現地時間2月16日、オアフ島・ノースショアのサンセットビーチを舞台とした『Hurley Pro Sunset Beach』は3日目を迎え、二つのマンオンマンヒートを同時に行うオーバーラッピングヒートを使用してメンズのRound of 32からRound of 16まで一気に進行。
QFを戦うベスト8が決定した。
この日のコンディションは前日に入った北西ウネリがピークを迎え、公式8-10ftレンジ。
ビーチブレイクのようだった前日とは一転、終日クリーンなサンセットビーチらしい波に恵まれ、ビッグマニューバーにバレルもある見応えある戦いになっていた。
ビッグネームが次々と敗退
世界のトップサーファーによる争いは実力だけではなく、運やあらゆる要素が勝敗を左右する。
例え素晴らしいパフォーマンスをしてもトータルスコアで相手に0.1ポイントでも及ばなければそこで終了という厳しい世界。
1ヒートが人生を変えてしまう可能性もある。
この日はジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、イタロ・フェレイラ(BRA)、ケリー・スレーター(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)、五十嵐カノア(JPN)などのビッグネームが次々と敗退。
カノアはジャクソン・ベイカー(AUS)とのRound of 32でニード7.31に追い込まれながら、終了間際に乗った波でビッグターンからフィニッシュまでメイクして逆転に成功。
次のRound of 16でも同じようなシチュエーションでマシュー・マクギリヴレイ(ZAF)に追い込まれ、またもや終了間際に同じようなライディングを決めたが、ニード7.41で7.07と僅かに及ばず、開幕戦よりも1ラウンド進んだ9位でフィニッシュした。
また、初日にハイエストスコアを出していたジョン・ジョンは珍しくリズムが合わず、Round of 16でナット・ヤング(USA)に敗退した。
ニューカマーの台頭
ビッグネームが次々と敗退した一方、開幕戦で優勝したロボことジャック・ロビンソン(AUS)を始め、ジョアオ・チアンカ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)などがスコアを伸ばしてQF行きを決めている。
特にジョアオは二つのヒートで8ポイント台を2本出すコンスタントさで、ヤゴ・ドラ、イタロとツアーの先輩に圧勝。
イタロとのRound of 16では16.83のハイエストヒートスコアまで手に入れている。
「毎晩、次のヒートのことばかり考えてしまうんだ。本当に何が起こるか分からないからね。今日は2つの素晴らしいヒートトータルに恵まれた。波も良かったし、全てが上手く運んだ人生で最高のコンペティションの日に感動しているんだ。でも、まだコンテストは終わっていないから、感情を抑えているのさ」
兄のルーカス・チアンカはチャンボの愛称で活躍するビッグウェーバーで、WSLイベントでも優勝経験があるビッグネーム。
その影響か、ジョアオも他のブラジリアンとタイプが違うようだ。
ロボが2連勝に近づく
初のイエロージャージを着用しているロボはRound of 16でレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)と対戦。
開幕戦のファイナルの再来はバレルとパワフルなカービングのコンボで8.00をスコアしたロボが勝利。残り3ヒート勝てば2連覇となる。
「彼との勝負は10歳の頃から続いているよ。いつも奮い立たせてくれるんだ。今日は本当に良い波だったし、面白かったね。仕事がこなせて良かった。レオナルドは最高のコンペティターさ。ヒート開始直後に肘と肘がぶつかり合い、始まったと思ったね。海に入る前、砂浜を歩いている時からもう勝負していたほどだったよ。良いヒートだった。彼は良い波に乗っていたので、もっと良い波に乗ろうとしたんだ」
ロボとレオ、そしてカノアはジュニア時代にQuiksilverのチームメイトで戦友のような関係。
その様子はApple TV+の「Make Or Break」シーズン1のエピソード4で描かれているのでぜひチェックして欲しい。
SFのマッチアップは以下。
ジャック・ロビンソン(AUS) vs ナット・ヤング(USA)
イーサン・ユーイング(AUS) vs グリフィン・コラピント(USA)
フィリッペ・トレド(BRA) vs カイオ・イベリ(BRA)
ジョアオ・チアンカ(BRA) vs マシュー・マクギリヴレイ(ZAF)
ウィメンズはRound of 16以降が残っている。
ネクストコールは現地時間2月17日の朝7時45分(日本時間の18日午前2時45分)
北西ウネリは弱まる傾向、風は東南東のオフショアから午後は不安定になる予想。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)