(フィリッペ・トレド) Photo by Tony Heff/World Surf League

ガブリエル、ジョンジョンの次の世代への交代の時期は近いのか?

F+(エフプラス)

サンセット優勝フィリッペ。2位グリフィン。グリフィン途中から焦った感じなんだろうか。セットの2本目が良かったと思うけど、1本目グリフィンが行って、2本目フィリッペでハイポイントという終盤の展開になった。ワールドチャンピオンの意地、見せていただきました。女子はモリー・ピックラム優勝、キャロライン・マークス2位。
シーズン序盤はジャックロボ独走態勢で、昨年のことを思い起こすとベルズ3位のあと、マーガ、Gランドと連勝で突っ走ったので、この後も勢いは止まらなそうな感じだ。

(ジョアオ・チアンカ)
Photo by Brent Bielmann/World Surf League

前回、このジャックにジョンジョン、ガブが今シーズンの絡みみたいなことを書いたけど、実は頭の片隅にジョアオ・チアンカの名前はへばりついていた。サーフィンが特別うまいブラジルの新生、という感じではないし、ワールドナンバー3のサーフィンなのかと問われればノーではあるけど、このハワイレッグでの2試合3位は高く評価できる。
ナザレを征したビッグウエイバーのルーカス”チュンボ“チアンカの弟さんで、彼のニックネームはチュンビーニョ。CTとビッグウエイブツアー、フィールドは違うけどチュンボとチュンビーニョのチアンカ兄弟はここの所大活躍だ。
サーフィンのタイプはちょっと前のフィリッペっぽい感じというか、タイミングよく上でうまく抜いちゃう感じとか、似てると思う。フィリッペとのマンオンマンで見ると、フィリッペの進化ぶりがよく見える。

(ジョアオ・チアンカ)
Photo by Tony Heff/World Surf League

掘れたセクションを見つけて合わせていって、派手に当てるのは今風かな、とは思うけど、本格派という感じはまだしない。波にスキあらばここぞと攻める積極性というか、休まない感じが評価される部分だろう。ただ、左手の手首を立ててしまうクセがある。わりとよくあるクセで、以前の脇田沙良もそうだったけど、手がちょっと待った~、みたいな形になっちゃうのは可動域が狭まるので致命的。早急に直したほうがいいと思う。まぁまだ23歳だし、身体ももうふた回りぐらいでかくなりそうだから、この先もっとパワフルになっていくんだろうし、そういうわかりやすい癖があるということは、それを直せば伸びしろが大きいということだ。パイプでフィリッペ、サンセットでイタロとブラジルのワールドチャンプをなぎ倒しているあたりの運の強さというかメンタルの強さというかは買いだと思うし、ちょっと要注意人物といえる。そしてジャッジはこういう新しい人というかスタイルというか、新鮮なの、好きだからね。

(ジョン・ジョン・フローレンス)
Photo by Brent Bielmann/World Surf League

ガブとジョンジョンはなんかこのハワイでは弱かったな。圧倒的な感じ、みたいなものが希薄だったように思う。まぁ、コンディションもコンディションだったからしょうがないかもしれないけど、ギアを入れ直してのポルトガルということになるんだろう。
とはいえ、今年ジョンジョンは10月で31歳になるし、ガブは12月で30歳になる。ウォータースポーツで30代というと結構体力的にしんどい年齢ではある。ケリーの51歳を考えればまだまだではあるけど、あれは超人なので別枠。ガブ、ジョンジョンのチョイ下のフィリッペ、イタロ、そしてそのまた下のジャック、グリフィンの活躍を考えると、すでに世代交代なのか? とも思う。

(ジャック・ロビンソン)
Photo by Tony Heff/World Surf League

ケリーがあまりにも長いこと頂点にいたので、健康的な世代交代のリズムというかトップの入れ替わりのサイクルのようなものからだいぶ遠ざかっていたので、ついいつまでもガブ、ジョンジョンになってしまうんだけど、スポーツのトップにおける世代交代のサイクル的なことを考えると、もうジャックロボ以降の世代なのかなぁ、とも思う。なんかさみしいけど。

F+編集長つのだゆき

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