals』を戦い、ワールドタイトルが決定する。
2022年との違いはインドネシアのG-Landに変わってサーフランチが復活したこと。
なお、アメリカを拠点とする世界的なスポーツリーグとして初めて賞金額を男女平等にしてから5年目のシーズンとなる。
▪️1月29日〜2月10日
『Billabong Pro Pipeline』
▪️2月12日〜23日
『Hurley Pro Sunset Beach』
▪️3月8日〜16日
『MEO Rip Curl Pro Portugal』
▪️4月4日〜14日
『Rip Curl Pro Bells Beach』
▪️4月20日〜30日
『Margaret River Pro』
【ミッドシーズンカット】
メンズ36名→22名(+ワイルドカード2名)
ウィメンズ18名→11名(+ワイルドカード1名)
▪️5月27日〜28日
『Surf Ranch Pro』
▪️6月9日〜18日
『Surf City El Salvador Pro presented by Corona』
▪️6月23日〜7月1日
『Rio Pro presented by Corona』
▪️7月13日〜22日
『Corona Open J-Bay』
▪️8月11日〜20日
『SHISEIDO Tahiti Pro presented by Outerknown』
★9月7日〜15日
『Rip Curl WSL Finals』
2023年CTは2024年パリ五輪の選手選考で優先順位トップ
2024年パリ五輪はサーフィンが始めて五輪の競技となった東京五輪と同様に複数の選手選考が設けられている。
その優先順位トップとなるのが2023年CTのランキングで、パリ五輪出場の48名の内の18名。
メンズ10名、ウィメンズ8名が選出される。
シェイパーランキング
2023年の新たな試みの一つとして選手が使用するサーフボードのシェイパーに対してのランキングが正式に導入される。
「Vissla」がスポンサーとなった「2023 Vissla Championship Tour (CT) Shaper Rankings」が正式名称で、10イベントでQF以上まで進んだ男女のポイントを総合してランキングを発表。
『Rip Curl WSL Finals』前にベスト・ハイパフォーマンス・シェイパーが決定される予定だ。
WSLから公表されているシェイパーは18名。
このランキングの目的はシーズンを通して安定したパフォーマンスを発揮するサーフボードにスポットライトを当てること。
シェイパーの経歴やビジネスの舞台裏も紹介する。
ちなみに2022年の10イベントでのトップは五十嵐カノア、フィリッペ ・トレドなどが使用するシャープアイ、2位はメイヘム、3位はDHDだった。
Apple Watchの採用
WSLは公式ウェアラブル機器としてApple Watchを採用すると発表。
これはプロスポーツの公式競技者用機器として使用される初めてのケースとなる。
選手はApple Watch Series 8、Apple Watch UltraでWSLのアプリを使用することで、ヒート時間、スコア、プライオリティなどの情報を得ることが可能になる。
すでに2シーズンに渡ってテストされたこのアプリ。今までサーフィン競技の欠点だった風と波の音によって情報が伝わらないという障害をクリアするゲームチェンジャーになるだろう。
なお、Apple Watchの耐水性能は優秀であり、フリーサーフィン時に使用する時計としてもオススメできる。
Series 8は50m、Ultraは100mの耐水性能があり、「Dawn Patrol」というアプリでフリーサーフィンを記録することも可能だ。
デューク・カハナモク・トロフィー
『Billabong Pro Pipeline』開催直前の週末にノースショアのタートルベイリゾートで開催されたWSLアワードで発表された重要な項目の一つ。
WSL CEOのエリック・ローガンがワールドタイトルのトロフィーの名称を「デューク・カハナモク・トロフィー」と名付けると発表。
ハワイを代表するCT選手、カリッサ・ムーアとジョン・ジョン・フローレンスも一緒に壇上に上がり、スピーチを行った。
このトロフィーは現代サーフィンの父と呼ばれるデューク・カハナモクを称え、サーフィンの豊かな伝統を認識。最高レベルの進歩、革新、パフォーマンスを促進するというWSLの献身的な取り組みをさらに後押しする。カハナモク家およびアウトリガー・デューク・カハナモク財団とのパートナーシップのもとで決定した。
デュークはハワイを代表するウォーターマン、オリンピック選手、そして、アロハの大使だった。
生涯にわたりウォータースポーツの競技に携わる中で、サーフィンの発展とオリンピックへの参入を提唱し、2021年についに東京五輪で実現したのだ。
サーフィンに人生を捧げ、世界中の何百万人もの人々の心と魂に触れたデューク。
偉大なスポーツマンシップと強い個性による目覚ましい偉業は、今日まで人々にインスピレーションを与え続け、このトロフィーを通じて永遠に記念されることだろう。
(空海)
▼パリ五輪サーフィン特設ページ