ツアーで最も素晴らしい波ながら、最も不安定な舞台でもあるオアフ島・ノースショアのパイプライン。
特にレイトシーズンとなるこの時期に短期間で波を当てるのは難しい。
現地時間2月6日、4日ぶりにウィメンズQFから再開したこの日のパイプラインも、予想されていた北西ウネリは期待外れ。
辛うじてバレルになっていたバックドアも数は非常に少なく、クリーンなバレルはタイラー・ライト(AUS)のみ。
結局、ポテンシャルがある波が入らないことを考慮してQFの4ヒート終了時点で翌日以降に持ち越しになった。
タイラーの一人舞台
冒頭でもお伝えした通り、この日のバレルらしいバレルはタイラーのみで、5.17と6,50を獲得。
対戦相手のタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)がトータルでも1,16ポイントだったことを見れば、いかにこのヒートが偏っていたかが分かるだろう。
時に勝負の世界は残酷であるのだ。
「今日の計画はシンプルだったわ。複雑なことはなく、上手く運んだと思う。波は何本か良かったけど、少なかったわね。タティアナはライトを狙っていたので、私は自分の強みを活かしてライトを狙った。オフシーズンはハードなトレーニングを積んできた。自分のやり方で実行するのは他の人が思うよりも大変だと思う。それが今シーズンの自分の価値観の根底にあるし、本当に心がけていることよ。ヒート中も常に考えているわ」
次のSFの対戦相手はシェーン・ドリアンをコーチに付けたレイキー・ピーターソン(USA)
この日、ブリッサ・ヘネシー(CRI)との難しいヒートでもシェーンの的確なアドバイスによってラウンドアップを果たしている。
カリッサがリベンジを果たす
5xワールドチャンピオンでオリンピックサーフィンの初代金メダリストでもあるカリッサ・ムーア(HAW)はモリー・ピックラム(AUS)を相手にバックドアで短いバレルを抜けて4.67をスコア。この一本が決め手となり、3年連続のSF進出を決めた。
同時に『Vans Pipe Masters』のリベンジを果たすことにも成功した。
「あの波はプライオリティがなかったの。でも、クリーンに見えたし、モリーには波が見えてないようだったわ。私には失うものは何もないと思い、ただ挑戦したのよ。みんな良いサーフィンをしているわ。特にモリー、彼女は初日に最も調子が良かったし、大変な対戦になると思ったの。ここでは何が起こるか分からないので、目の前のことに集中するだけよ」
カリッサのSFの相手は同じハワイアンのベティルー・サクラ・ジョンソン。
サクラは2022年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したガブリエラ・ブライアン(HAW)とシーズン最悪のヒートをこなし、ボードを折りながらも勝利した。
ネクストコールは現地時間2月7日の朝7時45分(日本時間の8日午前2時45分)で、15分後にスタートする可能性がある。
ライブ中継はWSL公式サイト、公式YouTube、公式アプリで配信される。
予想では7日〜9日にかけて10ftクラスの北西ウネリが入ることになっているので、イベントは一気にクライマックスを迎えるだろう。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)